毎年の3歳世代馬の“世代レベル”と“秋古馬三冠レースにおける成績”は見事なまでの連動性が認められます。毎年指標として使っている「年別の3歳古馬混合×芝のオープン競走における3歳馬成績(天皇賞秋の前週まで)」を元にすると、今年は近16年では6番目の好成績(好走率30%)をマークしています。その好走率30%以上のハイレベル3歳世代年は、秋古馬三冠レース(天皇賞秋・ジャパンカップ・有馬記念)でも3歳馬が必ず2勝を挙げて勝ち越しを収めています。
| 着度数 | 複勝率 | 秋天&JC&有馬での3歳馬勝利数 | |
|---|---|---|---|
| 2025年 | [3-3-5-26] | 30% | 現在1勝 |
| 2024年 | [5-2-2-28] | 24% | 1勝 |
| 2023年 | [3-3-1-32] | 18% | 0勝 |
| 2022年 | [4-2-5-18] | 38% | 2勝 |
| 2021年 | [8-3-7-20] | 47% | 2勝 |
| 2020年 | [2-5-0-29] | 19% | 0勝 |
| 2019年 | [4-5-1-34] | 23% | 0勝 |
| 2018年 | [3-6-6-29] | 34% | 2勝 |
| 2017年 | [3-0-3-29] | 17% | 0勝 |
| 2016年 | [4-3-2-24] | 27% | 1勝 |
| 2015年 | [2-2-4-39] | 17% | 0勝 |
| 2014年 | [3-3-2-29] | 22% | 0勝 |
| 2013年 | [1-1-4-33] | 15% | 0勝 |
| 2012年 | [9-4-3-33] | 33% | 2勝 |
| 2011年 | [3-2-4-34] | 21% | 1勝 |
| 2010年 | [5-4-4-16] | 45% | 2勝 |
先の天皇賞秋でも『3歳世代馬が優位を形成する可能性が高く、マスカレードボールとミュージアムマイルの2頭では、中長距離実績で勝るダービー2着馬マスカレードボールに最注目』と記しました。その結果、マスカレードボールが勝利してミュージアムマイルが2着という3歳牡馬によるワンツー決着となりました。
天皇賞秋に3歳馬が(再び)出走可能になった1987年から2024年までの38年間で、3歳馬は僅か4頭しか勝利を挙げられておらず、本来3歳馬にとって鬼門のレースでした。それでも勝ち馬を輩出し、なおかつ初めてワンツー決着をしたという点からも、今年の3歳トップ層のレベルの高さを裏付ける結果だったと言えます。
天皇賞秋が3歳馬にとって鬼門となっている背景としては、3歳10月末頃の時点で古馬との斤量差が2キロ(だけ)というのも一因と見られますが、その後の3歳11月末頃の施行のジャパンCでも古馬との斤量差は同じく2キロのままです。
今が正に伸び盛りで古馬との能力差をドンドン埋めていく成長過程にある3歳馬にとって、必然的に同じ斤量差ならば対戦時期がより後ろになればなる程にメリットが大きいと考えられますので、そのジャパンCでは天皇賞秋以上に3歳馬に注目すべきです。
ジャパンCは創設当初は海外馬が圧倒的優勢でしたが、1998年からは日本馬が断然優勢となっています。その最たる背景としては、特に欧州競馬とこの日本競馬では、同じ競馬という競技とはいえども「競馬場」や「馬場」や「レースのペース」や「ルール」や「競走馬の性質」などなど何から何まで異なると言えるくらいに別物で、もはや対極に位置しているというのが大きいです。
そんな欧州競馬を主戦場にしている馬にとっては、ギャップが著しい遠国の日本競馬においても本国の実績と同様の走りを求めるのは基本的には無理な注文です。その中でも実は日本競馬への適性を秘めている海外馬がいれば、そのギャップを埋めて日本競馬でも走ってくる可能性は見出せます。その日本競馬適性を見抜くポイントとしては「中立地での実績」があります。
| 馬名 | 着順 | 生産国 | |
|---|---|---|---|
| 2024 | オーギュストロダン | 8 | アイルランド |
| 2021 | ジャパン | 8 | イギリス |
| 2021 | ブルーム | 11 | アイルランド |
| 2013 | ドゥーナデン | 5 | フランス |
| 2009 | コンデュイット | 4 | アイルランド |
| 2007 | アルティストロワイ | 8 | アイルランド |
| 2006 | ウィジャボード | 3 | イギリス |
| 2006 | フリードニア | 7 | イギリス |
| 2005 | ウィジャボード | 5 | イギリス |
| 2005 | キングスドラマ | 16 | アイルランド |
※実績有り馬の掲示板内率40%⇔無し馬の掲示板内率5%
それは対極に位置している欧州競馬での実績馬ではなく、欧州競馬以外の日本競馬と比較的近いシチュエーション(ドバイ・アメリカ・香港などの中立地)での実績を見るべきということです。そういう馬であれば、乗り越えるべきハードルは比較的小さくなりますので、額面の実績通りの走りを見せることができる可能性が見出せるというわけです。
実際に2005年以降のジャパンCでの海外馬の出走は合わせて69頭いましたが、その中で「日本競馬適性を示す中立地でのG1連対実績」を有する「芝馬のレベルが高い欧州生産馬(=芝馬のレベルが低い米国産馬などを除く)」は10頭中4頭が掲示板内善戦を果たしています(該当しない馬の掲示板内善戦は59頭中3頭)。
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ライタープロフィール
1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。

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