要約
1969年生まれ、京都府出身。デビュー以来、史上初・史上最年少・史上最速の名がついた数々の輝かしい記録を打ち立て、自らの記録さえも塗り替え続ける武豊は世界の舞台で戦い続ける。
JRA通算3800勝、重賞300勝など数々の記録を打ち立て、日本競馬界を牽引してきた天才はデビュー30周年を迎えた。
香港に向いているエイシンヒカリ。相手は強いが…
楽しみにしております。あと、香港カップにはエイシンヒカリが出走を予定しています。今年はイスパーン賞を圧勝しましたし、香港カップはディフェンディング・チャンピオンとしての出走になりますね。
ファンのみなさんにもおわかりいただいているとは思いますが、この馬は波があって、勝つときは圧勝、負けるときは凡走というタイプですね。ただ、去年結果が出ている香港というのは、いい雰囲気で挑めると思います。
香港の馬場も向くと考えていいんでしょうか?
馬場自体が特に向いている感じではないですが、滞在競馬であることや、パドックでの周回がそれほど長くないこと、そしてパドックから本馬場までの導線とか、競馬場として向いている面は多いと思います。
嫌気を出さずに力を発揮できる条件が整っているんですね。
去年と同じパターンで輸送や仕上げもやりやすいですし、結果も出ているので、持っているポテンシャルの高さを出せるようなレースにしたいですね。
香港カップは日本馬がほかに4頭、出走を予定していますね。
それもすごいメンバーが揃っていますが、自分の競馬をするだけですね。この馬に乗るとき、レースの展開としてはなにも考えることはないですから。
朝日杯を勝って全GI制覇、さらに来年増える大阪杯も?
この「武豊展」についてうかがいたいのですが、今日も本当に大盛況で……。
ありがたいですね。改めてぼく自身も励みになりますし、これだけ多くの方が足を運んで下さっているのを見ると、もっともっと頑張りたいと思います。
今日の会場もたいへん広いのですが、それでもポスターを全部は貼りきれないですし、どれを選ぶのか悩まれたのではないでしょうか。
そうですね。でも嬉しい悩みですし、これをもっと増やしていきたいと思いますからね。また、こうして見ていると「凱旋門賞の表彰式で手を挙げている写真があればなあ」と思いますので……、まあ(JRAのG1では)朝日杯FSもないんですけれど(笑)。
来年からは大阪杯も増えますね。
大阪杯は7勝しているので、それでいいかな、と(笑)。
朝日杯FSの騎乗馬はもう決まっていますか?
タガノアシュラ(黄菊賞1着)が使いそうなので、楽しみですね。難しい馬ですけれど、秘めたものがあると思いますので。今年、朝日杯FSを勝てれば、とりあえずG1完全制覇にはなりますので(笑)。
最後に、JRA−VANについてもうかがいたいと思います。
パソコンやスマホで成績や映像などがすぐに見られて、パトロール映像まで見られますし、えらい時代になったなあ、と(笑)。ファンのみなさんに、馬券が当たってもハズレても「いいレースを見られたなあ」と思ってもらえるレースをしないといけないですね。全馬の力を出し切るのはなかなか難しいことですが、そういうレースを目指して作るのが騎手の役目ですし、しっかり乗らないといけないですね。
「武豊TV!II」(フジテレビONE)でもいろいろなレースについて語っておられますが、過去のレースはよく見られますか?
好きな方ですね。競馬よりおもしろいスポーツはないと思っていますから飽きないですし、みんなそれぞれの楽しみ方があって、素晴らしいスポーツだと思います。私たちは馬券を買えないですけれど、みなさん本当に楽しそうに検討されていますよね。
おかげさまで、いつも競馬を楽しませていただいてます。あまり儲からないですけど(笑)。
そうですか? 結構当てておられると…。
いやいや、そんなことないです(笑)。お忙しい中、本日はありがとうございました。
ありがとうございました。
(取材・文:市丸博司/パソコン競馬ライター)
(写真:倉元一浩)