3歳牝馬のG1戦線は距離1600mの桜花賞・距離2400mのオークス・距離2000mの秋華賞という距離カテゴリーが異なる3つのレースが設定されています。その中で施行距離が一番短い桜花賞で好走率が高い馬体重は「480〜499キロ(大型馬)」と「460〜479キロ(中型馬)」のゾーンで、「450キロ台以下(小型馬)」の馬は過去10年では1頭も勝っていません。つまりスピードに優れるグラマー体型の大型馬が活躍しやすい傾向が読み取れます。
| 馬体重 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
|---|---|---|---|---|
| 400〜419kg | 0- 0- 1- 15/ 16 | 0.00% | 0.00% | 6.30% |
| 420〜439kg | 0- 2- 2- 35/ 39 | 0.00% | 5.10% | 10.30% |
| 440〜459kg | 0- 2- 1- 44/ 47 | 0.00% | 4.30% | 6.40% |
| 460〜479kg | 9- 3- 3- 35/ 50 | 18.00% | 24.00% | 30.00% |
| 480〜499kg | 1- 3- 3- 12/ 19 | 5.30% | 21.10% | 36.80% |
| 500〜539kg | 0- 0- 0- 7/ 7 | 0.00% | 0.00% | 0.00% |
特に良好な馬場状態を後押しにスピードレース化が進行している令和時代の桜花賞では、従来よりもさらに中〜大型馬の好走率が上昇して、小型馬の好走率が下降しているという最新傾向が読み取れます。高いマイル適性が問われる桜花賞では、距離適性の根拠となる馬体重の裏付けがあるに越したことはないということです。
それに対して施行距離が一番長いオークスで好走率が高い馬体重は「460〜479キロ(中型馬)」のゾーンですが、桜花賞とは対照的に「450キロ台以下(小型馬)」の馬も過去10年で3勝をあげているなど、一般的にスタミナに優れるスレンダー体型の小~中型馬の健闘が目立つ傾向となっています。
実際に近5年中4年の桜花賞で、上位人気(3番人気)ながら掲示板外に沈んだ20年6着サンクテュエール・21年18着メイケイエール・22年11着ナミュール・23年8着ライトクオンタムは、馬体重が軽い小型馬でした。
逆に言えば大型馬の上位人気馬は信頼の置けるパターンとなっており、近5年の上位人気3頭で馬体重460キロ台以上だった馬は10頭中8頭好走という超高確率で好走しています。
桜花賞の最有力前哨戦であるG2チューリップ賞、そしてそれに先立って行われる2歳G1阪神ジュベナイルフィリーズまでの一連の2〜3歳牝馬トップ戦線の3レースについて、それらは全て通常のスケジュールでは阪神芝外回り1600mコースという同じ舞台条件で行われるものの、実はそれぞれのレース性格は三者三様で全く別物になっているのが実情としてあります。
| 前傾ラップ | イーブンラップ | 後傾ラップ | |
|---|---|---|---|
| 阪神JF | 7回 | 1回 | 2回 |
| チューリップ賞 | 2回 | 0回 | 8回 |
| 桜花賞 | 4回 | 0回 | 6回 |
まず阪神JFは早期に賞金を積みやすい短距離実績馬の出走割合が高くなり、スピードに秀でた馬の先導により、ペースが流れやすくて差しが届きやすい傾向があります。
それに対してチューリップ賞は、短距離馬が別の前哨戦に歩を進めるので、阪神JFの様に短距離馬がレースをかき乱すということにはなりません。桜花賞を強く見据えてジックリと我慢の競馬をさせたい人馬の出走割合が高いレースなので、ペースが落ち着きやすくて前が残りやすい傾向があります。
そしてこの桜花賞では再び短距離馬が供給されてペースが流れやすくなりますが、2歳秋時点よりは短距離路線も整備されていることもあって阪神JFほどはそうならずに、阪神JFとチューリップのちょうど中間くらいのレースになります。
それらから導けることとして、阪神JFがハイペースで不利だった馬(逃げ先行で健闘した馬)と、チューリップ賞がスローペースで不利だった馬(差し追い込みで健闘した馬)が、ペース的にはフェアでどの位置取りからでも勝負できる競馬になる確率が高い桜花賞で巻き返すという構図が描けます。実際に近年の桜花賞ではそのどちらかのパターンに当てはまる馬が、毎年のように好走馬に名を連ねています。
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ライタープロフィール
1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。

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