今の時代、最高峰の舞台であるGIで激走(能力を最大限発揮)する上で最も重要なのは、消耗しておらずに如何にフレッシュな状態でレースに挑めるかどうかに懸かっていると言っても過言ではありません。
例えば同じく秋の3歳GIレースである秋華賞では、近8年中7年でオークスからの直行ローテを選択した馬が勝利を収めており、今年のエンブロイダリーも例に違わずそうでした。
その一方でこの菊花賞では、何故だか未だに前哨戦を経て臨むローテが馬を使う側(関係者)の間では一般的であり常識的とされており、なおかつ馬を評価する側(馬券購入者)もそれを肯定する向きが強い様ですが、それらは古い時代の慣習や傾向を引きずっている様にしか思えません。
皐月賞まで中5週の弥生賞ディープインパクト記念や、日本ダービーまで中4週の青葉賞があれだけ関係者から避けられる&馬券購入者から馬券的に嫌われる様になっている今の時代において、菊花賞まで中4週前後になるセントライト記念と神戸新聞杯だけは全然OKとされるのは矛盾としか言い様がありません。
| 間隔 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 中1週 | 0- 0- 0- 7/ 7 | 0.00% | 0.00% | 0.00% | 0 | 0 |
| 中2週 | 0- 0- 0-11/11 | 0.00% | 0.00% | 0.00% | 0 | 0 |
| 中3〜6週 | 0- 3- 1-93/97 | 0.00% | 3.10% | 4.10% | 0 | 19 |
| 中7週以上 | 1- 1- 3-23/28 | 3.60% | 7.10% | 17.90% | 51 | 113 |
実際に近12年の菊花賞で7番人気以下の人気薄ながらも馬券内に食い込んだ9頭中5頭は中8週以上の間隔が空いたローテで挑んだ馬から輩出されています。ここ2年の菊花賞でも一昨年は最も間隔が空いていた馬が2着&3番目に間隔が空いていた馬が1着で、昨年は3番目に間隔が空いていた馬が2着で、少なくとも間隔が空いている方が有利と言える決着でした。
そんな菊花賞に向かう上でのローテの常識が覆される日も近いと見ますが、それまでは間隔が空いたローテで挑む馬を特注ローテ馬として評価するのが正解だと考えます。
3歳世代限定の重賞レースを検討する上で重要なポイントとなるのが、この3歳世代自体の世代レベルです。
同じ世代同士の一戦で何故それが重要なのかと言えば、これまでの同世代のトップ戦線のレースのレベルが高ければ3歳秋でもその勢力図が維持される可能性が高いですし、逆にこれまでの同世代のトップ戦線のレースのレベルが低ければ相対的にレベルが高くなる古馬相手のレースで頭角を現してきた上がり馬が台頭する余地が大きいという考え方ができるからです。
| 年 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年 | 68- 44- 43-253/408 | 16.70% | 27.50% | 38.00% |
| 2024年 | 68- 44- 42-294/448 | 15.20% | 25.00% | 34.40% |
| 2023年 | 56- 40- 40-259/395 | 14.20% | 24.30% | 34.40% |
| 2022年 | 55- 46- 50-268/419 | 13.10% | 24.10% | 36.00% |
| 2021年 | 43- 51- 44-286/424 | 10.10% | 22.20% | 32.50% |
| 2020年 | 39- 38- 29-250/356 | 11.00% | 21.60% | 29.80% |
現3歳世代牡馬については神戸新聞杯の回でも指摘した通りハイレベルと見られます(夏競馬の3歳牡馬混合戦における現3歳世代牡馬の成績は歴代過去最高レベル)。実際にその神戸新聞杯では春の実績馬(前走ダービー組)のワンツースリー決着で、それに次ぐ4着と5着に入線したのも夏の上がり馬ではなく春の重賞オープン出走組(準・春の実績馬)でしたので、その延長線上にある菊花賞でも同様の春の実績馬優位の決着となる可能性が高いと見ます。
皐月賞と菊花賞の二冠馬はこれまでに8頭いたのに対して、ダービーと菊花賞の二冠馬は1973年のタケホープ1頭だけです。直近だと昨年の2着馬アーバンシック(皐月賞4着→ダービー11着)が典型ですが、少なくとも最近の三冠レースの関係性としてはダービーよりも皐月賞の方が菊花賞に直結するレースとなっているのは間違いありません。
過去12年の菊花賞で3着内好走した三冠レース皆勤馬は17頭いましたが、その中でダービーよりも皐月賞で上の着順を残していた馬は10頭だったのに対して、皐月賞よりもダービーで上の着順を残していた馬は4頭でした(残り3頭は三冠馬も含めて同着順だった馬です)。
究極の瞬発戦と化しているダービーよりも、総合力が問われる皐月賞で走れる馬の方が、世代限定戦の中ではタフな決着となる菊花賞向きの適性を持ち合わせている馬という見方ができます。
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ライタープロフィール
1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。

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