新潟記念は新潟外回りコースというホームストレッチ(最後の直線)の距離が最も長いコース形態と、開催最終週だけあって各人馬が外目に進路を求める乗り方がされがちという点から、JRAの数あるコースの数あるレースの中でも最も息の長い末脚を繰り出せるかどうかが問われる条件です。
息の長い脚を繰り出すというのは、どれだけトビを維持してラップを落とさない走りをすることと言い換えることができ、それを実現させるにはピッチ走法(脚が短くてトビが小さくて回転が早い走り方)よりもストライド走法(脚が長くてトビが大きく回転が遅い走り方)の馬の方が理に適っています。もちろん中には例外もありますが、それは脚の長さを含めた馬格の大きさ≒馬体重とある程度は相関関係があります。
| 馬体重 | 着別度数 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
|---|---|---|---|---|
| 400〜419kg | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.00% | 0 | 0 |
| 420〜439kg | 0- 0- 0- 8/ 8 | 0.00% | 0 | 0 |
| 440〜459kg | 1- 0- 1- 14/ 16 | 12.50% | 162 | 105 |
| 460〜479kg | 1- 3- 4- 35/ 43 | 18.60% | 99 | 65 |
| 480〜499kg | 4- 5- 3- 49/ 61 | 19.70% | 46 | 71 |
| 500〜519kg | 1- 2- 0- 18/ 21 | 14.30% | 43 | 75 |
| 520〜539kg | 2- 0- 2- 6/ 10 | 40.00% | 238 | 256 |
| 540〜 | 1- 0- 0- 1/ 2 | 50.00% | 305 | 115 |
実際に近10年の新潟記念では、馬体重520キロ以上の超大型馬が[3-0-2-7](複勝率41.7%)で単複回収率は200%を超える好成績をマークしており、確率的にも期待値的にも馬格が大きければ大きい程に狙いが立つという見方ができます。
3年前は馬体重530キロ台のカラテが10番人気ながら勝利を収め、2年前も馬体重520キロ台のインプレスが同じく10番人気で3着に食い込みました。
対照的に馬体重439キロ以下の小型馬は[0-0-0-10](複勝率0%)と低調成績で、2008年の勝ち馬アルコセニョーラまでさかのぼらないと好走馬は出ておらず、23年は馬体重420キロ台のサリエラが1番人気で7着と敗れました。
息の長い末脚が求められると同時に、距離2000mがドンピシャという馬よりも距離2000m超の長めの距離適性が問われる条件でもあります。
近年の勝ち馬を振り返って見ると中長距離路線の活躍馬が目立っており、近年の好走馬でその後距離1800m以下の短中距離路線を主戦場に活躍しているという馬はほぼ見当たりません。
| 調教師 | 着別度数 |
|---|---|
| (栗)友道康夫 | 3- 3- 0- 7/13 |
| (美)手塚貴久 | 1- 0- 0- 5/ 6 |
| (美)大竹正博 | 1- 0- 0- 2/ 3 |
| (美)竹内正洋 | 1- 0- 0- 1/ 2 |
| (栗)辻野泰之 | 1- 0- 0- 0/ 1 |
| (美)木村哲也 | 1- 0- 0- 0/ 1 |
| (栗)鮫島一歩 | 1- 0- 0- 0/ 1 |
| (美)萩原清 | 1- 0- 0- 0/ 1 |
| (美)堀宣行 | 0- 2- 0- 2/ 4 |
| (美)戸田博文 | 0- 1- 1- 2/ 4 |
また、過去10年の厩舎別成績では、長距離路線で滅法強い友道厩舎が他厩舎を圧倒する成績(3勝2着3回)を残していることからも、スタミナ面を強化する育成が施されている馬が走りやすい条件と言うことが読み取れます。
ここ2週連続で取り上げている通り、3歳馬にとっては別定戦の方が有利で、古馬に対して相対的に斤量を背負わされやすいハンデ戦の方が不利です。先々週の中京記念(今年から別定戦)では出走馬中2頭しかなかった3歳馬同士のワンツーという決着、先週のキーンランドC(別定戦)でも3歳馬4頭が1着、3着、4着、11着という好成績を残しました。
| 年齢 | 着別度数 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
|---|---|---|---|---|
| ハンデ戦 | 3- 0- 1- 33/ 37 | 10.80% | 37 | 31 |
| ハンデ戦以外 | 10- 7- 5-58/80 | 27.50% | 98 | 89 |
この新潟記念で3歳馬は過去10年、[2-0-1-6](複勝率33.3%)で単複回収率76%という水準の成績となっていましたが、中京記念と同様に昨年までのハンデ戦から今年から別定戦に変更されたことで、より3歳馬が走りやすくなり、成績を上げる可能性が考えられます。
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ライタープロフィール
1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。

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