宝塚記念はG1にもかかわらずフルゲートを大きく割り込む年も珍しくありません。少頭数もしくは多頭数で行われる年とでは、決着傾向がまるで異なるというのがポイントです。
近13年(京都施行年除く)、13頭立て以下で行われたのは、13年、14年、17年、19年、21年の5回で、17年を除く4回の馬券内好走馬12頭は全て道中4番手以内の先行馬が占めていました。例外の17年については差し馬にとってアドバンテージとなる渋化馬場で行われたことが、本来の決着傾向とは異なる差し馬同士の決着を生んだ要因として考えられます。
| 脚質上り | 着別度数 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
|---|---|---|---|---|
| 平地・逃げ | 1- 0- 1- 5/ 7 | 28.60% | 162 | 74 |
| 平地・先行 | 4- 1- 0- 20/ 25 | 20.00% | 142 | 55 |
| 平地・中団 | 2- 3- 5- 41/ 51 | 19.60% | 51 | 107 |
| 平地・後方 | 0- 2- 1- 30/ 33 | 9.10% | 0 | 55 |
| 平地・マクリ | 0- 1- 0- 1/ 2 | 50.00% | 0 | 185 |
一方、16頭立て以上で行われた15年、16年、18年、20年、22年、23年、25年の7回では、馬券内好走馬21頭中15頭を道中6番手以下の差し追い込み馬が占めており、先行馬は年平均で1頭も好走できないという結果となっていました。
そこには阪神芝2200mの特徴の一つである最初のコーナーを迎えるまでの直線(ホームストレッチ)の長さが大きくかかわっており、頭数が増えれば増えるほどに序盤の隊列が固まるまでに時間を要して、結果的にペースが速くなり展開も厳しくなりやすいので、差し馬が走りやすいレースになるというわけです。
よって、フルゲート18頭で行われる今年の宝塚記念は、差し追い込み馬の方を重視すべきと見ます。
阪神芝2200mで行われる重賞は、通常宝塚記念の一戦だけですが、そこで特に強さを発揮するのが海外騎手(普段は日本以外で騎乗している騎手)です。過去11年の“阪神”宝塚記念で海外騎手騎乗馬は「16年カレンミロティック14番人気11着・18年ワーザー10番人気2着・19年リスグラシュー3番人気1着・20年グローリーヴェイズ5番人気17着・22年ヒシイグアス5番人気2着・25年ジャスティンパレス10番人気3着・25年チャックネイト14番人気5着」で[1-2-1-3](複勝率50%超・複勝回収率200%超)という好成績をマークしています。
また、京都競馬場の改修工事にともなって変則的に阪神競馬場(阪神芝内回り2200m)で行われた22年のエリザベス女王杯でも、Cデムーロ騎手騎乗のジェラルディーナ(4番人気1着)とレーン騎手騎乗のウインマリリン(5番人気2着)の海外騎手によるワンツー決着でした(※20~21年のエリザベス女王杯については阪神競馬場で行われましたがコロナ禍で海外騎手の来日はありませんでした)。
| 騎手分類 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 美浦 | 7- 8- 6- 152/ 173 | 4.00% | 8.70% | 12.10% | 26 | 64 |
| 栗東 | 142- 144- 142-1368/1796 | 7.90% | 15.90% | 23.80% | 75 | 70 |
| 外国 | 13- 9- 13- 43/ 78 | 16.70% | 28.20% | 44.90% | 160 | 128 |
その背景としては海外騎手と日本騎手のどちらが優れているかどうかではなく、適性による面が大きいです。ディープインパクト産駒に代表されるような瞬発力で勝負するタイプの馬や、瞬発戦(瞬発力比べ)が繰り広げられるコースやレースでは、日本騎手(厳密には短期免許騎手と格が近い日本のトップレベルの騎手)に軍配が上がります。それに対して、ハーツクライ産駒に代表されるような持続力で勝負するタイプの馬や、消耗戦(持続力比べ)が繰り広げられるコースやレースでは、海外騎手(短期免許騎手)に軍配が上がるということが考えられます。
元来タフな急坂の非根幹距離の内回りの阪神芝内回り2200mはその後者の舞台条件だけに、豪腕に物を言わせる海外騎手が日本騎手を圧倒しているという見方ができます。
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ライタープロフィール
1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。

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