今年と同様に変則的に中京競馬場で行われた2年前の京都金杯は、道中は最内を通って直線でも内から抜け出して来るという内にこだわる競馬をしたイルーシヴパンサーとエアロロノアによるワンツー決着で、3着馬と4着馬も1枠と2枠の馬という完全なる内有利決着でした。
その背景としては、前開催でBコースを使用された後のAコース戻りというコース替わりのタイミングであり、1週多く使い込まれていた馬場の中〜外目よりも、1週多く保護されていた馬場の内目の方が良好な馬場状態となっていたのが大きかったものと見られます。
枠番 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
---|---|---|---|---|---|---|
1枠 | 2- 2- 2-13/19 | 10.50% | 21.10% | 31.60% | 314 | 125 |
2枠 | 2- 1- 1-15/19 | 10.50% | 15.80% | 21.10% | 66 | 45 |
3枠 | 1- 2- 2-14/19 | 5.30% | 15.80% | 26.30% | 9 | 61 |
4枠 | 3- 0- 2-15/20 | 15.00% | 15.00% | 25.00% | 137 | 158 |
5枠 | 0- 0- 2-18/20 | 0.00% | 0.00% | 10.00% | 0 | 18 |
6枠 | 2- 2- 0-16/20 | 10.00% | 20.00% | 20.00% | 43 | 58 |
7枠 | 0- 1- 1-22/24 | 0.00% | 4.20% | 8.30% | 0 | 90 |
8枠 | 0- 2- 0-24/26 | 0.00% | 7.70% | 7.70% | 0 | 22 |
例年の京都競馬場で行われる京都金杯もいわゆる“グリーンベルト”状態となる内有利決着が定番となっていて、変則的に中京競馬場で行われる京都金杯についてもその枠順傾向自体は変わらないものと考えて良いはずです。
京都金杯の過去10年の年齢別成績では、4歳馬が[4-2-3-31](勝率10%/連対率15%/複勝率22.5%)で、連対率以外の勝ち星・勝率・複勝率の確率系の項目では他の年齢馬をやや上回る成績をマークしています。その一方で回収率系の項目では他の年齢馬よりもやや分の悪い成績となっています。
年齢 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
---|---|---|---|---|---|---|
4歳 | 4- 2- 3- 31/ 40 | 10.00% | 15.00% | 22.50% | 69 | 55 |
5歳 | 3- 3- 2- 28/ 36 | 8.30% | 16.70% | 22.20% | 156 | 75 |
6歳 | 3- 3- 4- 38/ 48 | 6.30% | 12.50% | 20.80% | 55 | 105 |
7歳 | 0- 1- 0- 28/ 29 | 0.00% | 3.40% | 3.40% | 0 | 35 |
8歳 | 0- 1- 1- 7/ 9 | 0.00% | 11.10% | 22.20% | 0 | 91 |
これだけを見ると4歳馬にしても他の年齢馬にしても、一概に買いとも消しとも言い切れない掴みどころのないデータに見えるでしょうが、その中身を粒さに分析すると4歳馬については「買ってはいけない馬」と「買うべき馬」が明確に分かれるポイントがあります。
過去10年の京都金杯で、3番人気以内に推されながら4着以下に凡走した4歳馬は7頭いましたが、4頭は3歳G1レースで5着以内に善戦した実績の持ち主で、2頭は3歳重賞レースで勝利した実績の持ち主でした。逆に3着以内に好走した4歳馬は9頭いましたが、内6頭は3歳G1レースで5着以内に善戦した実績もしくは3歳重賞レースで勝利した実績の持ち主ではありませんでした。
ざっくりと言えば、3歳世代戦において実績を積んだ4歳馬は、人気で飛ぶ確率が高い過信禁物のパターンで、逆に3歳世代戦では目立った実績を残していなかった「上がり馬」の4頭馬は好走する確率が高い買えるパターンであるということです。
実際に昨年の京都金杯では「実績馬(G1善戦歴or重賞勝利歴)」に当てはまるフリームファクシ・ダノンタッチダウン・ドルチェモアの3頭は全て凡走して、それ以外の「上がり馬」に当てはまる前走3勝クラス勝ちのコレペティトールとセッションの2頭によるワンツーという決着でした。
その主な要因としては、実績馬よりも上がり馬の方がハンデに恵まれやすいということ。そして、実績馬で3歳秋G1レースを目標にしていた馬にとって、この京都金杯は惰性の一戦になりがちで好仕上がりでの出走が望みづらいこと。馬の成長に合わせたレース起用がされている上がり馬の方が、好仕上がりでの出走が見込まれるというわけです。
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ライタープロフィール
1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。
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