セレクションセール2022 高額取引馬(1歳)

1歳 レーヌミノル2021
(牡 黒鹿)

2021年2月27日生

6600万円(税抜)

レーヌミノル2021
ブリックスアンドモルタル レーヌミノル 母父 ダイワメジャー
販売者 (有)フジワラファーム 落札者 吉岡 實

父は米国産。米G1BCターフ(芝約2400m)、米G1ペガサスワールドカップターフ招待S(芝約1900m)、米G1アーリントンミリオン(芝約2000m)、米G1マンハッタンS(芝約2000m)、米G1ターフクラシックS(芝約1800m)のG1・5勝を含む北米13戦11勝。6戦全勝で締めくくった5歳時に米年度代表馬に輝いた。初年度産駒は現1歳。その鋭い差し脚は日本の芝馬場への適性が期待される。

母は新ひだか産。デビュー2戦目の小倉2歳Sを6馬身差で圧勝し重賞初制覇。翌春の桜花賞を8番人気で制し、秋にはマイルチャンピオンシップで4着に入った。現2歳の姉(父リオンディーズ)がおり、本馬は2番仔。

母の父は千歳産。皐月賞、天皇賞(秋)、安田記念、マイルチャンピオンシップ(2回)などを勝ち、JRA賞最優秀短距離馬に2度選出された。主な産駒にアドマイヤマーズ(G1香港マイルほか)、メジャーエンブレム(NHKマイルCほか)、レーヌミノル(桜花賞)、カレンブラックヒル(NHKマイルC)、コパノリチャード(高松宮記念)、レシステンシア(阪神ジュベナイルフィリーズ)など。2015年の2歳リーディングサイヤー。母の父としてはショウナンナデシコ(父オルフェーヴル、かしわ記念)、ナミュール(父ハービンジャー、チューリップ賞)、グランブリッジ(父シニスターミニスター、関東オークス)などを出している。

1歳 ディアレストトリックスキ2021
(牡 鹿)

2021年2月20日生

6200万円(税抜)

ディアレストトリックスキ2021
シニスターミニスター ディアレストトリックスキ 母父 Proudest Romeo
販売者 (有)服部牧場 落札者 山元 哲二

父は米国産。3歳4月の米G1ブルーグラスSを12馬身3/4差で圧勝した実力馬。引退後すぐに日本で種牡馬入りし、昨年度のJRA賞最優秀ダートホースのテーオーケインズ、JBCレディスクラシックのヤマニンアンプリメ、今年の関東オークスを勝ったグランブリッジ、レパードSなどダート重賞6勝のインカンテーションなど、ダートの活躍馬を次々と送っている。

母は米国産。3歳12月の米G1ラブレアS(オールウェザー約1400m)を2着に1馬身半差をつけ逃げ切り。4歳時には米G2エイグリームH(オールウェザー約1400m)、米G3ランチョベルナルドH(オールウェザー約1300m)を連勝。3〜5歳時19戦11勝(勝ち鞍は約1000〜1400m)という成績を残した。産駒はコリンズクレストが佐賀で2勝、マジックが高知で2勝している。

母の父は米国産。北米で21戦4勝(勝ち鞍はダート約1000〜1300m)。米G2ジムビームS(ダート約1800m)2着。本馬の母が唯一のG1馬で、他に米G3オクラホマダービーのコミックトゥルースなど。Proudest Romeoの祖父グロースタークは、ブライアンズタイムなどの母の父として、母系に入って存在感を示してきたリボー系の名種牡馬。

1歳 マルモリバニー2021
(牡 黒鹿)

2021年4月10日生

6200万円(税抜)

マルモリバニー2021
シルバーステート マルモリバニー 母父 ダンスインザダーク
販売者 (有)大柳ファーム 落札者 三木 正浩

父は安平産。垂水S(阪神・芝1800m)など5戦4勝。屈腱炎のため長期休養を余儀なくされ、わずか5戦のキャリアに終わったが、垂水Sでは1分44秒5の好タイムを記録するなど高い能力を示した。現3歳の初年度産駒から、ウォーターナビレラ(ファンタジーS、桜花賞2着)、セイウンハーデス(プリンシパルS)、ロン(野路菊S)、コムストックロード(葵S2着)などを送っている。

母は浦河産。産駒はセイウンヴィーナス(父カレンブラックヒル、クイーンC3着)、ウインストラグル(父ショウナンカンプ、水無月S)、ローズカラー(父ローズキングダム、九州ジュニアチャンピオン)、テンポラーレ(父トランセンド、南関東2勝)と4頭が勝ち馬となっている。曽祖母の姉に牝馬二冠のマックスビューティがいる牝系。

母の父は千歳産。菊花賞を勝ったJRA賞最優秀3歳牡馬。主な産駒にデルタブルース(豪G1メルボルンC、菊花賞)、ツルマルボーイ(安田記念)、ザッツザプレンティ(菊花賞)、スリーロールス(菊花賞)。母の父としてはラブリーデイ(父キングカメハメハ、天皇賞・秋、宝塚記念)を送る。本馬同様、サンデーサイレンス系同士の配合でサンデーサイレンス3×3のクロスを持つパターンでは、キョウヘイ(父リーチザクラウン、シンザン記念)を出している。

1歳 ゴールドチェイス2021
(牡 栗)

2021年4月29日生

6000万円(税抜)

ゴールドチェイス2021
モーリス ゴールドチェイス 母父 アドマイヤムーン
販売者 (有)グランド牧場 落札者 竹下 浩一

父は門別産で、G1香港C、G1香港マイル、天皇賞(秋)、安田記念など芝1600〜2000mのG1・6勝を含む18戦11勝の成績を残したJRA賞年度代表馬。主な産駒にピクシーナイト(スプリンターズS)、ヒトツ(豪G1ATCオーストラリアンダービー)、マズ(豪G1BRCドゥームベン10000)、ジャックドール(金鯱賞)、シゲルピンクルビー(フィリーズレビュー)。初年度産駒から日豪のG1馬を送り出している。牝系はメジロドーベルなどが出た名門メジロボサツ系。

母は新ひだか産で、JRA1勝(ダート1400m)。産駒は5頭が出走し4頭がJRAで勝ち上がり。現3歳の半姉チェイスザドリーム(父ロードカナロア)は現在4戦3勝。ダート1000〜1200m戦を4馬身差、2馬身半差、3馬身差で圧勝している今後が楽しみな1頭。ディープブリランテ産駒の半姉レコードチェイサーもHTB杯(函館・芝1200m)を勝ったスピード馬。

母の父は早来産。首G1ドバイデューティフリー(芝1777m)、ジャパンC、宝塚記念を勝った2007年度のJRA賞年度代表馬。種牡馬としてはファインニードル(高松宮記念、スプリンターズS)、セイウンコウセイ(高松宮記念)と2頭のスプリントG1馬を中心に、芝の短距離で活躍馬を多く輩出している。母の父としては、本馬と同じモーリス産駒で、今年のエプソムCを勝ったノースブリッジを送っている。

1歳 スマッシュハート2021
(牡 鹿)

2021年5月21日生

6000万円(税抜)

スマッシュハート2021
ブリックスアンドモルタル スマッシュハート 母父 キングカメハメハ
販売者 (有)酒井牧場 落札者 藤田 晋

父は米国産。米G1BCターフ(芝約2400m)、米G1ペガサスワールドカップターフ招待S(芝約1900m)、米G1アーリントンミリオン(芝約2000m)、米G1マンハッタンS(芝約2000m)、米G1ターフクラシックS(芝約1800m)のG1・5勝を含む北米13戦11勝。6戦全勝で締めくくった5歳時に米年度代表馬に輝いた。初年度産駒は現1歳。その鋭い差し脚は日本の芝馬場への適性が期待される。

母は浦河産。産駒はストロングライン(父ダンカーク、JRA3勝)、タイセイシリウス(父エピファネイア、JRA3勝)など、出走した4頭全てがJRAで勝ち上がり。祖母ビーナスラインは函館スプリントSなど6勝。4代母ホクトビーナスは桜花賞2着。

母の父は早来産。現役時代には日本ダービー、NHKマイルCを勝ったJRA賞最優秀3歳牡馬。種牡馬としても大成功を収め、ロードカナロア、ドゥラメンテ、ルーラーシップ、レイデオロ、ホッコータルマエ、アパパネなど数々の名馬を送り、2010年、2011年のリーディングサイヤーに輝いている。母の父としてもワグネリアン、ジオグリフ、ソダシ、インディチャンプ、ブラストワンピース、モズカッチャン、アカイトリノムスメといったG1馬を送り、2020年、2021年のリーディングブルードメアサイヤーとなった。本馬の父であるブリックスアンドモルタルは、ジオグリフの父ドレフォンと同じストームキャット系。

1歳 エテルナミノル2021
(牡 鹿)

2021年4月11日生

5400万円(税抜)

エテルナミノル2021
カリフォルニアクローム エテルナミノル 母父 エンパイアメーカー
販売者 (有)フジワラファーム 落札者 嶋田 賢

父は米国産。米G1ケンタッキーダービー(ダート約2000m)、米G1プリークネスS(ダート約1900m)、首G1ドバイワールドC(ダート2000m)などG1・7勝を含む27戦16勝。3歳時と5歳時に米年度代表馬に輝いた名馬。初年度産駒は2020年にデビュー。シーラ(米G2プライオリスS)、カリフォルニアエンジェル(米G2ジェサミンS)、カリフォルニアキング(G2チリ銀杯−イタロトラベルソパスカレッティ)を出している。現1歳が日本における初年度産駒。

母は新ひだか産。愛知杯など30戦6勝(勝ち鞍は1600〜2000m)。3歳2月に小倉ダート1700m戦を5馬身差の圧勝で勝ち上がり、5歳1月の愛知杯で重賞初制覇。本馬は2番仔。曽祖母ビューティーメイクはドンカスターSなど7勝、新潟記念3着。その孫には東京大賞典4連覇のオメガパフュームがいる。

母の父は米国産。米G1ベルモントS(ダート約2400m)などG1・3勝。2012年の北米リーディングサイヤーで、米G1BCレディーズクラシックのロイヤルデルタなどを送り、直系の孫に米三冠馬アメリカンファラオ。日本ではフェデラリスト(中山記念)、タガノディグオ(兵庫チャンピオンシップ)など芝、ダート問わず活躍馬を送った。母の父としては、2021年のケンタッキーダービー馬マンダルーンや東海Sを勝ったエアアルマス(父はカリフォルニアクロームと同じエーピーインディ系マジェスティックウォリアー)を出している。

1歳 マイユクール2021
(牡 鹿)

2021年4月23日生

5400万円(税抜)

マイユクール2021
キズナ マイユクール 母父 バゴ
販売者 (有)日進牧場 落札者 (株)ノースヒルズ

父は新冠産で、日本ダービーや仏G2ニエル賞を制覇。桜花賞などG1を3勝したファレノプシスの半弟にあたる良血で、ビワハヤヒデとナリタブライアン(いずれもJRA賞年度代表馬で後者は三冠馬)のいとこでもある。主な産駒にソングライン(安田記念)、アカイイト(エリザベス女王杯)、ディープボンド(阪神大賞典)など。産駒は日本の他にもディープボンドがフランス、バスラットレオンがドバイ、ソングラインがサウジアラビアで重賞制覇。芝、ダートを問わずマイルから長距離まで幅広いカテゴリーで活躍馬を送っている。

母は浦河産。18戦3勝(勝ち鞍は全てダート1400m)、2着7回、3着3回、4着3回、5着1回で掲示板を外したのはわずか1回という堅実な走りを見せた。産駒は現4歳のタイセイサムソン(父メイショウサムソン)が今年の麦秋S(ダート1400m)を勝ってオープンクラス入り。その他、ショーヒデキラ(父ディープブリランテ)、ラインガルーダ(父シニスターミニスター)もJRA2勝。近親にプロキオンS優勝のキングズガード。

母の父は仏国産。仏G1凱旋門賞(芝2400m)など16戦8勝。産駒に有馬記念、宝塚記念(2回)、秋華賞のクロノジェネシス、菊花賞のビッグウィークなど。母の父としては2022年の兵庫チャンピオンシップを勝ったブリッツファング(父ホッコータルマエ)を出している。本馬の父キズナや兄ショーヒデキラの父ディープブリランテなど、ディープインパクト系との組み合わせではハイクレアの牝馬クロスが発生する。

1歳 アンシェルブルー2021
(牡 黒鹿)

2021年1月27日生

5000万円(税抜)

アンシェルブルー2021
レイデオロ アンシェルブルー 母父 マンハッタンカフェ
販売者 (有)矢野牧場 落札者 森中 蕃

父は安平産で、日本ダービーと天皇賞(秋)を勝ったJRA賞最優秀3歳牡馬・同4歳以上牡馬。通算17戦7勝。キングカメハメハ産駒でサンデーサイレンスを持たないという、ロードカナロアやルーラーシップなどの成功種牡馬と共通。曽祖母が名牝ウインドインハーヘアなので、ディープインパクトを持つ牝馬との配合でこの血をクロスするのも大きなポイントとなる。現1歳が初年度産駒。

母は新ひだか産。奥多摩S(東京・芝1400m)など4勝、阪神牝馬S2着、セントウルS3着、ヴィクトリアマイル5着。産駒はシゲルチキュウ(父キングカメハメハ)、モズマンジロウ(父モーリス)が1勝。牝系は大種牡馬サドラーズウェルズやヌレイエフなどが出た名門スペシャル系。

母の父は千歳産。菊花賞、有馬記念、天皇賞(春)を勝ったJRA賞最優秀4歳以上牡馬。主な産駒にヒルノダムール(天皇賞・春)、ジョーカプチーノ(NHKマイルC)、クイーンズリング(エリザベス女王杯)、グレープブランデー(フェブラリーS)など。2009年のJRAリーディングサイヤー。母の父としてはテーオーケインズ、メイショウハリオなどを送り、キングカメハメハ系との組み合わせでもレッドジェニアル(父キングカメハメハ、京都新聞杯)、ソウルラッシュ(父ルーラーシップ、読売マイラーズC)、リプレーザ(父リオンディーズ、兵庫チャンピオンシップ)など様々なタイプの活躍馬を出している。

1歳 スイートサルサ2021
(めす 黒鹿)

2021年2月8日生

4800万円(税抜)

スイートサルサ2021
ロードカナロア スイートサルサ 母父 デュランダル
販売者 シンボリ牧場 落札者 張 月勝

父は新ひだか産で、スプリンターズS2回、高松宮記念、安田記念、G1香港スプリント2回など19戦13勝。JRA賞年度代表馬、顕彰馬に選出された。産駒はアーモンドアイ(JRA賞年度代表馬2回)、サートゥルナーリア(皐月賞)、ダノンスマッシュ(G1香港スプリント、高松宮記念)、パンサラッサ(首G1ドバイターフ)、ダノンスコーピオン(NHKマイルC)など活躍馬多数。主に芝短距離から中距離の活躍馬が多い。

母は日高産。福島牝馬Sなど5勝(勝ち鞍は1600〜1800m)。現4歳の産駒シルキーヴォイス(父キングカメハメハ)は彦島特別(小倉・芝2600m)など3勝。本馬とは4分の3同血となる。同牝系にG1英チャンピオンSのファシネイティングロックがいる。

母の父は千歳産。マイルチャンピオンシップ(2回)、スプリンターズSを勝ち、2度JRA賞最優秀短距離馬に輝いた。主な産駒にエリンコート(オークス)。母の父としてはチュウワウィザード(父キングカメハメハ、チャンピオンズC)、トーセンスーリヤ(父ローエングリン、函館記念)、ベレヌス(父タートルボウル、中京記念)などを送っている。チュウワウィザードの父キングカメハメハは本馬の父ロードカナロアの父でもあり、相性の良さは証明済み。

1歳 ピュアアイズ2021
(牡 鹿)

2021年5月10日生

4700万円(税抜)

ピュアアイズ2021
キズナ ピュアアイズ 母父 ネオユニヴァース
販売者 (有)山際牧場 落札者 鈴木 昭和

父は新冠産で、日本ダービーや仏G2ニエル賞を制覇。桜花賞などG1を3勝したファレノプシスの半弟にあたる良血で、ビワハヤヒデとナリタブライアン(いずれもJRA賞年度代表馬で後者は三冠馬)のいとこでもある。主な産駒にソングライン(安田記念)、アカイイト(エリザベス女王杯)、ディープボンド(阪神大賞典)など。産駒は日本の他にもディープボンドがフランス、バスラットレオンがドバイ、ソングラインがサウジアラビアで重賞制覇。芝、ダートを問わずマイルから長距離まで幅広いカテゴリーで活躍馬を送っている。

母は新ひだか産。ダート1000〜1200mでJRA2勝、門別3勝。現4歳の産駒ピュアジャッジ(父ホッコータルマエ)は、5馬身差で圧勝した2勝クラス(阪神・ダート1800m)など6戦3勝の注目株。おじのマイネルイェーガーはスプリングS3着。

母の父は千歳産。日本ダービー、皐月賞を制したJRA賞最優秀3歳牡馬。主な産駒にヴィクトワールピサ(首G1ドバイワールドC)、ロジユニヴァース(日本ダービー)、アンライバルド(皐月賞)、ネオリアリズム(香港G1クイーンエリザベス2世C)など。母の父としてはアエロリット(父クロフネ、NHKマイルC)、ルヴァンスレーヴ(父シンボリクリスエス、チャンピオンズC)、ビーアストニッシド(父アメリカンペイトリオット、スプリングS)などを送っている。本馬と同じサンデーサイレンス3×3のクロスが発生するパターンには、アルメリアブルーム(父ドリームジャーニー、愛知杯2着)がいる。




ライタープロフィール

平出貴昭(サラブレッド血統センター)

著書に『覚えておきたい日本の牝系100』、『一から始める! サラブレッド血統入門』など。現在は『週刊競馬ブック』にてコラム『血統見聞録』を連載しているほか、『スポルティーバ』などに寄稿している。