2017年までは皐月賞4着までと、トライアルの青葉賞の3着馬までと、同じくプリンシパルSの1着馬にダービーの優先出走権が付与されていました。それが2018年からはプリンシパルSの1着馬については変わらずですが、皐月賞は5着馬までに、青葉賞は2着馬までと付与対象が一部改められました。
トライアルからダービーへの門戸はやや狭められて、皐月賞からダービーへの門戸がやや広げられたわけですが、それに伴って出走意義が薄れたトライアルは皐月賞に“間に合わなかった”馬同士の一戦ということでレベルが低下し、逆に出走意義が増した皐月賞は“間に合った”馬が勢ぞろいするということでレベルが上昇しています。昨今の早期育成が主流となった現状もそれを後押しするものとなっています。
| 前走レース名 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
| 皐月賞 | 5- 7- 5-56/73 | 6.80% | 16.40% | 23.30% | 100 | 66 |
| 毎日杯 | 1- 0- 0- 6/ 7 | 14.30% | 14.30% | 14.30% | 167 | 38 |
| 京都新聞杯 | 1- 0- 0-11/12 | 8.30% | 8.30% | 8.30% | 775 | 77 |
| 青葉賞 | 0- 0- 1-11/12 | 0.00% | 0.00% | 8.30% | 0 | 31 |
| プリンシパルS | 0- 0- 1- 6/ 7 | 0.00% | 0.00% | 14.30% | 0 | 520 |
| その他 | 0- 0- 0- 13/13 | 0.00% | 0.00% | 0.00% | 0 | 0 |
| 前走レース名 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
| 皐月賞 | 7- 5- 4-51/67 | 10.40% | 17.90% | 23.90% | 89 | 55 |
| 京都新聞杯 | 1- 1- 1-17/20 | 5.00% | 10.00% | 15.00% | 14 | 45 |
| 青葉賞 | 0- 2- 3-16/21 | 0.00% | 9.50% | 23.80% | 0 | 160 |
| その他 | 0- 0- 0-34/34 | 0.00% | 0.00% | 0.00% | 0 | 0 |
実際に優先出走権変更前の2010年から17年までの8年間では、前走皐月賞組の好走馬は16頭だったのに対して、前走青葉賞組と前走京都新聞杯組の好走馬は8頭と、無下にできない頭数が輩出されていました。それが2018年以降の近7年間においては、前走皐月賞組は17頭好走に対して、青葉賞組&プリンシパルS組と京都新聞杯組はわずか3頭好走のみとなっています(残り1頭は別路線組)。
特に直近3年のダービーでは好走馬9頭中8頭は皐月賞組、掲示板内15頭中12頭が皐月賞組となっている通り、年々その傾向が強まっているのが昨今のトレンドだけに、距離2400mのレースということでより施行距離が近しいトライアル競走組に妙味を求める風潮があるかも知れませんが、距離2000mだとしても良い馬が勢ぞろいしている皐月賞組を最重視するのが最善手です。
ただし、距離2000mの皐月賞と、距離2400mのダービーとでは、多少なりとも距離の壁があるのは事実です。なので、絶対重視すべき皐月賞組の中でも、距離延長がマイナスになるマイラー寄りタイプの馬の評価を下げて、距離延長がプラスになるスタミナ寄りタイプの馬の評価を上げる必要性があります。
特に注意したいのが、皐月賞が高速決着となった年です。マイル適性が問われてスピード過多のタイプが恵まれやすい高速決着の皐月賞は、中長距離適性も問われるダービーに直結しづらく、マイル適性よりも中長距離適性が問われて総合的な地力を有しているタイプが選抜されやすい低速決着の皐月賞はダービーに直結するという傾向があります。
| 年 | 皐月賞馬 | ダービー人気 | ダービー着順 |
| 24年 | ジャスティンミラノ | 1 | 2 |
| 22年 | ジオグリフ | 4 | 7 |
| 19年 | サートゥルナーリア | 1 | 4 |
| 17年 | アルアイン | 4 | 5 |
| 16年 | ディーマジェスティ | 1 | 3 |
| 15年 | ドゥラメンテ | 1 | 1 |
| 14年 | イスラボニータ | 1 | 2 |
| 13年 | ロゴタイプ | 2 | 5 |
| 09年 | アンライバルド | 1 | 12 |
| 07年 | ヴィクトリー | 2 | 9 |
| 06年 | メイショウサムソン | 1 | 1 |
| 05年 | ディープインパクト | 1 | 1 |
| 04年 | ダイワメジャー | 4 | 6 |
| 02年 | ノーリーズン | 2 | 8 |
実際に過去26年の皐月賞において、前者の高速決着(勝ち時計が2分未満)だった年の勝ち馬はダービーで[4-2-1-8](複勝率47%)という意外なほどに凡走するケースが多くなっている一方で、後者の低速決着(勝ち時計が2分以上)だった年の勝ち馬はダービーで[3-4-2-1](複勝率90%)というほぼパーフェクト好走の超好成績をマークしています。
今年の皐月賞は1分57秒0という超が付く高速決着でしたので、その勝ち馬(ミュージアムマイル)についてはダービーでは信頼できないパターンと言えます。
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ライタープロフィール
1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。

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