函館記念は近15年、道中3番手以内の逃げ先行馬が5勝しているのに対して、道中8番手以下の差し追い込み馬も同じく5勝を挙げています。このデータからは明確な脚質傾向は掴みづらいですが、実は開催週毎に分けて見ることで脚質傾向が浮かび上がります。
函館記念は10〜12年、14年、20年、22〜24年は開催6週目の施行。13年、15〜19年は開催5週目の施行。21年は今年と同じ開催3週目の施行で、年によって施行週が異なるのがポイントです。
| 脚質上り | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 平地・逃げ | 0- 0- 1- 7/ 8 | 0.00% | 0.00% | 12.50% | 0 | 173 |
| 平地・先行 | 3- 1- 3- 19/ 26 | 11.50% | 15.40% | 26.90% | 121 | 109 |
| 平地・中団 | 4- 6- 1- 36/ 47 | 8.50% | 21.30% | 23.40% | 204 | 119 |
| 平地・後方 | 0- 0- 3- 40/ 43 | 0.00% | 0.00% | 7.00% | 0 | 22 |
| 平地・マクリ | 1- 1- 0- 2/ 4 | 25.00% | 50.00% | 50.00% | 177 | 112 |
開催6週目の施行だった年の多くは差し決着となっており、例えば12年は道中二桁通過順位馬のワンツーという決着だったのが典型です。一方、道中3番手以内の逃げ先行馬は8年間でわずか5頭しか好走できていません。
| 脚質上り | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 平地・逃げ | 3- 0- 1- 4/ 8 | 37.50% | 37.50% | 50.00% | 215 | 173 |
| 平地・先行 | 4- 5- 4- 11/ 24 | 16.70% | 37.50% | 54.20% | 122 | 322 |
| 平地・中団 | 0- 1- 2- 42/ 45 | 0.00% | 2.20% | 6.70% | 0 | 34 |
| 平地・後方 | 0- 1- 0- 33/ 34 | 0.00% | 2.90% | 2.90% | 0 | 20 |
それに対して開催5週目の施行だった年の多くは先行決着となっており、例えば13年と19年はともに逃げた馬と4角2番手馬のワンツー決着だったのが典型です。また、道中3番手以内の逃げ先行馬が6年間で8頭も好走していました。次いで道中4〜5番手の好位勢も5頭好走していましたので、差し追い込み勢は年平均1頭未満しか好走できていません。
そして10年以降で唯一、今年と同じく開催3週目の施行だった21年は「道中3番手追走トーセンスーリヤ・道中12番手追走アイスバブル→道中4番手追走バイオスパーク」という先行馬に軍配があがる決着でした。
開催週を問わない傾向としては「小型馬有利」と「距離短縮ローテ有利」という二点が挙げられます。
| 馬体重 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
|---|---|---|---|---|
| 400〜419kg | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.00% | 0.00% | 0.00% |
| 420〜439kg | 0- 0- 1- 2/ 3 | 0.00% | 0.00% | 33.30% |
| 440〜459kg | 1- 2- 2- 20/ 25 | 4.00% | 12.00% | 20.00% |
| 460〜479kg | 2- 6- 5- 34/ 47 | 4.30% | 17.00% | 27.70% |
| 480〜499kg | 3- 2- 1- 39/ 45 | 6.70% | 11.10% | 13.30% |
| 500〜519kg | 4- 0- 0- 20/ 24 | 16.70% | 16.70% | 16.70% |
| 520〜539kg | 0- 0- 1- 12/ 13 | 0.00% | 0.00% | 7.70% |
この馬体重別の成績を見ての通り、馬体重470キロ台以下の小さめの馬の方が、馬体重480キロ台以上の大きめの馬よりも好走率ベースでは約2倍の好成績を残しています。
| 前走平地距離 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
|---|---|---|---|---|
| 同距離 | 3- 1- 5- 39/ 48 | 6.30% | 8.30% | 18.80% |
| 今回延長 | 5- 5- 3- 70/ 83 | 6.00% | 12.00% | 15.70% |
| 今回短縮 | 2- 4- 2- 20/ 28 | 7.10% | 21.40% | 28.60% |
近年だと21年14番人気3着アイスバブル(前走目黒記念2500m)や22年7番人気1着ハヤヤッコ(前走天皇賞春3200m)などの激走例があった通り、距離延長ローテ馬よりも距離短縮ローテ馬の方が回収率ベースでも好走率ベースでも約2倍の好成績を残しています。
1〜3番人気の上位人気馬において距離延長ローテ馬&同距離ローテ馬は複勝率28%に対して距離短縮ローテ馬は複勝率50%で、6番人気以下の穴馬においても距離延長ローテ馬&同距離ローテ馬は複勝率19%に対して距離短縮ローテ馬は複勝率28%ですので、人気でも穴でも狙いは後者ということが言えます。
洋芝で体力が要求される展開になりがちということもあって、そのスタミナ志向の担保となるスレンダー体型の馬や、長めの距離を使われてきた馬にとって力を発揮しやすいレースであるからだと考えられます。
キムラヨウヘイの
推奨馬は
アプリで紹介!

ライタープロフィール
1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。

| 記事に紹介されているような分析が自分でできる! |
| あらゆる切り口で競馬データを分析可能! |