牝馬クラシックレース第一戦の桜花賞に向けて、前哨戦の中では最も重要な位置付けのレースがこのチューリップ賞です。阪神ジュベナイルフィリーズ、チューリップ賞、桜花賞という一連の3レースには、全て阪神芝外回り1600mで行われるものの、実はそれぞれのレースの性格は三者三様で全く別物になっているのが実情としてあります。よって必然的に狙うべき馬のタイプもガラリと異なってくる、というのが大きなポイントになります。
阪神JFは2歳牝馬にとって唯一最大とも言える頂上決戦たるレースなので、その時点で出走可能な収得賞金を獲得した馬は、軒並み歩を進めてくるのが一般的です。それによって早期に賞金を積みやすい短距離戦線での実績馬の出走割合が高くなり、レースでも前走までに短い距離を先行していた様なスピードに秀でた短距離系馬の先導により、ペースが流れやすくて差しが届きやすい傾向があります。実際に過去10年は「スローペース1回・ミドルペース6回・ハイペース3回」という分布でした。
それに対してチューリップ賞はあくまでも複数ある桜花賞前哨戦の一つであり、短距離系馬は距離1400mで施行される翌週のフィリーズレビューや翌々週のファルコンSに歩を進めるのが一般的なので、阪神JFの様に短距離系馬がレースをかき乱すということにはなりません。逆に本番桜花賞を強く見据えてジックリと我慢の競馬をさせたい人馬の出走割合が高いレースなので、ペースが落ち着きやすくて前が残りやすい傾向があります。過去10年のレースペースは「スローペース7回・ミドルペース3回・ハイペース0回」という分布でした。
| 前走レース名 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 阪神ジュベナイルF | 7- 1- 5-11/24 | 29.20% | 33.30% | 54.20% | 260 | 89 |
| エルフィンS | 2- 1- 1- 6/10 | 20.00% | 30.00% | 40.00% | 121 | 123 |
| こぶし賞 | 1- 0- 0- 4/ 5 | 20.00% | 20.00% | 20.00% | 324 | 74 |
| 紅梅S | 1- 0- 0- 3/ 4 | 25.00% | 25.00% | 25.00% | 140 | 45 |
| 新馬 | 0- 2- 1- 7/10 | 0.00% | 20.00% | 30.00% | 0 | 283 |
| 紅梅S | 0- 1- 0- 6/ 7 | 0.00% | 14.30% | 14.30% | 0 | 134 |
| シンザン記念 | 0- 1- 0- 2/ 3 | 0.00% | 33.30% | 33.30% | 0 | 36 |
| クイーンC | 0- 1- 0- 2/ 3 | 0.00% | 33.30% | 33.30% | 0 | 46 |
そんなチューリップ賞において過去10年で7勝・勝率29.2%・複勝率54.2%という圧倒的な成績を収めているのが「前走阪神JF組」ですが、最も狙いが立つのは、上述した阪神JFとチューリップ賞のレース性格のギャップから、「前目で競馬をしていた馬」ということになります。
昨年の2歳重賞オープン競走において特徴的だったのは、牡馬の活躍が目立っている(牡高・牝低)という点です。
| 牡馬セン馬 | 牝馬 | |
|---|---|---|
| 2025年(現3歳世代) | 20勝 | 6勝 |
| 2024年 | 20勝 | 6勝 |
| 2023年 | 15勝 | 12勝 |
| 2022年 | 17勝 | 10勝 |
| 2021年 | 20勝 | 7勝 |
| 2020年 | 15勝 | 12勝 |
昨年と同等レベルで2歳重賞オープン競走(牡馬牝馬混合戦)において牡馬の成績が優秀で牝馬の成績が劣悪だったのは現7歳世代と現4歳世代ですが、それらの年以上に牝馬の勝利数が少なくて活躍できていないのが現3歳世代です。
そこでは各馬の戦歴を評価する際にも相対的にレベルが高くない牝馬同士のレースではなく、相対的にレベルが高い牡馬相手のレースで好結果をマークしていた馬の方を評価すべきということが言えます。
実際に2歳牝馬G1競走の阪神JFでは、出走馬で4頭しかいなかった前走牡馬牝馬混合戦(芝)のスターアニスとギャラボーグによるワンツー決着でした。また、先日のクイーンCでも、対牡馬実績最上位(唯一の前走牡馬牝馬混合の1勝クラス戦好走馬)のドリームコアが勝利するという決着でした。今回のチューリップ賞でも出走馬の大半は牝馬限定戦中心の実績馬ですが、数少ない牡馬牝馬混合戦での実績馬には要注目と言えます。
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ライタープロフィール
1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。

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