ここまでの現2歳世代(オープンクラス)においては、牝馬よりも牡馬の活躍が目立っている『牡高>牝低』の世代傾向となっているというのが特筆すべき点となっています。
実際に3週前に行われた阪神ジュベナイルフィリーズでは、牡馬相手のレースを経てきた馬によるワンツースリー決着で、前走牝馬限定重賞組(海外除く)は7頭全滅という結果に終わりました。
これは「牡高>牝低」という1つの要素だけが反映された結果ではなく、出走馬の中で3頭しかいなかった前走芝中距離組でもあるので、「中距離路線が高レベル>短マイル路線が低レベル」という要素も絡んだ結果だったと考えられます。
2週前に行われた朝日杯フューチュリティSでは、前走短マイル重賞レース組は9頭いましたが全て5着以下という結果に終わりました。
それに対して2着馬ミュージアムマイルは前走で中距離の1勝クラスを勝利。1着アドマイヤズームと3着ランスオブカオスは前走で初勝利を挙げたばかりの馬で、いずれも相対的にレベルの低い短マイル路線のレースを経てきた既存勢力に当てはまらない馬によるワンツースリーという決着となりました。
そもそも阪神ジュベナイルFや朝日杯フューチュリティS、ホープフルSとでは、前者は素質が物を言うスピード要素が問われるのに対して、後者は経験と鍛錬によって培われるスタミナ要素が問われてきます。
前走クラス | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
---|---|---|---|---|---|---|
新馬 | 1- 1- 3- 13/ 18 | 5.60% | 11.10% | 27.80% | 32 | 138 |
未勝利 | 2- 0- 1- 22/ 25 | 8.00% | 8.00% | 12.00% | 106 | 118 |
1勝 | 1- 6- 1- 77/ 85 | 1.20% | 8.20% | 9.40% | 16 | 30 |
OPEN非L | 1- 2- 0- 26/ 29 | 3.40% | 10.30% | 10.30% | 9 | 18 |
OPEN(L) | 1- 0- 2- 3/ 6 | 16.70% | 16.70% | 50.00% | 130 | 171 |
G3 | 12- 5- 7- 82/106 | 11.30% | 16.00% | 22.60% | 52 | 51 |
G2 | 2- 6- 6- 50/ 64 | 3.10% | 12.50% | 21.90% | 11 | 67 |
前走クラス | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
---|---|---|---|---|---|---|
新馬 | 0- 0- 1- 13/ 14 | 0.00% | 0.00% | 7.10% | 0 | 35 |
未勝利 | 0- 0- 0- 16/ 16 | 0.00% | 0.00% | 0.00% | 0 | 0 |
1勝 | 0- 2- 2- 24/ 28 | 0.00% | 7.10% | 14.30% | 0 | 41 |
OPEN非L | 1- 0- 2- 8/ 11 | 9.10% | 9.10% | 27.30% | 16 | 177 |
OPEN(L) | 2- 2- 1- 3/ 8 | 25.00% | 50.00% | 62.50% | 77 | 88 |
G3 | 3- 2- 1- 17/ 23 | 13.00% | 21.70% | 26.10% | 36 | 45 |
G2 | 1- 1- 0- 4/ 6 | 16.70% | 33.30% | 33.30% | 1510 | 273 |
それによって過去10年の阪神ジュベナイルF&朝日杯フューチュリティSでは、前走格下クラス組(新馬・未勝利・1勝クラス)から4頭の勝ち馬と11頭の連対馬が輩出されていて、回収率面では前走重賞組よりも前走格下クラス組に分がアリということになっています。
その一方でG1昇級後の過去7年のホープフルSでは、前走格下クラス組からの勝ち馬の輩出は0頭で連対馬もわずか2頭のみ。回収率も前走格下クラス組より前走重賞組が圧倒しています。
前走平地距離 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
---|---|---|---|---|---|---|
1200m | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.00% | 0.00% | 0.00% | 0 | 0 |
1600m | 0- 1- 1- 2/ 4 | 0.00% | 25.00% | 50.00% | 0 | 395 |
1800m | 6- 2- 2- 31/ 41 | 14.60% | 19.50% | 24.40% | 250 | 63 |
2000m | 1- 4- 4- 52/ 61 | 1.60% | 8.20% | 14.80% | 6 | 46 |
ただし、前走中距離組や前走重賞組の中でも、距離2000mのレースを経てきた馬や距離2000m実績馬については過信禁物と言えます。ホープフルSに限らず、2歳重賞レースにおいて距離2000mの新馬戦勝ち上がり馬は振るわない傾向にあります。
距離2000mのレースというのは日本競馬において最重視される距離だけあって、その新馬戦を勝ち上がった馬は競馬ファンからは高評価される傾向にありますが、厩舎陣営が距離2000mのレースで馬をデビューさせる思惑や意図としては割とネガティブなことが多く、気性の面や走力の面で鈍い馬が揃いやすいというのが実際のところとなっています。
それによって2戦目(以降)に直結しないペースが遅すぎるレースになりがちということもあって、メンバーの質的にもレースの質的にも価値が低い新馬戦となってしまう率が高いのです。
それは新馬戦以外についても多かれ少なかれ同様のことが言えますので、中距離カテゴリーの中ではメンバーの質的にもレースの質的にも価値の高いレースになる率が高い距離1800mの戦歴や実績を重視するのが正解と言えます。
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ライタープロフィール
1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。
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