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第1180回 年明け最初のG2を制する馬は?

2018/1/11(木)

戸崎圭太騎手の3日連続重賞制覇という偉業が達成された3日間開催も終わり、今週からは通常の土日開催。土曜には牝馬の愛知杯、日曜には3歳の京成杯と、古馬の日経新春杯という3重賞が行われる。今回はこのうち、年明け最初の古馬G2となる日経新春杯を取り上げる。春の大レースへ向け好スタートを切るのはどの馬か、過去の傾向からみていこう。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JV馬天楼 for データde出〜たを利用した。

■表1 人気別成績

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収 過去5年
1 2-4-1-3/10 20.0% 60.0% 70.0% 45% 94% 1-3-0-1
2 4-2-0-4/10 40.0% 60.0% 60.0% 150% 93% 2-1-0-2
3 1-3-0-6/10 10.0% 40.0% 40.0% 70% 74% 0-0-0-5
4 0-0-5-5/10 0.0% 0.0% 50.0% 0% 113% 0-0-4-1
5 0-0-0-10/10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0% 0-0-0-5
6 1-0-0-9/10 10.0% 10.0% 10.0% 121% 48% 1-0-0-4
7 0-0-1-9/10 0.0% 0.0% 10.0% 0% 48% 0-0-1-4
8 0-0-1-9/10 0.0% 0.0% 10.0% 0% 41% 0-0-0-5
9 0-0-0-10/10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0% 0-0-0-5
10〜 2-1-2-50/55 3.6% 5.5% 9.1% 104% 93% 1-1-0-29
1〜3 7-9-1-13/30 23.3% 53.3% 56.7% 88% 87% 3-4-0-8
4〜9 1-0-7-52/60 1.7% 1.7% 13.3% 20% 41% 1-0-5-24

2011/1/16 京都11R 日経新春杯(G2) 1着 8番 ルーラーシップ (2番人気)

過去10年、3番人気以内が計16連対とまずは人気馬が優勢の一戦。ここ5年にかぎると3番人気の連対こそなくなったが、連対馬10頭中7頭が1〜2番人気から出ている。この1、2番人気が揃って連対を外したのは09年と15年のみである。一方、人気薄では10番人気以下からも10年で5頭が好走しているが、間の4〜9番人気は【1.0.7.52】。15年にダービー以来の休み明けで優勝したアドマイヤデウス(6番人気)以外は、好走しても3着止まりだ。

■表2 性齢別成績(背景灰色は本年の登録馬なし)

性別 年齢 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
牡・セン 4歳 6-5-2-22/35 17.1% 31.4% 37.1% 139% 76%
5歳 1-4-2-20/27 3.7% 18.5% 25.9% 5% 53%
6歳 0-0-3-22/25 0.0% 0.0% 12.0% 0% 39%
7歳 1-0-0-26/27 3.7% 3.7% 3.7% 25% 8%
8歳以上 0-0-0-19/19 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
牝馬 4歳 0-0-0-1/1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
5歳 1-0-3-1/5 20.0% 20.0% 80.0% 78% 774%
6歳 1-1-0-2/4 25.0% 50.0% 50.0% 860% 262%
7歳 0-0-0-2/2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

牡・セン馬の年齢別では4歳馬が好成績を収めていたが、今年は牡馬で4歳の登録はなかった。ただ、5歳馬も5連対を記録し、6歳以上の1連対(10年前のアドマイヤモナーク1着)とは差があるだけに、今年の牡馬勢ではまず5歳馬を重視したい。また、牝馬は全体で【2.1.3.6】複勝率50.0%と出走馬がいれば注目したいが、同一週に愛知杯が移動してきたここ2年は該当馬不在だ。

■表3 牡・セン馬ハンデ別成績

斤量 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収 牝馬
〜51kg 0-0-0-9/9 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0% 1-0-1-1
52kg 1-0-1-8/10 10.0% 10.0% 20.0% 228% 84% 0-0-2-2
53kg 0-1-0-18/19 0.0% 5.3% 5.3% 0% 7%
54kg 0-1-0-26/27 0.0% 3.7% 3.7% 0% 4% 1-0-0-2
55kg 3-2-0-16/21 14.3% 23.8% 23.8% 86% 52% 0-1-0-1
56kg 2-5-3-17/27 7.4% 25.9% 37.0% 43% 89%
56.5kg 1-0-1-0/2 50.0% 50.0% 100.0% 160% 145%
57kg 0-0-0-6/6 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
57.5kg 0-0-0-3/3 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
58kg 0-0-2-6/8 0.0% 0.0% 25.0% 0% 40%
58.5kg 1-0-0-0/1 100.0% 100.0% 100.0% 160% 110%

牡・セン馬のハンデを見ると、好走馬は52キロ(カポーティスター1着、タガノエルシコ3着)から、58.5キロ(トゥザグローリー1着)まで分散している。ただ、好走馬が多く、好走確率も高いのは55〜56キロ台。牝馬は49キロ・テイエムプリキュアが逃げ切るなど分散している。

■表4 牡馬4〜5歳、ハンデ55〜56キロ台の連対馬

馬名 性齢 ハンデ 人気 着順
08 ダークメッセージ 牡5 55 2 2
09 ナムラマース 牡5 56 3 2
10 トップカミング 牡4 55 1 2
11 ルーラーシップ 牡4 56.5 2 1
ヒルノダムール 牡4 56 3 2
12 ダノンバラード 牡4 56 3 2
13 ムスカテール 牡5 56 1 2
14 サトノノブレス 牡4 55 2 1
アドマイヤフライト 牡5 56 1 2
15 アドマイヤデウス 牡4 55 6 1
16 レーヴミストラル 牡4 56 2 1
17 ミッキーロケット 牡4 55 1 1

表4は、表2で好成績だった牡馬の4〜5歳馬、そして表3で好成績だったハンデ55〜56キロ台の両方を満たす連対馬を抽出したものだ。14年からこれに該当する馬が4連勝を飾っており、毎年1頭はこの中から連対馬が出現している。今年は牡馬の4歳馬不在になったが、5歳でも該当馬がいれば連対候補として有力だ。また、12頭中、15年のアドマイヤデウス以外は3番人気に推されており、今年も人気馬がいれば特に重視したい。

■表5 前走クラス、レース間隔別成績(前走除外等の馬は除く)

前走クラス・間隔 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
1000万下 1-1-1-2/5 20.0% 40.0% 60.0% 456% 198%
1600万下 0-3-0-18/21 0.0% 14.3% 14.3% 0% 19%
条件戦計 1-4-1-20/26 3.8% 19.2% 23.1% 87% 53%
OPEN特別 1-1-3-28/33 3.0% 6.1% 15.2% 21% 130%
G3 2-4-1-25/32 6.3% 18.8% 21.9% 119% 61%
G2 1-1-4-22/28 3.6% 7.1% 21.4% 16% 53%
G1 5-0-0-16/21 23.8% 23.8% 23.8% 109% 46%
重賞計 8-5-5-63/81 9.9% 16.0% 22.2% 81% 54%
連闘 0-0-1-3/4 0.0% 0.0% 25.0% 0% 102%
中1週 1-1-1-11/14 7.1% 14.3% 21.4% 50% 162%
中2週 2-0-0-13/15 13.3% 13.3% 13.3% 32% 15%
中3週 2-1-1-14/18 11.1% 16.7% 22.2% 212% 80%
中4〜8週 1-7-5-48/61 1.6% 13.1% 21.3% 7% 61%
中9〜24週 3-1-1-15/20 15.0% 20.0% 25.0% 144% 77%
半年以上 1-0-0-7/8 12.5% 12.5% 12.5% 151% 60%

前走レース別で最多の好走馬4頭を出しているのは愛知杯【2.1.1.4】と万葉S【1.1.2.10】だが、愛知杯は本競走の前日に移動。また万葉Sからは登録がなく、今年は前走レース別の成績があまり参考にならない。そこで大きくクラス別に見ると、前走重賞出走馬が8勝を挙げる一方で、条件戦組でも連対率や複勝率は見劣らない。出走数は少ないが、1000万条件組でも5頭中3頭が馬券に絡んでおり、前走の格はあまり気にせず狙っていきたい。 レース間隔もまちまちだが、中4〜8週、おおむね前年11月中旬から12月中旬に出走していた馬は【1.7.5.48】で、16年のレーヴミストラル(前走金鯱賞8着)以外は好走しても2〜3着までに終わっている。また、半年以上の休養明けで好走したのはアドマイヤデウスのみ、ほかに秋競馬不出走の好走馬もアドマイヤフライト1頭と、大きく間隔が開いても減点になる。

■表6 前走オープン・重賞組の前走着順、着差別成績

前走 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
前走1着 0-0-1-5/6 0.0% 0.0% 16.7% 0% 38%
前走2着 1-4-1-5/11 9.1% 45.5% 54.5% 29% 119%
前走3着 3-1-2-6/12 25.0% 33.3% 50.0% 104% 86%
前走4着 0-0-1-3/4 0.0% 0.0% 25.0% 0% 72%
前走5着 1-0-0-5/6 16.7% 16.7% 16.7% 48% 20%
前走6〜9着 3-1-1-27/32 9.4% 12.5% 15.6% 62% 94%
前走10着〜 1-0-2-40/43 2.3% 2.3% 7.0% 80% 63%
勝0.0〜 0-0-1-5/6 0.0% 0.0% 16.7% 0% 38%
負0.0 0-2-0-1/3 0.0% 66.7% 66.7% 0% 126%
負0.1〜0.2 3-2-2-9/16 18.8% 31.3% 43.8% 78% 83%
負0.3〜0.5 3-2-1-7/13 23.1% 38.5% 46.2% 153% 120%
負0.6〜0.9 2-0-2-23/27 7.4% 7.4% 14.8% 22% 93%
負1.0〜1.9 1-0-0-38/39 2.6% 2.6% 2.6% 88% 15%
負2.0〜 0-0-2-8/10 0.0% 0.0% 20.0% 0% 211%

表6は、前走オープン・重賞組の前走内容別成績である。好走確率が高いのは前走着順では2〜3着馬、そしてタイム差は同タイムから0.5秒まで。その双方を満たした馬は、計【3.5.2.8】連対率44.4%、複勝率55.6%を記録する。ここ2年は該当馬が1頭ずつしかいなかったが、サトノノブレス、モンドインテロともに4番人気で人気を上回る3着に食い込んでいる。

■表7 前走条件戦からの好走馬

馬名 性齢 ハンデ 人気 着順 前走 人気 着順 上がり
09 タガノエルシコ 牡4 52 4 3 猪名川特別(1000) 1 1 1位
10 トップカミング 牡4 55 1 2 オリオンS(1600) 1 1 1位
13 カポーティスター 牡4 52 10 1 北野特別(1000) 2 1 5位
14 アドマイヤフライト 牡5 56 1 2 オリオンS(1600) 1 1 1位
16 シュヴァルグラン 牡4 54 1 2 オリオンS(1600) 1 1 1位
17 シャケトラ 牡4 53 2 2 境港特別(1000) 1 1 1位

前走条件戦組の好走馬は表の6頭で、全馬に共通するのは前走1着。ほかに、4歳、今回4番人気以内、前走1番人気、前走上がり1位、といったあたりが多くの馬に共通する。すべてを満たす必要はないが、馬券候補には前走1着のほかに、もう1つくらいは該当する馬を選びたい印象だ。

【結論】

日経新春杯は上位人気が安定し、それ以外なら中位人気勢よりは思い切った穴馬を狙いたい一戦だ。牡・セン馬なら4〜5歳、そしてハンデは55〜56キロ台が良い。前走はオープン・重賞なら0.5秒差以内の2〜3着馬が好成績で、条件戦なら勝っていることが好走条件だ。

2017/1/8 京都10R 寿ステークス 1着 5番 ロードヴァンドール

まず前走オープン・重賞で2〜3着かつタイム差0.5秒以内だった馬は、6歳・ソールインパクト、そして5歳のミッキーロケットとロードヴァンドールの3頭。好走の多い5歳(表2)の2頭のうち、ロードヴァンドールはハンデが56キロになり、表4で挙げた「牡馬4〜5歳、ハンデ55〜56キロ台」。これに該当する馬は毎年連対しているだけに、この3頭ではまずロードヴァンドールに注目したい。

ただ、前走で同馬に前着した昨年の覇者・ミッキーロケットは恐らく1〜2番人気(表1)で、連覇のチャンスも十分。一方で、この中日新聞杯組2頭は、勝ち切れない中4〜8週(表5)に該当するため、6歳でももう少し間隔が開いたソールインパクトも侮れない存在になる。

その他では、ハンデ55〜56キロ台からベルーフにも注目。前走・福島記念は9着ながら0.4秒差(表6)。前走オープン・重賞で4着以下でも、タイム差が0.5秒以内なら【3.1.1.9】複勝率35.7%を記録する。加えて、前走1000万条件優勝馬(表5)・ガンコは、表7の各条件では減点になるが、荒れれば2桁人気の好走もあるため(表1)、念のため大穴候補としてマークしたい。また、サンタフェチーフ、リカビトスの牝馬2頭は愛知杯と兼登録だが、こちらに回るようなら注意が必要だ。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。


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