毎年「春の実績馬」対「夏の上がり馬」という構図で行われるローズS。 その「春の実績馬」の取捨については、「個々の馬が順調に夏を越すことができたのかどうか」「3歳春までの能力や充実度を3歳秋でも維持・継続できているか」という点が非常に重要な論点となります。 それを見極めるポイントは、主に「馬体重」と「育成牧場」の2点です。
まず「馬体重」について、基本的には2歳のデビューから古馬へと成長していくにつれて、馬体重は右肩上がりに徐々に増加していくのが通常の成長曲線と言えます(ディープインパクトのように例外的に減っていくレアケースもありますが)。 特に3歳夏という成長期を挟んで臨む春の実績馬については、少なからず馬体重が増加して出てくるのが通常であり、逆にそうではない(減っている・増えていない)場合は正常な成長が見込めない何らかの問題があった可能性を考えるべきです。
実際に近年のローズSで好走した春の実績馬はほとんどが馬体重増でしたし、先週の紫苑Sでも馬体重増の馬によるワンツースリー決着となりました。
次に「育成牧場」についてです。 このローズSでは過去10年中5年でノーザンファーム生産馬が勝利を収めています。
| 生産者 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
|---|---|---|---|---|
| ノーザンファーム | 5- 3- 3-12/23 | 21.70% | 34.80% | 47.80% |
| 三嶋牧場 | 2- 0- 0- 0/ 2 | 100.00% | 100.00% | 100.00% |
| 社台ファーム | 1- 0- 1- 7/ 9 | 11.10% | 11.10% | 22.20% |
| その他 | 0- 0- 0- 16/ 16 | 0.00% | 0.00% | 0.00% |
過去10年のローズSにおいて、ノーザンファーム生産の上位人気(1〜5番人気)は【5-3-3-12】で勝率21.7%・連対率34.8%・複勝率47.8%という非常に高い好走率をマークしています。 これに対してノーザンファーム生産馬以外の上位人気馬は【3-0-1-23】で複勝率14.8%と大幅に見劣ります。 「3歳夏を無事に乗り越える」という高いハードルをクリアできるかどうかにおいて、日本の生産・育成界のトップに立つノーザンファームであるかどうかが大きく関わっている、と見ることができます。
3歳限定の重賞を検討する上で重要なポイントとなるのが「3歳世代自体のレベル」です。 他世代と対戦するわけでもない同世代同士の一戦でなぜそれが重要かと言えば、同世代トップ戦線のレベルが高ければ3歳秋でもこれまでの勢力図が維持されやすく、逆にレベルが低ければ、相対的にレベルが高い古馬相手のレースで頭角を現してきた「上がり馬」が台頭する余地が大きくなるからです。
その世代レベルを見極める術としては、@「過去年との対古馬戦データの比較」と、A「ノーザンファーム勢の活躍度合い」の2点から測ることができます。
| 年・年月 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
|---|---|---|---|---|
| 2026年 | 11- 3- 5-42/61 | 18.00% | 23.00% | 31.10% |
| 2025年 | 15- 6- 4-36/61 | 24.60% | 34.40% | 41.00% |
| 2024年 | 14- 7- 4-45/70 | 20.00% | 30.00% | 35.70% |
| 2023年 | 15- 6- 9-41/71 | 21.10% | 29.60% | 42.30% |
| 2022年 | 14- 9-12-31/66 | 21.20% | 34.80% | 53.00% |
| 2021年 | 17- 6- 4-48/75 | 22.70% | 30.70% | 36.00% |
まず前者について、6〜8月に行われた「3歳牝馬対古馬」の成績を比較すると、今年の3歳世代牝馬は、過去数年と比較しても明確に最低レベルの成績となっています。
後者の「ノーザンファーム勢の活躍度合い」についてですが、春のクラシックでノーザンファーム系馬が順当に活躍している世代はハイレベルな可能性が高く、逆に活躍できていない世代(飛車角落ちの状態となっている世代)は全体レベルが高くない可能性が考えられます。
今年の3歳世代牝馬は、桜花賞・オークスともにノーザンファーム生産馬が掲示板(5着以内)に2頭ずつにとどまったことからも、レベルは決して高くないという見方が補強されます。
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ライタープロフィール
1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。

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