つい先週でも取り上げた通り、これまでの現2歳世代のオープン競走戦線においては、牝馬よりも牡馬の活躍が目立っている「牡高・牝低」というのが特徴的な点と言えます。
牡馬騙馬 | 牝馬 | |
---|---|---|
2024年 | 17勝 | 6勝 |
2023年 | 13勝 | 11勝 |
2022年 | 14勝 | 10勝 |
2021年 | 17勝 | 7勝 |
2020年 | 13勝 | 11勝 |
実際に先週の阪神ジュベナイルフィリーズでは、前走牝馬限定重賞レース組7頭(海外馬除く)を含めて、前走で牝馬相手のレースを経てきた馬は全滅という結果でした。逆に勝ち馬アルマヴェローチェは前走で牡馬牝馬混合の重賞レース連対、2着馬ビップデイジーは前走で牡馬牝馬混合の1勝クラスレース勝利、3着馬テリオスララは前走で牡馬牝馬混合のオープン特別レース勝利で、どれも相対的にレベルの高い牡馬相手のレースで結果を残してきた馬同士によるワンツースリーという現2歳世代の「牡高・牝低」ぶりを象徴するような決着となりました。
近年の2歳世代のオープン競走戦線において、最も牝馬が多くの勝ち星を挙げていたのは昨年(2023年)でしたが、その年の朝日杯フューチュリティSでは「牡低・牝高」の傾向を反映してか、牝馬のタガノエルピーダが3着に食い込むという異例の決着が起こりました。昨年とは対照的に、近年の中で最も牝馬の勝利数が少なくて活躍できていない今年の朝日杯FSでは、そもそも出走馬自体が居ませんが仮に出走があったとしても牝馬の好走というのは絶望的だったというのと、牡馬の戦歴を評価する際にも低レベルな牝馬相手のレースで好結果を残してきた馬よりも高レベルな牡馬同士のレースで好結果を残してきた馬の方を上に評価するという視点も有効となってくるはずです。
具体的には施行時期が8月と早いタイミングで行われる重賞レースだけあって出走馬の多くを早く勝ち上がりやすい牝馬が占めていた新潟2歳Sや、牝馬が勝ち馬に名を連ねたデイリー杯2歳Sについては下の評価をすべきと考えられます。逆に出走馬を全て牡馬が埋め尽くしていたサウジアラビアロイヤルCや京都2歳Sについては上の評価をすべきと考えられます。
また、先週は「今期の2歳戦で好調の厩舎に注目」ということも記しました。それはその世代の馬についての育成が大成功している牧場や厩舎などに属する馬はトントン拍子に全面的な活躍が期待しやすいので、その延長線上で頂上決戦の2歳G1レースでも高確率で走りがちという根拠からでした。
先週の阪神JFでは今年の2歳戦リーディングでTOP5の須貝厩舎馬と手塚厩舎馬については不発に終わりましたが、勝利数では全厩舎の中で1位(11月時点)をマークするなど2歳戦での成績を一変させていた上村厩舎馬のアルマヴェローチェが勝利を収めました。また、これはレース前には指摘できませんでしたが、2着のビップデイジーを管理する松下厩舎についても、今年の2歳戦では11月時点で既にキャリアハイの年間勝利数を挙げるなど2歳戦での成績を急上昇させていた厩舎でした。
今週の朝日杯FSに限らずこの先の2歳戦においても、2歳戦リーディングTOP5にランクインしている須貝厩舎・斉藤崇厩舎・松永幹厩舎・手塚厩舎・杉山晴厩舎と、TOP5圏外でも今年の2歳戦で成績を大きく上げている加藤征厩舎・橋口厩舎・上原佑厩舎・松下厩舎・杉山佳厩舎・鹿戸厩舎・上村厩舎には要注目です。
キムラヨウヘイの
推奨馬は
アプリで紹介!
ライタープロフィール
1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。
記事に紹介されているような分析が自分でできる! |
あらゆる切り口で競馬データを分析可能! |