秋の古馬G1シリーズに向けて主要な始動戦の位置付けとなっている毎日王冠ですが、やはり前哨戦だけあって目先のG2勝利よりも目標のG1勝利を志向している馬同士の戦いとなるだけに、できるだけ消耗したくないという意識から総じて前半からペースが落ち着きやすく、ほんの数年前までは強い前残り傾向が見られる一戦となっていました。
実際に13年から19年までの7年間で逃げ馬が4連対という一方で、人気を裏切る凡走を喫した馬の多くが差し追い込み馬でした。それらの馬が一転してペースが流れる天皇賞秋で巻き返しを見せる、というのが典型的な穴パターンとなっていました。
| 脚質上り | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
|---|---|---|---|---|
| 平地・逃げ | 2- 2- 1- 2/ 7 | 28.60% | 57.10% | 71.40% |
| 平地・先行 | 1- 0- 2-20/23 | 4.30% | 4.30% | 13.00% |
| 平地・中団 | 2- 4- 2-23/31 | 6.50% | 19.40% | 25.80% |
| 平地・後方 | 2- 1- 2-20/25 | 8.00% | 12.00% | 20.00% |
| 脚質上り | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
|---|---|---|---|---|
| 平地・逃げ | 0- 1- 0- 4/ 5 | 0.00% | 20.00% | 20.00% |
| 平地・先行 | 3- 1- 3-10/17 | 17.60% | 23.50% | 41.20% |
| 平地・中団 | 1- 2- 1-17/21 | 4.80% | 14.30% | 19.00% |
| 平地・後方 | 1- 1- 1-14/17 | 5.90% | 11.80% | 17.60% |
しかし、その潮目が変わったのが20年秋で、それを境に東京芝コースでは内有利の馬場バイアスがほぼ消滅し、一にも二にも末脚がモノを言う馬場(端的に表せば差し有利傾向)へと変貌をしました。この毎日王冠においても前哨戦だけに差し追い込み有利とまでは言えなくとも、少なくとも単調な前残り決着は見込みづらいです(かつては逃げ有利→今は好位有利)。
3歳馬vs古馬という構図となる3歳上の重賞を予想する上で重要なソースとなるのが、それ以前に古馬との対戦経験がほぼ無い3歳馬の世代レベルです。言わずもがな、その世代レベルが高ければ3歳上の重賞でも3歳馬にチャンスがあるという見方ができますし、逆に低ければ3歳馬にはチャンスが乏しいという見方ができます。
特にこの毎日王冠は3歳世代限定戦のトップ路線を歩んできた馬(主に前走ダービー組)が、ほぼ初めて一線級の古馬と激突するレースとなっていますので、その優劣判断は馬券結果を左右する重要なポイントとなります。
その世代レベルを見極める術としては、過去年との3歳世代vs年長世代の各種対戦成績データの比較と、3歳世代のノーザンF勢の活躍度合いから測ることができます。
| 年 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年 | 68- 44- 43-253/408 | 16.70% | 27.50% | 38.00% |
| 2024年 | 68- 44- 42-294/448 | 15.20% | 25.00% | 34.40% |
| 2023年 | 56- 40- 40-259/395 | 14.20% | 24.30% | 34.40% |
| 2022年 | 55- 46- 50-268/419 | 13.10% | 24.10% | 36.00% |
| 2021年 | 43- 51- 44-286/424 | 10.10% | 22.20% | 32.50% |
| 2020年 | 39- 38- 29-250/356 | 11.00% | 21.60% | 29.80% |
前者については夏競馬の3歳vs古馬のレースにおける3歳馬の成績を、過去5年と今年で比較してみると、牡馬については勝ち馬数についても勝率についても連対率についても複勝率についても近年最高成績となっていますので、今年の3歳世代の牡馬はかなりレベルが高い可能性が読み取れます。
これまでの芝3勝クラス以上においても、牝馬の好走はほぼ全て距離1200mで挙げているのに対して、牡馬は主流距離を含めて全距離カテゴリーで好走馬を輩出しているという点も強調材料と言えます。
後者の日本競馬を牽引するノーザンファーム勢の活躍度合いについては、春のクラシックでノーザンF系馬が順当に活躍している世代はハイレベルの可能性が高く、ノーザンF系馬が活躍できていない世代(飛車角落ちの状態となっている世代)はあまりレベルが高くない可能性が考えられます。
今年の3歳世代牡馬については、ダービー上位3頭中2頭がノーザンF生産馬でなおかつ上位12頭中9頭がノーザンF生産馬だったことからも、レベルが高いという見方ができます。
実際に先々週の神戸新聞杯でも前走ダービー組の3頭によるワンツースリー(前走3歳古馬混合の条件クラス戦組は全て掲示板外)でした。夏の上がり馬が及ばないという決着だったことも、現3歳世代の既存勢力のレベルの高さを証明するものでした。
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ライタープロフィール
1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。

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