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牡馬をねじ伏せてのG1制覇を狙うグランアレグリア
牝馬による朝日杯フューチュリティSの出走は稀だが、近年では2016年にミスエルテが挑戦。1番人気で4着の結果に終わった。前週の阪神ジュベナイルフィリーズに出走するのが普通ではあるが、舞台は阪神芝1600mで同じ。力がある馬であれば牝馬でもやれるはずだ。本馬の場合は、前走サウジアラビアロイヤルCがとにかく圧巻。スタートはやや遅れたが、スピードの違いですぐに好位へ行き、最後の直線では残り200m手前から一気に突き放した。勝ち時計も素晴らしく、現時点での能力はケタ違いだ。前向きな気性のため、引っかかる心配は多少あるので、落ち着いたレース運びをしたい。
デイリー杯2歳Sを勝利したアドマイヤマーズ
前走デイリー杯2歳Sではポンと飛び出し、押し出されてハナを切ったが、リラックスしながらの走りに見えた。スローペースに持ち込み、最後の直線はメイショウショウブとの長い叩き合いの末、3/4馬身抜けて勝利。これで無傷の3連勝となった。これまで少頭数でしか競馬をしていない点がどうかだが、スタートの良さとレースセンスに秀でており、今回も好位は取ることができそうだ。阪神に替わる点も、特に問題はないだろう。ただ、グランアレグリアは強敵。前走2着に退けたメイショウショウブが、阪神JFで6着に終わっている点は気になる。
京王杯2歳Sも勝利したファンタジスト
前走京王杯2歳Sはレースの前半600m通過が38秒0に対し、ラスト600mが33秒5というラップ。東京での芝1400mは他場の同距離に比べて上がりの競馬になりやすいとはいえ、かなりのスローペースだった。異例のペースではあったが、追い比べを制したことは評価できる。阪神芝1600mでも対応できそうだ。速いペースになっても、決め手が生きるだろう。ただ、小倉2歳Sも含めて時計面から強さは感じない。まだ3戦無敗の成績だし、相手なりに走れるタイプかもしれないので軽視はできないが、強化される相手に対してどこまで通用するか。
デビュー戦でハナ差競り負けたのは、後にデイリー杯2歳Sを制することになるアドマイヤマーズだった。それを考えると、今夏の活躍も自然と言えるかもしれない。2戦目の未勝利戦(新潟芝1600m)を勝ち上がり、続く新潟2歳Sも1番人気で優勝した。ただ、この時は手薄なメンバー構成で、頭数も少なかった。稍重馬場とはいえ勝ち時計も物足りなさが残った。今回はその時以来の実戦であり、G1に向けては心配な面が多い。潜在能力はアドマイヤマーズとほぼ互角と仮定すれば、グランアレグリア以外の馬とは勝負になると言えるだろうか。
前走サウジアラビアロイヤルCは7番人気ながら2着に好走。淀みないペースで流れは向いた感もあるが、上がり3ハロンはメンバー中最速の33秒7だった。デビュー勝ちが重馬場の新潟芝1400mだったので、意外ないい面を見せたと言える。速い時計にも対応でき、決め手も鋭い。現実的には前走におけるグランアレグリアとの着差(3馬身半)をどのように詰めるかが課題だ。昨年はサウジアラビアロイヤルCの1着(ダノンプレミアム)・2着(ステルヴィオ)馬が、そのまま朝日杯FSでもワン・ツーを決めた。グランアレグリアを逆転するのは厳しい印象だが、再び食い下がることは可能だろう。