キムラヨウヘイの重賞アナライズ

2025年小倉記念

中長距離実績が物を言う小倉芝2000mの重賞レース

小倉芝2000mは最初の1コーナーまでの距離が約472メートルとかなり長いコース形態であるために、序盤のペースが速くなりやすいという特徴があります。実際に中京施行年を除く過去13回の小倉記念では、内9回で前半3F通過タイムが34秒台以下の速いペースとなっていました。

また、仮に序盤ペースが流れなかったとしても、その場合には道中半ばから一気にレースが動く展開になりやすいので、どちらに転んだとしても長く脚を使う持続力とスタミナが問われるレースになりがちです。

それによって小倉芝2000mの上級クラス競走では、王道ともいえる距離2000mのレースにもかかわらず、意外な程に前走で距離が長いレースを走っていた馬&過去に距離が長いレースでの好走実績を有している馬がよく走る傾向があります。


■データ1  小倉芝2000mの重賞レースの前走距離別成績(2010年以降/1〜5番人気馬)

前走平地距離 着別度数 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
同距離 9-  7-  8- 41/ 65 36.90% 75 81
今回延長 2-  2-  2- 17/ 23 26.10% 30 54
今回短縮 3-  3-  4- 12/ 22 45.50% 77 115
500m以上短縮 1-  1-  1-  4/  7 42.90% 70 84

過去13回をさかのぼると、長距離G1レースで3着以内もしくは長距離重賞で2着以内の実績があった馬の小倉記念成績は、12年2着トーセンラー(菊花賞3着)・14年1着サトノノブレス(菊花賞2着)・18年2着サトノクロニクル(阪神大賞典2着)・20年11着サトノルークス(菊花賞2着)で連対率75%を誇っています。

そして、レース格を問わずに芝2400m以上で勝利実績がある馬は、19年ノーブルマーズが5番人気3着、20年サトノガーネットが6番人気2着、21年は該当馬3頭でワンツースリー決着、23年はエヒトが3番人気1着と高確率で走るパターンとなっています。

また、変則的に小倉芝2000mで行われた20年の愛知杯においても、出走馬の中で4頭しかいなかった芝2200m以上での好走実績を持つ馬の中から、アルメリアブルーム(5番人気2着)・レイホーロマンス(11番人気3着)という2頭の人気薄好走馬が輩出されていました。

夏は牝馬ではなく夏は小型馬

今夏の小倉芝では総じて小中型馬の健闘が目立っています。その要因の一つとしては小倉芝コースの「小回り」かつ「平坦」という小型馬にとってプラスに働くコース形態にあると考えられます。


■データ2  今冬の小倉芝の馬体重別成績

馬体重 着別度数 複勝率
〜399kg 0-   0-   0-  31/  31 0.00%
400〜419kg 1-   1-   8-  71/  81 12.30%
420〜439kg 8-   8-   9- 159/ 184 13.60%
440〜459kg 18-  22-  17- 255/ 312 18.30%
460〜479kg 29-  20-  13- 242/ 304 20.40%
480〜499kg 15-  15-  22- 171/ 223 23.30%
500〜519kg 7-   8-   8-  59/  82 28.00%
520〜539kg 1-   2-   1-  18/  22 18.20%
540〜 0-   1-   0-   7/   8 12.50%

■データ3  今夏の小倉芝の馬体重別成績

馬体重 着別度数 複勝率
〜399kg 0-  2-  3- 15/ 20 25.00%
400〜419kg 2-  2-  4- 31/ 39 20.50%
420〜439kg 4-  7-  6- 75/ 92 18.50%
440〜459kg 8- 13- 11-108/140 22.90%
460〜479kg 18-  7- 10- 83/118 29.70%
480〜499kg 7-  5-  6- 52/ 70 25.70%
500〜519kg 5-  3-  4- 42/ 54 22.20%
520〜539kg 0-  4-  0- 17/ 21 19.00%
540〜 0-  1-  0-  3/  4 25.00%

要因の二つ目としては、同じ小倉芝コースでも冬開催では馬体重500〜519キロのゾーンが最も好成績だったのに対して、夏開催では馬体重460〜479キロのゾーンが最も好成績であり尚且つ小型馬も比較的好成績をマークしているだけに、「夏に強い小型馬」という側面も強く反映されてそうです。

「夏は牝馬」という競馬ファンの中では周知の事実ともなっている有名な格言がありますが、それよりも「夏は小型馬が有利⇔冬は大型馬が有利」の方が正解というのが持論です。

というのも、牡馬と牝馬の性別の違いによる夏と冬の成績差以上に、大型馬と小型馬の馬体重の違いによる夏と冬の成績差の方がハッキリと数字に表れています。
また、牝馬でも大型馬の場合には夏と冬の成績はほとんど無いのに対して、牡馬でも小型馬の場合には冬よりも夏の方が明確に成績を上げています。

つまりは、同様の馬体重の馬であれば性別が違っても季節による成績差はほぼ生じないのに対して、同じ性別であっても馬体重が違えば季節による成績差がハッキリと生じるということです。

よって、総じて小型馬の割合が大きい牝馬が結果的に全体の成績データ上では夏優位となっているだけで、本当に着眼すべきは性別ではなく馬体重(夏は牝馬ではなく夏は小型馬)ということです。

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ライタープロフィール

キムラヨウヘイ

1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。

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