キーンランドCが行われる札幌芝1200mは、最後の直線に向かうまでのコーナー部分が緩やかな造りをしています。そのため、中団以降に位置する差し・追い込み馬が脚を伸ばしやすく、基本的には当該距離よりも長い距離適性(スタミナと末脚性能)が問われる舞台設定と言えます。
開催序盤のスピードだけで押し切れるような高速馬場の場合はやや例外となりますが、開催終盤で施行されるキーンランドCは、ほぼ例外なく時計が掛かる馬場や内目が荒れた馬場になるので、1200m超の実績を持つ末脚に秀でた馬が俄然有利です。
実際に近10年、札幌芝1200mで行われた重賞(キーンランドC+変則的に札幌で施行された函館スプリントS)では、距離延長ローテや同距離ローテで挑む馬よりも、決してメジャーではない「距離短縮ローテ」で挑む馬の方が、回収率・好走率の面で好成績を残しています。
| 前走平地距離 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
|---|---|---|---|---|
| 同距離 | 7- 10- 6-112/135 | 5.20% | 12.60% | 17.00% |
| 今回延長 | 1- 0- 1- 9/ 11 | 9.10% | 9.10% | 18.20% |
| 今回短縮 | 3- 1- 4- 16/ 24 | 12.50% | 16.70% | 33.30% |
比較として、以前まで同時期に行われていた小倉芝1200mの重賞・北九州記念では、距離短縮ローテで挑む馬が近10年で【0-1-1-24】と低調な成績となっているということを踏まえても、これは非常に有意な傾向として見ることができます。
具体的に近年の距離短縮ローテ馬の活躍を振り返ると、2020年は前走中京記念(芝1600m)のディメンシオンが9番人気3着、2021年は前走京王杯スプリングC(芝1400m)のセイウンコウセイが9番人気3着、2023年は前走ヴィクトリアマイル(芝1600m)のナムラクレアが1着、2024年は出走馬で唯一の距離短縮ローテ馬だった前走香港のチャンピオンズマイル(芝1600m)のオオバンブルマイが7番人気3着、2025年は出走馬で2頭のみだった距離短縮ローテの前走NHKマイルC(芝1600m)のパンジャタワーが1着でした。
それらの年と「時計の掛かり方」や「馬場バイアス」など似たシチュエーションでの施行となりそうな今年も、距離短縮ローテ馬の激走もしくは勝ち切りが見られる可能性が十分に考えられます。
また、距離短縮ローテ馬以外では、やはり特殊な「洋芝1200m」という条件だけに。前走でも同条件を使って好走・善戦していた馬の活躍が多数見られ、特に馬場が渋った年にはその傾向が顕著となります。近10年のキーンランドCで馬場が渋ったのは18年、19年。20年、23年の計4回ありましたが、好走馬12頭中2頭は距離短縮ローテ馬で、残り10頭中9頭を「前走北海道芝1200m組」が占めました。
以前にも述べたように、この時期のレースは3歳馬にとって「別定戦」の方が有利となり、古馬に対して相対的に斤量を背負わされやすい「ハンデ戦」の方が不利となっています。
例えば2020〜2025年の6〜8月の2勝クラス戦における3歳馬は、定量戦だと複勝率44%・単複回収率88%なのに対して、ハンデ戦は複勝率40%・単複回収率67%まで数字を落とします。
| 重量設定 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
|---|---|---|---|---|
| ハンデ戦 | 3- 0- 1- 46/ 50 | 6.00% | 6.00% | 8.00% |
| 別定 | 13- 7- 7- 67/ 94 | 13.80% | 21.30% | 28.70% |
| 定量 | 4- 6- 4- 30/ 44 | 9.10% | 22.70% | 31.80% |
これは条件戦だけでなく重賞においても同様で、3歳馬はハンデ戦において相対的に斤量面で不利となるため、定量戦や別定戦に比べて大きく数字を落としています。
キーンランドCは特に3歳馬の活躍が目立っているレースではありませんが、3歳馬にとって相対的に有利な「別定戦」であり、なおかつ芝短距離は3歳馬が早い段階から通用しやすいカテゴリーでもあるため、3歳馬を積極的に狙うのも大いにアリと言えます。
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ライタープロフィール
1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。

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