キムラヨウヘイの重賞アナライズ

2024年チャンピオンズC

内有利傾向が顕著

中京ダート1800mで施行される様になってからの過去10回のチャンピオンズCでは、同コースの基本傾向通りに内枠有利が顕著で、出走馬のレベル差のブレを均した上位人気馬限定のデータでは「内枠(複勝率6割弱)>中枠(複勝率3割弱)>外枠(複勝率2割強)」というかなり偏った出目となっています。


■データ1  チャンピオンズカップの1〜5番人気馬の枠順別成績

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
1枠 0- 2- 1- 3/ 6 0.00% 33.30% 50.00% 0 160
2枠 1- 1- 1- 1/ 4 25.00% 50.00% 75.00% 47 107
3枠 3- 0- 0- 3/ 6 50.00% 50.00% 50.00% 260 95
4枠 1- 0- 0- 3/ 4 25.00% 25.00% 25.00% 147 47
5枠 0- 1- 1- 6/ 8 0.00% 12.50% 25.00% 0 70
6枠 1- 1- 1- 7/10 10.00% 20.00% 30.00% 133 72
7枠 0- 2- 0- 5/ 7 0.00% 28.60% 28.60% 0 54
8枠 1- 0- 0- 4/ 5 20.00% 20.00% 20.00% 76 42

また、本質的にはいかに内を立ち回る競馬ができるかどうかが重要な点ですので、スタート地点である枠順の内外と共に、道中から勝負所にかけての進路取りの内外の方により重きを置いて捉えるべきです。それで全10年の好走馬30頭を4角の進路別にカウントすると、「内目の進路馬20頭」・「中程の進路馬5頭」・「外目の進路馬は5頭」で、圧倒的に道中から勝負所(最終コーナー)までを内目で立ち回っていた馬が有利という結果が出ています。

一昨年のチャンピオンズCは、詰まりながらも内を突いてきたジュンライトボルトが勝利し、2番手追走のクラウンプライドが2着&最内に潜り込む競馬をしていたハピが3着。圧倒的な1番人気のテーオーケインズは外を回される形が響いての4着というキレイな内有利決着となりました。

昨年のチャンピオンズCでも、逃げたレモンポップと2番手追走のドゥラエレーデが1着と3着。そこに道中から勝負所(最終コーナー)にかけて内目を立ち回って中程を突いてきたウィルソンテソーロが2着に割り込んできました。

大型の逃げ系馬と非大型の差し馬が狙い目

チャンピオンズCはダートレースの頂上決戦だけに、第一には絶対的な能力を真っ先に考えなければならないのですが、前段で取り上げた観点から第二には「枠順」と「馬のタイプと騎手のタイプ」から算出して中京ダートのゴールデンルートである内を立ち回る競馬ができそうかどうかで上げ下げをすべきです。

「馬のタイプ」というのは、つまりは「もまれるのを苦にせずに器用に内を突けるタイプの馬」と「前に行き切れるタイプの馬」に二分されます。その中から「来る馬」を見極めるポイントとして馬体重があります。


■データ2  チャンピオンズカップの馬体重510キロ台以上の脚質別成績

脚質 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
逃げ 1- 0- 3- 3/ 7 14.30% 14.30% 57.10% 54 350
先行 1- 2- 3-16/22 4.50% 13.60% 27.30% 20 115
中団 0- 2- 1-20/23 0.00% 8.70% 13.00% 0 31
後方 1- 0- 0-19/20 5.00% 5.00% 5.00% 65 25
初角5番手以内 2- 2- 7-22/33 6.10% 12.10% 33.30% 24 157
初角6番手以下 1- 2- 0-36/39 2.60% 7.70% 7.70% 33 26

■データ3  チャンピオンズカップの馬体重480キロ台以下の脚質別成績

脚質 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
逃げ 0- 0- 0- 2/ 2 0.00% 0.00% 0.00% 0 0
先行 1- 0- 2- 4/ 7 14.30% 14.30% 42.90% 190 267
中団 2- 0- 0-14/16 12.50% 12.50% 12.50% 464 90
後方 1- 4- 1-18/24 4.20% 20.80% 25.00% 66 134
初角5番手以内 0- 0- 2- 6/ 8 0.00% 0.00% 25.00% 0 193
初角6番手以下 4- 4- 1-32/41 9.80% 19.50% 22.00% 252 121

過去のチャンピオンズCで、人気薄(6番人気以下)で差して好走したのは15年サンビスタ・16年サウンドトゥルー・17年ゴールドドリーム・18年ウェスタールンド・23年ウィルソンテソーロで、ゴールドドリーム以外は全て勝負所では内を立ち回る形でした。そしてそれらの4頭に共通するのは馬体重480キロ台以下という点です。また、2〜5番人気で差して好走した5頭中3頭も480キロ台以下の非大型馬でした。

つまり、大人気馬を除いてチャンピオンズCで差して好走できるのは非大型馬ばかりで、逆にデカイ差し馬にとっては馬券内まで届かせるのは至難ということが言えます。

逆に人気薄で逃げor番手競馬で好走したのは16年アスカノロマン・17年コパノリッキー・20年インティ・23年ドゥラエレーデの4頭ですが、全て馬体重510キロ台以上の大型馬でした。また、1〜5番人気で逃げor番手競馬で好走した6頭中5頭も馬体重500キロ台以上の馬でした。

つまりチャンピオンズCを前受け競馬で好走できるのは大型馬ばかりで、非大型馬が馬券内まで粘り込むのは至難ということが言えます。

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ライタープロフィール

キムラヨウヘイ

1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。

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