一昨年まで同時期に行われていた牝馬限定・ハンデ重賞の愛知杯を引き継ぐ形で新設重賞として発足した小倉牝馬Sですが、施行コース(中京→小倉)こそ変われども、施行距離(2000m)については同一でG1を除いた牝馬限定重賞では最も長い距離で行われる一戦であることには変わりありません。よって、まずは距離適性こそが明暗を分ける重要なポイントになってくるだろうという点についても従来のままだと見られます。
基本的に牡馬よりもスタミナ面で劣り距離適性が短めに出る牝馬にとっては、この2000mというのはイレギュラーな距離設定になります。そんな牝馬同士による中長距離の上級クラスのレースでは、距離適性の面での差がダイレクトに競走結果に反映されることになります。
まず考えるべきは、この距離でも力を出せるのかという点であり、そこで大きな手掛かりとなるのは「血統」です。
| 種牡馬 | 着別度数 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
|---|---|---|---|---|
| ハービンジャー | 8- 8- 5- 53/ 74 | 28.40% | 107 | 95 |
| キングカメハメハ | 8- 3- 3- 35/ 49 | 28.60% | 124 | 84 |
| ディープインパクト | 6- 12- 11-130/159 | 18.20% | 27 | 67 |
| キズナ | 6- 3- 6- 68/ 83 | 18.10% | 136 | 105 |
| ドゥラメンテ | 4- 3- 2- 34/ 43 | 20.90% | 78 | 64 |
| スクリーンヒーロー | 4- 2- 0- 18/ 24 | 25.00% | 124 | 71 |
| ゴールドシップ | 4- 1- 3- 25/ 33 | 24.20% | 142 | 90 |
| ロードカナロア | 4- 0- 1- 20/ 25 | 20.00% | 38 | 44 |
| エピファネイア | 3- 6- 5- 39/ 53 | 26.40% | 18 | 105 |
| オルフェーヴル | 3- 3- 3- 30/ 39 | 23.10% | 58 | 115 |
| ルーラーシップ | 2- 5- 2- 45/ 54 | 16.70% | 15 | 67 |
| ブラックタイド | 2- 0- 0- 10/ 12 | 16.70% | 241 | 60 |
| スワーヴリチャード | 2- 0- 0- 5/ 7 | 28.60% | 90 | 40 |
| ステイゴールド | 1- 5- 1- 11/ 18 | 38.90% | 176 | 169 |
| ハーツクライ | 1- 4- 4- 68/ 77 | 11.70% | 6 | 23 |
| キタサンブラック | 1- 2- 0- 22/ 25 | 12.00% | 26 | 47 |
通常とは異なるイレギュラーな適性が問われるという意味で、牝馬の中長距離の種牡馬別成績の序列は、全体リーディングとはまるで様相が異なってきます。
そこではかねてから「ステイゴールド系・キングカメハメハ産駒・ハービンジャー産駒・キズナ産駒」が特注血統であると紹介してきました。実際に直近の24年以降の牝馬限定の距離2000m以上の重賞・オープン競走において、3回以上好走したのは外国産馬を除いて「キズナ産駒8回・エピファネイア産駒6回・ハービンジャー産駒5回・キタサンブラック産駒3回・ゴールドシップ産駒3回」の6種牡馬だけです。産駒数が大幅に減少しているキングカメハメハ産駒が抜け、今をときめくエピファネイア産駒とキタサンブラック産駒が食い込んだ以外は数年前も直近年も同一の血統勢力図となっていました。
そのエピファネイアとキタサンブラックにしても出走数が多くて好走数を稼いでいるだけで回収率については水準未満ですので、やはり特殊な適性が求められる条件だけに、そこで輝きを見せるという特注血統の際立つ個性はそう簡単には埋没することはないということでしょう。
今回の舞台である小倉芝2000mは、最初の1コーナーまでの距離が約472メートルとかなり長いコース形態であるために、序盤のペースが速くなりやすいという特徴があります。実際に20年以降に同コースで行われた重賞レースは9レースあり、その中で良馬場で施行された7レース中6レースで前半3F通過タイムが34秒台以下のハイペースとなっており、さらに内3レースでは33秒台の超ハイペースとなっていました。唯一35秒台だった昨年の小倉記念にしても前半3F35.0秒-後半3F37.4秒というラップバランス的にはハイペースに分類できるレースの中身となっていました。
よって小倉芝2000mの重賞や上級クラスレースでは王道の距離2000mにもかかわらず、意外な程に前走で距離が長いレースを走っていた馬&過去に距離が長いレースでの好走実績を有している馬がよく走る傾向があります。
| 前走平地距離 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 同距離 | 16- 12- 11-133/172 | 9.30% | 16.30% | 22.70% | 127 | 82 |
| 今回延長 | 4- 5- 6- 98/113 | 3.50% | 8.00% | 13.30% | 36 | 50 |
| 今回短縮 | 4- 5- 6- 46/ 61 | 6.60% | 14.80% | 24.60% | 50 | 84 |
| 500m以上延長 | 0- 0- 0- 3/ 3 | 0.00% | 0.00% | 0.00% | 0 | 0 |
| 500m以上短縮 | 1- 1- 3- 12/ 17 | 5.90% | 11.80% | 29.40% | 28 | 101 |
実際に変則的に小倉芝2000mで行われた20年の愛知杯では、出走馬の中で4頭しかいなかった距離2200m以上のレースでの好走実績を持つ馬の中から、アルメリアブルーム(5番人気2着)・レイホーロマンス(11番人気3着)という2頭の人気薄が好走しました。昨年の小倉牝馬Sでも18番人気5着エミューなど上位5頭中3頭は前走距離2200m以上の馬でした。
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ライタープロフィール
1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。

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