G2の中でも“スーパーG2”とも称される札幌記念だけあって、今年も出走登録馬の半数(18頭中9頭)が重賞勝利実績馬という好メンバーが集結しました。過去10年の同レースの3着内好走馬を振り返っても、実に7割(30頭中21頭)の馬が前走G1出走組から輩出されている様に、好走する為には地力が備わっていることが何よりの前提となります。
その馬の地力の高さをはかる上で、どのような戦歴を辿っている馬やどのような実績を持つ馬に着目すべきなのかと言えば、海外レースを経ている馬を高く評価すべきというのが最新トレンドと見ます。
先週のレパードSでも出走馬の中で2頭しかいなかった海外レース経験馬のドンインザムードが5番人気ながら勝利を収めました。以前だと海外組は反動等によって国内復帰直後は案外ふるわない、という傾向が見受けられましたが、直近においては日本の芝馬の全体的な伸び悩み(23年は海外G1で1勝・24年は海外重賞で0勝)もあり、レベル的に「海外>日本」となっていることでより海外組の価値が上がっていること、海外遠征のノウハウの蓄積もあってか国内復帰後に低迷することなくむしろ成長を遂げた姿で活躍を見せる馬が明らかに増えていることが挙げられます。
たとえば今年の宝塚記念を制したメイショウタバルは、ドバイターフ出走を進言した武豊騎手の目論見通りに、海外遠征を経て精神面と肉体面で大きな成長を遂げたことが宝塚記念勝利に繋がったという話でした。
| 前走場所 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 札幌 | 0- 0- 0- 3/ 3 | 0.00% | 0.00% | 0.00% | 0 | 0 |
| 函館 | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.00% | 0.00% | 0.00% | 0 | 0 |
| 福島 | 0- 1- 0- 4/ 5 | 0.00% | 20.00% | 20.00% | 0 | 76 |
| 東京 | 4- 1- 1- 28/ 34 | 11.80% | 14.70% | 17.60% | 62 | 43 |
| 中山 | 2- 4- 5- 52/ 63 | 3.20% | 9.50% | 17.50% | 12 | 39 |
| 中京 | 3- 4- 3- 26/ 36 | 8.30% | 19.40% | 27.80% | 51 | 84 |
| 京都 | 1- 4- 3- 42/ 50 | 2.00% | 10.00% | 16.00% | 59 | 69 |
| 阪神 | 1- 1- 3- 33/ 38 | 2.60% | 5.30% | 13.20% | 8 | 33 |
| 小倉 | 2- 0- 0- 4/ 6 | 33.30% | 33.30% | 33.30% | 306 | 68 |
| 海外 | 4- 2- 2- 8/ 16 | 25.00% | 37.50% | 50.00% | 137 | 121 |
それらも含めて実際に今年の芝G1〜G2(3歳限定戦除く)では、前走海外組が[4-2-2-8](複勝率50%/単勝回収率137%/複勝回収率121%)という好成績をマークしています。
G2というのは主にG1のステップレースに位置付けられています。この札幌記念についても例に違わず、菊花賞&秋華賞、天皇賞秋、仏国の凱旋門賞や米国のブリーダーズカップターフや豪州のコックスプレートなど、海外の大レースを目標とする馬にとって、非常に使い勝手の良いステップレースとして機能しています。
そんなG2(G1ステップレース)である札幌記念において、特に重視すべき要素は「本気度」と「仕上がりの早さ」の2点です。
2011年のトーセンジョーダンを最後に13年連続(13年の函館開催も含む)で1番人気馬が勝利を挙げられていないことにも表れていて、札幌記念よりも秋の大レースに軸足を置いた前哨戦なりの勝負気配で臨んでくるトップホースを、「本気度」と「仕上がりの早さ」で上回る2番手グループの馬が出し抜くという決着が毎年の様に繰り返されているというわけです。
「本気度」についてはケースバイケースで個別の馬の事情から汲み取る他にありませんが、「仕上がりの早さ」については各馬の休み明け初戦ローテの成績から読み取ることができます。
| 年 | 勝ち馬 | 休み明け初戦の着度数 | 休み明け初戦の連対率 |
|---|---|---|---|
| 24年 | ノースブリッジ | 5-0-1-7 | 38% |
| 23年 | プログノーシス | 6-2-1-2 | 73% |
| 22年 | ジャックドール | 4-0-0-3 | 57% |
| 21年 | ソダシ | 3-1-1-1 | 67% |
| 20年 | ノームコア | 3-1-1-2 | 57% |
| 19年 | ブラストワンピース | 4-0-1-5 | 40% |
| 18年 | サングレーザー | 3-3-1-1 | 75% |
近7年連続で札幌記念は休み明け初戦の馬が勝利を収めていますが、それらの勝利馬は軒並み鉄砲巧者だったというのが確固たる共通点として指摘できるところになります。
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ライタープロフィール
1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。

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