3歳世代限定の重賞レースを検討する上で重要なポイントとなるのが、この3歳世代自体の世代レベルです。
他の世代と相まみえるわけでもなく、同じ世代同士の一戦で何故それが重要なのかと言えば、これまでの同世代のトップ戦線のレースのレベルが高ければ3歳秋でもその勢力図が維持される可能性が高いからです。逆にこれまでの同世代のトップ戦線のレースのレベルが低ければ、相対的にレベルが高くなる古馬相手のレースで頭角を現してきた上がり馬が台頭する余地が大きい、という考え方ができます。
その世代レベルを見極める術としては、過去年との各種対戦成績データの比較と、ノーザンファーム勢の活躍度合いから測ることができます。
| 年 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年 | 68- 44- 43-253/408 | 16.70% | 27.50% | 38.00% |
| 2024年 | 68- 44- 42-294/448 | 15.20% | 25.00% | 34.40% |
| 2023年 | 56- 40- 40-259/395 | 14.20% | 24.30% | 34.40% |
| 2022年 | 55- 46- 50-268/419 | 13.10% | 24.10% | 36.00% |
| 2021年 | 43- 51- 44-286/424 | 10.10% | 22.20% | 32.50% |
| 2020年 | 39- 38- 29-250/356 | 11.00% | 21.60% | 29.80% |
前者について、6〜8月までに行われた3歳vs古馬のレースにおける3歳馬の成績を過去5年と今年で比較してみると、良いとも悪いとも言い切れない微妙な水準です。しかし、実はその数字の足を引っ張っているのは牝馬で、牡馬だけを抽出すると勝ち馬数・勝率・連対率・複勝率は近年最高成績となっていますので、今年の3歳世代牡馬はかなりレベルが高い可能性が読み取れます。
芝3勝クラス以上においても牝馬の好走は1頭を除いては全て距離1200mで挙げているのに対して、牡馬は短距離・マイル・中距離の全てで重賞好走馬を輩出するなど、主流距離路線を含めて全方位的に結果を出しているという点も強調材料と言えます。
後者の日本競馬を牽引するノーザンファーム勢の活躍度合いについては、春のクラシックでノーザンファーム系馬が順当に活躍している世代はハイレベルの可能性が高く、ノーザンファーム系馬が活躍できていない世代(つまりは飛車角落ちの状態となっている世代)はあまりレベルが高くない可能性が考えられるということです。
今年の3歳世代牡馬については、最高峰のダービーで上位3頭中2頭がノーザンファーム生産馬でなおかつ上位12頭中9頭がノーザンファーム生産馬で“軒並みノーザンファーム勢”だったことからも、こちらの観点からもレベルが高いという見方ができます。
先週のローズSでは3歳世代牝馬はレベルが高くないので春の実績馬については全幅の信頼は置けない(実際に前走古馬混合条件クラス戦勝利の上がり馬のテレサ&セナスタイルが穴激走)としましたが、それとは逆でレベルが高い3歳世代牡馬については強固な地位を築いている可能性が高い春の実績馬(狭き門をくぐり抜けた前走皐月賞&ダービー組)を重視という方向性で予想をすべきです。
春の実績馬の中でも特に重視すべきは関西馬です。2歳秋から3歳春までの牡馬の芝中距離以上路線のG1レースはホープフルS・皐月賞・ダービーと全て関東圏での施行となっており、3歳秋の菊花賞が初めての関西圏での施行となります。
| 調教師分類 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
|---|---|---|---|---|
| 美浦 | 47- 44- 40- 679/ 810 | 5.80% | 11.20% | 16.20% |
| 栗東 | 118- 123- 122-1612/1975 | 6.00% | 12.20% | 18.40% |
| 調教師分類 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
|---|---|---|---|---|
| 美浦 | 85- 69- 59- 910/1123 | 7.60% | 13.70% | 19.00% |
| 栗東 | 115- 133- 142-1651/2041 | 5.60% | 12.20% | 19.10% |
2011年以降の関西圏のG1では関西馬が関東馬を全ての成績項目で上回っており、関東圏のG1では関東馬が関西馬ほぼ全ての成績項目で上回っています。長距離輸送が無い方が有利なのは間違いなく、それを連続で強いられることになる関西馬にとっては、2歳秋から3歳春までの一連の牡馬G1では不利な立場に置かれているということが言えます。
そしてそれから解放される菊花賞、そして関西圏の菊花賞の前哨戦(神戸新聞杯)ではそれらの馬の反発が期待できるということが言えます。
実際に神戸新聞杯では「前走G1組×関西馬」が毎年のように勝利しており、力通りに決まりやすいレースだけに「上位人気馬(1~5番人気馬)」に絞るだけでベタ買い単複回収率100%超となっているほどです。
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ライタープロフィール
1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。

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