過去10年の秋華賞の前走レース別の成績を見ると、前走オークス組が10頭好走・前走紫苑S組が8頭好走・前走ローズS組が9頭好走で、実に馬券内好走馬の9割がわずか3つの主流ステップレースから輩出されています。
まず前走オークス組については、ノーザンファーム勢であるか否かが最大の取捨ポイントと言えます。オークスから秋華賞への直行ローテとなると外厩の仕上げ力というのも相当問われてくるので、そのノウハウを磨いているノーザンファーム勢でないと苦戦を強いられやすいということが事実としてあります。
非ノーザンファーム勢かつ人気を下回らない好走を果たした前走オークス組はデアリングタクト1頭のみで、それ以外は穴人気するも見せ場なく大敗を喫した馬ばかりとなっています。
| 種牡馬 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
|---|---|---|---|---|
| ディープインパクト | 1- 0- 1-15/17 | 5.90% | 5.90% | 11.80% |
| ハーツクライ | 0- 1- 0- 3/ 4 | 0.00% | 25.00% | 25.00% |
| マンハッタンカフェ | 0- 1- 0- 2/ 3 | 0.00% | 33.30% | 33.30% |
| ルーラーシップ | 0- 1- 0- 0/ 1 | 0.00% | 100.00% | 100.00% |
| キングカメハメハ | 0- 0- 1- 3/ 4 | 0.00% | 0.00% | 25.00% |
| ダイワメジャー | 0- 0- 1- 2/ 3 | 0.00% | 0.00% | 33.30% |
| ハービンジャー | 0- 0- 1- 0/ 1 | 0.00% | 0.00% | 100.00% |
| エンパイアメーカー | 0- 0- 1- 0/ 1 | 0.00% | 0.00% | 100.00% |
| キズナ | 0- 0- 0- 6/ 6 | 0.00% | 0.00% | 0.00% |
次にローズS組については、ディープ系以外(サンデー系以外)が狙い目となります。ローズSが通常施行される阪神芝1800mはディープ産駒の庭と知られる舞台条件なのに対して、秋華賞が施行される京都芝内回り2000mは主流血統よりは少しズレた血統構成の馬が走りやすい舞台条件となっています。
そのためローズSで血統適性も生かして激走したディープ系が、秋華賞では危険な人気馬となりがちで、その逆も然りという結果となっています。
最後の紫苑S組については、今後は軽視するのが妥当と考えます。関東馬(ノーザンファーム天栄勢)のトップホースはオークス直行ローテが第一選択肢となっています。関西馬のトップホースもローズSが前哨戦としてはタフすぎる中京芝2000mではなく、阪神芝1800mで通常通り施行されるのであれば、そちらが第一選択肢となるので、その場合には紫苑Sを選択する馬のレベルが知れているということになります。
ただし、今年の場合にはそれら3つの主流ステップレースに限らず、前走古馬混合戦組にも注意が必要と考えます。というのも、これまでの同世代のトップ戦線のレースのレベルが高ければ3歳秋でもその勢力図が維持される可能性が高いですが、逆にレースのレベルが低ければ古馬相手のレースで頭角を現してきた上がり馬が台頭する余地が大きいという考え方ができます。結論から言うと決してレベルが高くない3歳世代牝馬路線においては、その後者の決着が想定されるということです。
世代レベルを見極める術としては、過去年との各種対戦成績データの比較と、ノーザンF勢の活躍度合いから測ることができます。
| 年・年月 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年 | 58- 31- 37-261/387 | 15.00% | 23.00% | 32.60% |
| 2024年 | 49- 43- 26-268/386 | 12.70% | 23.80% | 30.60% |
| 2023年 | 55- 40- 43-306/444 | 12.40% | 21.40% | 31.10% |
| 2022年 | 51- 42- 39-230/362 | 14.10% | 25.70% | 36.50% |
| 2021年 | 66- 38- 34-278/416 | 15.90% | 25.00% | 33.20% |
| 2020年 | 48- 40- 33-271/392 | 12.20% | 22.40% | 30.90% |
まず6〜8月までに行われた芝の3歳古馬混合のレースにおける3歳牝馬の成績を過去5年と今年で比較してみると、平均に近い成績にとどまっています。また、芝3勝クラス以上のレースにおいて、牝馬の好走はほとんど距離1200mで、重要な主流距離路線においてはレベルが高いとは言えません。
次に日本競馬を牽引するノーザンファーム勢の活躍度合いについては、春のクラシックでノーザンF系馬が順当に活躍している世代はハイレベルの可能性が高く、そうではない世代は飛車角落ちの状態であまりレベルが高くない可能性が考えられるということです。
今年はオークスでノーザンF生産馬が上位5頭中1頭のみにとどまっていたことからもレベルに疑問があると言えます。
実際に秋華賞のトライアルレースはともに夏の上がり馬の活躍が目立つ決着でした。
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ライタープロフィール
1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。

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