2017年まではトライアルのフローラS3着馬までと桜花賞4着馬までにオークスの優先出走権が付与されていましたが、2018年からはフローラSは2着馬まで、桜花賞は5着馬までと付与対象が一部改められました。
トライアルからオークスへの門戸はやや狭められて、桜花賞からオークスへの門戸がやや広げられたわけですが、それと連動するようにトライアルは基本的に桜花賞に“間に合わなかった”馬同士の一戦ということでレベルが低下して、逆に桜花賞はレベルが上昇しています。
| 前走レース名 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
|---|---|---|---|---|
| 桜花賞 | 5- 4- 5-44/58 | 8.60% | 15.50% | 24.10% |
| フローラS | 1- 1- 0-25/27 | 3.70% | 7.40% | 7.40% |
| 忘れな草賞 | 1- 0- 1- 6/ 8 | 12.50% | 12.50% | 25.00% |
| スイートピーS | 0- 1- 0- 3/ 4 | 0.00% | 25.00% | 25.00% |
| フラワーC | 0- 1- 0- 7/ 8 | 0.00% | 12.50% | 12.50% |
| 矢車賞 | 0- 0- 1- 0/ 1 | 0.00% | 0.00% | 100.00% |
実際に変更前の2010年から17年までの8年間は、前走桜花賞組の好走馬は12頭に対して、前走フローラS組の好走馬は9頭と拮抗していました。それが18年以降の近7年間においては、前走桜花賞組は14頭好走に対して、前走フローラS組&スイートピーS組はわずか3頭好走のみとなっています。
特に直近3年のオークスでは好走馬9頭中8頭は桜花賞組、掲示板内15頭中13頭が桜花賞組となっている通り、年々その傾向が強まっています。
桜花賞組の中でも、オークスで買うべきはスタミナ勝負も向くタイプ(オークス適性〇馬)であり、あまりにもスピード勝負向きのタイプ(桜花賞適性◎馬)については避けるべきです、両者を見分ける大きな手掛かりに「馬体重」があります。
| 馬体重 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 400〜419kg | 0- 0- 1- 15/ 16 | 0.00% | 0.00% | 6.30% | 0 | 45 |
| 420〜439kg | 0- 2- 2- 35/ 39 | 0.00% | 5.10% | 10.30% | 0 | 38 |
| 440〜459kg | 0- 2- 1- 44/ 47 | 0.00% | 4.30% | 6.40% | 0 | 31 |
| 460〜479kg | 9- 3- 3- 35/ 50 | 18.00% | 24.00% | 30.00% | 173 | 66 |
| 480〜499kg | 1- 3- 3- 12/ 19 | 5.30% | 21.10% | 36.80% | 26 | 102 |
| 500〜519kg | 0- 0- 0- 6/ 6 | 0.00% | 0.00% | 0.00% | 0 | 0 |
| 520〜539kg | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.00% | 0.00% | 0.00% | 0 | 0 |
| 馬体重 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 400〜419kg | 0- 0- 1- 10/ 11 | 0.00% | 0.00% | 9.10% | 0 | 29 |
| 420〜439kg | 2- 0- 2- 31/ 35 | 5.70% | 5.70% | 11.40% | 25 | 23 |
| 440〜459kg | 1- 4- 1- 46/ 52 | 1.90% | 9.60% | 11.50% | 7 | 75 |
| 460〜479kg | 6- 5- 5- 37/ 53 | 11.30% | 20.80% | 30.20% | 42 | 119 |
| 480〜499kg | 1- 1- 1- 15/ 18 | 5.60% | 11.10% | 16.70% | 25 | 25 |
| 500〜519kg | 0- 0- 0- 7/ 7 | 0.00% | 0.00% | 0.00% | 0 | 0 |
| 520〜539kg | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.00% | 0.00% | 0.00% | 0 | 0 |
距離が短い桜花賞では過去10年で最も好走率が高いのは「480〜499キロ(大型馬)」。最も勝利を挙げているのは「460〜479キロ(中型馬)」で、「450キロ台以下(小型馬)」については0勝となっています。それに対して、距離が長いオークスでは最も好走率が高いのは「460〜479キロ(中型馬)」で、桜花賞とは対照的に「450キロ台以下(小型馬)」も3勝を挙げるなど健闘しています。
つまりは、桜花賞はグラマー体型の馬(中大型馬)が活躍しやすく、逆にオークスはスレンダー体型の馬(小中型馬)が活躍しやすい傾向があり、馬体重の大小次第で桜花賞でパフォーマンスを上げるスピードタイプと、オークスでパフォーマンスを上げるスタミナタイプを峻別することができます。
近6年のオークスにおいては、470キロ以上の中大型馬で1〜5番人気の上位人気に推されていた馬は9頭中7頭が凡走しており、逆に460キロ台以下の小中型馬で1〜5番人気の上位人気に推されていた馬は20頭中10頭(さらに1〜3番人気に絞ると11頭中9頭)という高確率で馬券内好走を果たしています。
スタミナ勝負向きのオークス適性〇馬を見抜く手掛かりは「血統」も有効です。以前から牝馬限定の中長距離の上級クラス戦では「ステイゴールド系・キングカメハメハ産駒・ハービンジャー産駒・キズナ産駒」が特注血統であると紹介してきましたが、近年のオークスにおいても同血統該当馬から「20年13番人気3着ウインマイティー(ゴールドシップ産駒)・21年16番人気3着ハギノピリナ(キングカメハメハ産駒)・22年10番人気2着スタニングローズ(キングカメハメハ産駒)・24年1着チェルヴィニア(ハービンジャー産駒)」と言った激走馬や勝利馬が生まれています。
上で『近6年のオークスで470キロ以上の中大型馬の1〜5番人気馬は9頭中7頭が凡走』と記しましたが、例外的に好走した2頭については共に特注血統の該当馬でした。
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ライタープロフィール
1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。

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