阪神ジュベナイルフィリーズが行われる阪神芝1600mを高いレベルの時計で乗り切るという資質は、東京芝1600mで求められるモノと通じる部分が大きく、双方のコースで行われるレースは直結しやすいということが言えます。
実際に変則的に京都で施行された昨年は前走東京芝1600m組が全滅したのに対して、阪神で施行された近10年の阪神ジュベナイルFの3着内好走馬のちょうど半数(30頭中15頭)は前走東京芝1600m組(ほぼ全て好走馬)が占めていました。
| 前走コース | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
|---|---|---|---|---|
| 東京・芝1600 | 5- 5- 5-33/48 | 10.40% | 20.80% | 31.30% |
| 京都・芝1400外 | 2- 0- 1-34/37 | 5.40% | 5.40% | 8.10% |
| 東京・芝1400 | 1- 1- 2- 7/11 | 9.10% | 18.20% | 36.40% |
| 東京・芝1800 | 1- 1- 0- 3/ 5 | 20.00% | 40.00% | 40.00% |
| 新潟・芝1600外 | 1- 0- 0- 5/ 6 | 16.70% | 16.70% | 16.70% |
| 中山・芝1600 | 0- 2- 0- 5/ 7 | 0.00% | 28.60% | 28.60% |
| 京都・芝1600 | 0- 1- 0- 8/ 9 | 0.00% | 11.10% | 11.10% |
| 阪神・芝1400 | 0- 0- 1-14/15 | 0.00% | 0.00% | 6.70% |
| 札幌・芝1800 | 0- 0- 1- 3/ 4 | 0.00% | 0.00% | 25.00% |
直近の一昨年の阪神ジュベナイルFでは、2着馬ステレンボッシュが前走東京芝1600mの1勝クラス戦の勝ち馬で、3着馬コラソンビートが東京芝1600mで未勝利戦を圧勝した馬。出走馬の中で3頭いた東京芝1600m好走実績馬が2〜4着を占めました。
3年前も1着リバティアイランドは前走東京芝1600mの重賞戦の連対馬で、2着シンリョクカは前走東京芝1600mの新馬戦の勝ち上がり馬。出走馬の中で6頭いた前走東京芝1600m組または東京芝1600m好走実績馬の中から、好走馬2頭を含む掲示板入線馬3頭が輩出されていました。
これまでの現2歳世代のオープン競走戦線において特徴的なのが、牡馬の活躍が目立っているという点です。例えば3年前の2歳世代のオープン競走戦線では、函館2歳Sから札幌2歳Sまで牝馬が重賞3連勝スタートを切り、オープン特別まで含めれば牝馬が8連勝の快進撃を見せるなど「牡低・牝高」の決着傾向となっていました。
その年の阪神ジュベナイルFでは、前走牝馬限定の重賞勝利の1番人気馬リバティアイランドが勝利した一方で、前走牡馬牝馬混合のオープン特別勝利の2番人気モリアーナと3番人気ウンブライルが共に馬券外に沈みました。
逆に近年の中で同戦線が最も「牡高・牝低」決着傾向だったのは4年前と昨年でした。その4年前の阪神ジュベナイルFでは一握りしかいなかった前走牡馬牝馬混合の重賞好走(京王杯2歳S3着)のラブリイユアアイズが8番人気2着と穴をあけて、昨年に至っては前走牡馬牝馬混合戦組によるワンツースリー決着でした。
| 牡馬騙馬 | 牝馬 | |
|---|---|---|
| 2025年 | 17勝 | 5勝 |
| 2024年 | 17勝 | 6勝 |
| 2023年 | 13勝 | 11勝 |
| 2022年 | 14勝 | 10勝 |
| 2021年 | 17勝 | 7勝 |
| 2020年 | 13勝 | 11勝 |
その4年前と昨年の数字以上に同戦線において牝馬の勝利数が少なくて活躍できていないのが現2歳世代となっているだけに、そこではレベルが高くない牝馬同士のレースではなく、レベルが高い牡馬相手のレースで好結果をマークしていた馬の方を相対的に評価すべきです。
また、昨年の阪神ジュベナイルFについては、前走で中距離(距離1800m)を使っていた馬のワンツースリー決着。出走馬の大半を占めていた前走マイル以下組は全滅という、中距離実績がモノを言うという決着でもありました。今年も同様の決着となる可能性は大いにあると見ています。
それは今の2歳牝馬がマイル以下路線で強いとは想像しづらい現状の種牡馬勢力図(当時の種付け動向)があります。現2歳世代が種付けされた22年に種牡馬評価を大きく上げていた(種付け料が200万円以上増加)のはエピファネイア・キズナ・ドレフォン・キタサンブラックであり、また新種牡馬としてはコントレイルが大注目を集めていましたが、それらの中でドレフォンは牝馬では圧倒的にダートの方で走る血統であり、それ以外の4種牡馬は全て距離マイルよりも長い距離で真価を発揮する血統です。
そのような種牡馬勢力図を鑑みれば、かつてダイワメジャー産駒とディープインパクト産駒がけん引してレベルの高い争いが行われていた牝馬マイル戦線が再び巻き起こる可能性は低く、逆に相対的にレベルが高い争いが行われていると考えられる中距離路線組を重視すべきと見ます。
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ライタープロフィール
1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。

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