一般的に、極限のスピードを競うシチュエーションではノーザンファーム勢が絶対的な存在となる一方で、馬場が渋るなどしてスピード以外の要素が問われるシチュエーションにおいては非ノーザンファーム勢の台頭余地が広がります。
| 1着 | 2着 | 3着 | |
|---|---|---|---|
| 24年 | ノーザンファーム | ビッグレッドファーム | 社台ファーム |
| 22年 | ノーザンファーム | ノーザンファーム | ノーザンファーム |
| 19年 | ノーザンファーム | ノーザンファーム | 三嶋牧場 |
| 17年 | ノーザンファーム | 追分ファーム | ノーザンファーム |
| 16年 | 服部牧場 | ノーザンファーム | ノーザンファーム |
| 15年 | ノーザンファーム | ノーザンファーム | ヤナガワ牧場 |
| 14年 | 白老ファーム | ノーザンファーム | ビックレッドファーム |
| 13年 | 社台ファーム | ノーザンファーム | ノーザンファーム |
| 1着 | 2着 | 3着 | |
|---|---|---|---|
| 23年 | 社台ファーム | ノーザンファーム | 谷川牧場 |
| 21年 | ノーザンファーム | 岡田スタッド | ノーザンファーム |
| 20年 | ノースヒルズ | ノーザンファーム | 笠松牧場 |
| 18年 | 田上徹 | 斉藤安行 | 新生ファーム |
この皐月賞においても、過去10年の中で時計が最も遅かった18年と2番目に遅かった20年は、馬券内好走馬6頭中5頭が非ノーザンファーム勢でした。逆に勝ち時計が1分59秒台以下の高速決着時は、好走馬18頭中12頭をノーザンファーム勢が占めました。
もしも高速決着が見込まれる場合にはノーザンファーム勢を中心視、低速決着が見込まれる場合には非ノーザンファーム勢を中心視。極めてシンプルな結論ですが、選択肢を半分に絞れるという意味では有効度の高い戦略と言えるでしょう。
高速決着の皐月賞よりも低速決着の皐月賞の方がダービーに繋がるレースになりやすいということから、高速決着が見込まれる場合にはダービーで走らなさそうな馬を、低速決着が見込まれる場合にはむしろダービーで走りそうな馬を重視すべきと考えます。
実際に近10年の皐月賞で2分0秒以上の低速決着だった年の勝ち馬は、ダービーでも「2着・1着・2着・2着」というオール連対の好成績を残しています。また、2着馬はダービーで4頭中2頭が連対という成績でした。
逆に1分59秒台以下の高速決着だった年の勝ち馬は、ダービーで「2着・1着・3着・5着・4着・7着」という可もなく不可もなくという成績となっています。また、2着馬についてもダービーでは6頭中2頭のみ連対という冴えない成績でした。
ある程度時計が掛かる決着の皐月賞は総合力が問われて本格的に強いタイプの馬が選別されるのに対して、時計が速い決着の皐月賞はスピード過多のタイプの馬が選別されているということが要因として考えられます。
現3歳世代について、昨年2歳時点では牝馬よりも牡馬が強くて活躍が目立っている “牡高・牝低”の世代傾向が見受けられるということを、以前にもここで取り上げました。その最たるが昨年の阪神ジュベナイルフィリーズで、前走牝馬限定戦組7頭(海外馬除く)は全滅して、前走牡馬相手のレースで結果を出した3頭によるワンツースリーという“牡高・牝低”ぶりを象徴する決着となりました。
逆に昨年のホープフルSでは、キチンと王道の前走2歳重賞競走の東京スポーツ杯2歳S&京都2歳Sで好走してきた馬によるワンツーという決着でした。
そんな昨年の2歳牝馬オープン競走戦線の低調ぶりは、現3歳牝馬オープン競走戦線にも尾を引いており、先週の桜花賞で低レベルだった阪神JF出走組はアルマヴェローチェ以外は全て9着以下という散々な結果に終わり、主に3歳になってから台頭してきた新興勢力が好走する決着となりました。
| 前走クラス | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 新馬 | 3- 0- 2- 12/ 17 | 17.60% | 17.60% | 29.40% | 64 | 96 |
| 未勝利 | 1- 1- 2- 25/ 29 | 3.40% | 6.90% | 13.80% | 170 | 66 |
| 1勝 | 2- 5- 5- 50/ 62 | 3.20% | 11.30% | 19.40% | 19 | 56 |
| OPEN非L | 1- 0- 1- 2/ 4 | 25.00% | 25.00% | 50.00% | 237 | 57 |
| OPEN(L) | 1- 3- 1- 9/ 14 | 7.10% | 28.60% | 35.70% | 32 | 82 |
| G3 | 1- 4- 3- 11/ 19 | 5.30% | 26.30% | 42.10% | 15 | 107 |
| G2 | 1- 0- 1- 9/ 11 | 9.10% | 9.10% | 18.20% | 24 | 139 |
| G1 | 6- 3- 1- 15/ 25 | 24.00% | 36.00% | 40.00% | 133 | 82 |
逆に現3歳牡馬オープン競走戦線(芝)では、これまで前走2歳G1競走出走馬が[6-3-1-15](複勝率40%/単複回収率108%)と好成績をマークするなど、牝馬とは真逆で高レベルだった2歳オープン競走戦線における実績が今でも幅を利かす現状となっています。
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ライタープロフィール
1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。

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