キムラヨウヘイの重賞アナライズ

2025年シルクロードS

スプリンターズSとの出し入れがポイント

近年のスプリンターズSは一時期の“スローペース症候群”を経てハイペースになりやすくなっており、近7年中6年で前半3Fタイムが後半3Fタイムよりも1.4秒以上も速いハイペースとなっていることから、 “生粋のスプリンター”の活躍が目立っているというのが最新トレンドです。

そんなスプリンターズSと対極に位置するのが、コース形態的に緩いペースとなりやすい京都芝1200mで行われるシルクロードSです。そこではスプリンターズSで好走した馬は一転して人気を裏切りがち、という危険パターンになっており、逆にスプリンターズSで凡走した馬が一転して巻き返しがち、という買いパターンとなっています。

実際に20年のシルクロードSでは前年のスプリンターズSで2着に好走していたモズスーパーフレアが、2番人気に推されながらも4着とパフォーマンスを落としました。

また、19年のシルクロードSも同様で、前年のスプリンターズSで好走〜善戦した馬はラブカンプー(2着)・ラインスピリット(3着)・ダイメイプリンセス(4着)の3頭いましたが、それぞれ18着・14着・6着でと全馬揃って大きくパフォーマンスを落とし、逆にスプリンターズS11着だったティーハーフが12番人気で3着と激走しました。


■データ1  2019年以降の京都芝1200m重賞(世代限定戦除く)の脚質別成績

脚質上り 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
平地・逃げ 0-  1-  0-  5/  6 0.00% 16.70% 16.70% 0 41
平地・先行 2-  0-  0- 19/ 21 9.50% 9.50% 9.50% 38 15
平地・中団 4-  3-  3- 45/ 55 7.30% 12.70% 18.20% 39 56
平地・後方 0-  2-  3- 21/ 26 0.00% 7.70% 19.20% 0 86

最近の京都芝1200m重賞は差し追い込み決着ばかりとなっており、基本的に“先行力”が重視されるスプリント競走の中にあって、他場とは一線を画す“後半力”が最重視されるのが同コースということです。そこでは「差し追い込み有利≒末脚が使える馬を重視」&「スプリンターズSを筆頭に他場の好走実績は鵜呑みにしない≒京都芝1200m実績馬を重視」という2点に重きを置いた予想をすべきです。

他場実績馬よりも京都芝1200m実績馬を重視


■データ2  過去10回の京都・シルクロードSの前走レース別成績(最少機会数5)

前走レース名 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
京阪杯 4- 2- 0-10/16 25.00% 37.50% 37.50% 86 105
阪神カップ 2- 1- 0- 9/12 16.70% 25.00% 25.00% 92 46
スプリンターズS 2- 1- 0-12/15 13.30% 20.00% 20.00% 87 56
淀短距離S 1- 5- 3-17/26 3.80% 23.10% 34.60% 16 136
淀短距離S(※リステッド) 0- 0- 1-14/15 0.00% 0.00% 6.70% 0 59
ラピスラズリS 0- 0- 1- 7/ 8 0.00% 0.00% 12.50% 0 97
京都金杯 0- 0- 0- 7/ 7 0.00% 0.00% 0.00% 0 0
カーバンクルS 0- 0- 0-11/11 0.00% 0.00% 0.00% 0 0
タンザナイトS 0- 0- 0- 9/ 9 0.00% 0.00% 0.00% 0 0

京都芝1200m実績馬を重視すべきというのを裏付けるデータとして、前走でも京都芝1200mを使っていた馬が好成績を残しており、京都施行の過去10回(12年以降)の好走馬の半数超は、京阪杯組と淀短距離S組というたった2つのレースから輩出されています。

特に16年から20年、24年の直近6回連続で京阪杯または淀短距離Sの最先着馬がシルクロードSでも好走しているだけに、そこに出走していただけではなく着順が良好だった馬を重視すべきということが言えます。

逆にスプリンターズS組は好走馬数(3頭)こそ上位に位置しているものの好走率(2割)は下位となっており、スプリンターズS以外の前走中山芝1200m組(カーバンクルS&ラピスラズリSなど)についてはほぼ全滅という明確な危険傾向が読み取れます。

年初開催の京都芝は内有利馬場が定番


■データ3  過去10回の京都での京都金杯の枠順別成績

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
1枠 3- 2- 1-13/19 15.80% 26.30% 31.60% 158 96
2枠 3- 1- 1-14/19 15.80% 21.10% 26.30% 97 65
3枠 1- 2- 2-14/19 5.30% 15.80% 26.30% 9 59
4枠 1- 1- 3-15/20 5.00% 10.00% 25.00% 30 155
5枠 0- 0- 2-18/20 0.00% 0.00% 10.00% 0 21
6枠 2- 1- 0-17/20 10.00% 15.00% 15.00% 43 27
7枠 0- 1- 0-23/24 0.00% 4.20% 4.20% 0 42
8枠 0- 2- 1-23/26 0.00% 7.70% 11.50% 0 55

年始の京都開催に行われる京都金杯は、内枠有利決着が定番となっています。過去10回の枠順別成績を見ると、勝ち馬の6頭が1枠または2枠から輩出されていて、3着内好走率でも1〜4枠の方が5〜8枠よりも約3倍も高い数字をマークするほどの露骨な差が生じています。

それは前開催でCコースまで使い込まれた後の久々のAコース戻りということで、いわゆるグリーンベルト状態で馬場の外目よりも内目の方が良好な馬場状態となっていたことが大きかったと見られます。今年は京都開催の年初開催時期が1月から2月に1か月後ろ倒しされますが、使用コース変更については同様となりますので、内有利の決め打ちが有効となりそうです。

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ライタープロフィール

キムラヨウヘイ

1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。

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