この天皇賞秋は近年まで3歳馬の勝利が滅多に見られなかった通り、データ上では3歳馬よりも古馬の方が優位なレース(3歳馬にとって鬼門)として知られています。ただし、それを覆して久しく3歳馬の戴冠に至った2021年、そして2年連続で3歳馬の制覇となった22年と同様、本年も3歳馬にとってチャンスが大きいのではないかと見ています。
| 年 | 着度数 | 複勝率 | 秋天&JC&有馬での3歳馬勝利数 |
|---|---|---|---|
| 2025年 | [3-3-5-26] | 30% | ― |
| 2024年 | [5-2-2-28] | 24% | 1勝 |
| 2023年 | [3-3-1-32] | 18% | 0勝 |
| 2022年 | [3-2-4-15] | 38% | 2勝 |
| 2021年 | [8-3-7-20] | 47% | 2勝 |
| 2020年 | [2-5-0-29] | 19% | 0勝 |
| 2019年 | [4-5-1-34] | 23% | 0勝 |
| 2018年 | [3-6-6-29] | 34% | 2勝 |
| 2017年 | [3-0-3-29] | 17% | 0勝 |
| 2016年 | [4-3-2-24] | 27% | 1勝 |
| 2015年 | [2-2-4-39] | 17% | 0勝 |
| 2014年 | [3-3-2-29] | 22% | 0勝 |
| 2013年 | [1-1-4-33] | 15% | 0勝 |
| 2012年 | [9-4-3-33] | 33% | 2勝 |
| 2011年 | [3-2-4-34] | 21% | 1勝 |
| 2010年 | [5-4-4-16] | 45% | 2勝 |
データ1によると、10年以降、今年の3歳馬は6番目の好成績(好走率30%)をマークしています。今年と同様に好走率30%以上だった年は、秋古馬三冠レースでも3歳馬が必ず2勝を挙げて勝ち越しを収めています。
近年の好走率30%以上のハイレベル世代だった年の天皇賞秋を振り返っても、10年はペルーサが2着、12年はフェノーメノが2着、18年は3歳馬の出走なし、21年はエフフォーリアが1着・22年はイクイノックスが1着&ダノンベルーガが3着と、間違いなく活躍馬を輩出しています。
秋古馬三冠レースは11月初旬の天皇賞秋・11月末のジャパンC・12月末の有馬記念という並びで、レースの“格”自体はどれもほとんど同一ですが、“賞金”は天皇賞秋は1着賞金が3億円なのに対してジャパンCと有馬記念は1着賞金が5億円という大きな差があります。
それもあって、天皇賞秋はトップホースにとって大目標と位置付けられるG1レースというよりは、この先の高額賞金レースを大目標とするトップホースにとって始動戦として使い勝手の良い一戦となっている実情があります。
そこでは特にその色が濃い様に見える中長距離馬が、距離適性の面でも本気度の面でも競馬ファンから軽視されて人気になりづらい存在となっています。
しかし、20年秋開催を境にして、東京芝コース(冬開催除く)が一にも二にも末脚がモノをいう、タメればタメるだけ差して来られる馬場へと変貌したのを背景に、この天皇賞秋も含めた上級クラスの中距離のレースにおいては、末脚だけあれば間に合うということで距離不足が敗因という負け方はあまり見られなくなっており、逆に距離不足と目される馬が波乱の立役者となるケースが目立っています(脚質面でも14年から19年までの6年中4年では道中5番手以内の馬が複数頭好走していたのに対して、20年以降は5年全てで道中5番手以下の馬が複数頭好走しています)。
| 前走平地距離 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 同距離 | 7- 13- 11-303/334 | 2.10% | 6.00% | 9.30% | 27 | 62 |
| 今回延長 | 5- 8- 16-398/427 | 1.20% | 3.00% | 6.80% | 23 | 47 |
| 今回短縮 | 3- 6- 7-112/128 | 2.30% | 7.00% | 12.50% | 125 | 89 |
クラスを問わずに距離短縮馬の活躍が目立つ最近の東京芝2000mですが、直近のオープン競走である10/13オクトーバーSでは、これまで距離2400m以上での勝利歴しかなかった中長距離タイプのニシノレヴィナントが13番人気1着と大穴をあけました。
そしてこの天皇賞秋においても、馬場変貌前の14〜19年(極悪馬場の17年除く)に非上位人気で好走したのはスピルバーグ・ステファノス・イスラボニータ・リアルスティール・アエロリットなどで、距離2000m以下がベストというタイプが大半でしたが、20年以降だと天皇賞春勝ち馬のフィエールマン&ジャスティンパレスや菊花賞2着のタスティエーラなどの長距離タイプの馬が目立っています。
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ライタープロフィール
1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。

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