函館2歳Sは、デビューを迎えたばかりの2歳馬にとって最初のJRA重賞です。地方競馬所属馬を除けば、すべての出走馬がこの時点では1勝馬(もしくは0勝馬)であり、額面上は「1勝クラス戦」と言えます。
また、例年の傾向を見ても、同レースの出走馬の半数以上はその後に2勝目を挙げることが叶わずに現役生活を終えるのが相場。実質的にも1勝クラス戦に近い位置づけにあるレースだと言えます。
そこで狙うべきは、その後に重賞級で活躍を見せる様な「ほんの一握りしかいない本当に強い馬」と、2歳夏の一戦だからこそ早熟性を生かして一世一代の走りを見せる「早熟馬」です。
特に配当面で期待できる後者の「早熟馬」を見抜く上で、大きな手掛かりとなるのが「性別」と「生まれ月」です。
| 生月 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1月生 | 2- 2- 5-10/19 | 10.50% | 21.10% | 47.40% | 56 | 168 |
| 2月生 | 3- 8- 1-47/59 | 5.10% | 18.60% | 20.30% | 67 | 84 |
| 3月生 | 5- 4- 6-68/83 | 6.00% | 10.80% | 18.10% | 23 | 52 |
| 4月生 | 7- 4- 6-64/81 | 8.60% | 13.60% | 21.00% | 113 | 101 |
| 5月生 | 2- 1- 1-25/29 | 6.90% | 10.30% | 13.80% | 191 | 54 |
| 6月生 | 0- 0- 0- 2/ 2 | 0.00% | 0.00% | 0.00% | 0 | 0 |
実際に「牝馬」と「早生まれ」に強く当てはまる馬の人気薄馬の激走率は、他と比較して顕著に高い傾向にあります。
〇牝馬かつ1月生まれの馬(2007年以降)
【2-1-4-4】(複勝率63.6%・単複回収率150%超)という超好成績をマーク。
〇5~6月生まれの馬(2007年以降)
【2-1-1-27】(複勝率12.9%)と、非常に対照的で低調な成績にとどまっています。
一方、前述した「本当に強い馬」を見抜く上で大きな手掛かりとなるのが「前走の位置取り&コース取り」です。結論から言えば、前走で2〜4番手追走の先行馬(特にプレッシャーのかかるコース取りをしていた馬)だけを評価すべきです。
| 前走脚質 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 平地・逃げ | 1- 4- 3- 41/ 49 | 2.00% | 10.20% | 16.30% | 4 | 44 |
| 平地・先行 | 7- 8- 5- 52/ 72 | 9.70% | 20.80% | 27.80% | 123 | 124 |
| 平地・中団 | 1- 0- 0- 7/ 8 | 12.50% | 12.50% | 12.50% | 45 | 18 |
| 平地・後方 | 0- 0- 0- 5/ 5 | 0.00% | 0.00% | 0.00% | 0 | 0 |
| 平地・マクリ | 0- 0- 0- 2/ 2 | 0.00% | 0.00% | 0.00% | 0 | 0 |
上位騎手や一流厩舎に手塩にかけられ、将来が嘱望されている馬であればあるほど、レースを覚えさせることが最優先される新馬戦において、得られるものが少ない「逃げる競馬」を積極的にさせることは基本的にありません。
新馬戦で逃げ切って勝った馬は、この時点ですでに「底が見えた」と判断されることも多く、2戦目において「新馬戦で教育ができなかった馬」と「教育ができた馬」では、発揮できるパフォーマンスの確度に大きな差が生じます。
それに加えて、これは2歳馬に限りませんが、そもそも「前走で逃げ→今回逃げられない」という臨戦過程は馬にとってギャップが大きく、パフォーマンスを落としやすい典型的なパターンでもあります。
また、前走で5番手以下の中団以降の追走をしていた馬は、そもそも追走力自体に疑問が残るほか、前走で逃げ・先行していた馬が揃う重賞の一戦ではペースの差に苦しみがちです。こちらも基本的には評価を下げて考えるべきパターンとなります。
これらを踏まえた上で、最後に「前走の時計」でふるいにかけることで、真の激走馬が浮かび上がります。
函館2歳Sに出走する馬の大半は、函館開催の序盤に組まれた新馬戦を勝ち上がってきた馬たちです。しかし、馬場の傷みが進行しやすい「洋芝」という特性上、開催序盤の新馬戦と、開催終盤に行われる函館2歳Sとでは、馬場状態の差が決して小さくないという点が重要になります。
ここでは、「好時計組」の評価を下げ、逆に「凡時計組」の評価を上げるアプローチこそが妙味につながります(実際、3年前は前走で芝の渋った馬場、またはダートの時計が遅いレースを勝ち上がってきた馬が上位6着までを独占しました)。
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ライタープロフィール
1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。

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