先週の3歳牝馬三冠レース最終戦の秋華賞と同じく、今週のクラシック三冠レース最終戦の菊花賞においても、3歳馬の世代レベルを読み解くことが重要なポイントとなります。
他の世代と相まみえるわけでもなく、同じ世代同士の一戦で何故それが重要なのかと言えば、3歳春までの世代限定戦のレベルが高ければ3歳秋でもそれまでの勢力図が維持される可能性が高く、逆にこれまでの世代限定戦のレベルが低ければ、夏の間に古馬相手のレースで頭角を現してきた上がり馬が勢力図を一変させる可能性がある、という考え方ができるからです。
その世代レベルを見極める術としては、過去年との各種対戦成績データの比較と、ノーザンファーム勢の活躍度合いから測ることができます。先週の重複となるのでザックリと結論を示す形としますが、現3歳世代はこれまで古馬相手に好結果を残し、オークスやダービーでノーザンファーム勢が上位入線を果たしたことから、世代レベルは高いと見て良いです。
神戸新聞杯 | 前走出走レース | 前走着順 |
---|---|---|
1着メイショウタバル | ダービー | 取消 |
2着ジューンテイク | ダービー | 10着 |
3着ショウナンラプンタ | ダービー | 15着 |
セントライト記念 | 前走出走レース | 前走着順 |
---|---|---|
1着アーバンシック | ダービー | 11着 |
2着コスモキュランダ | ダービー | 6着 |
3着エコロヴァルツ | ダービー | 8着 |
先週の秋華賞では春の実績馬のワンツースリーという決着で、先々週の毎日王冠では3歳馬のシックスペンスが勝利し、先月の神戸新聞杯&セントライト記念でも夏の上がり馬は不発で春の実績馬(前走ダービー組)だけが好走したことからもそれは裏付けられます。菊花賞でも古馬相手に結果を出した夏の上がり馬よりも同世代相手に結果を残してきた春の実績馬を中心視すべきです。
今の時代においてG1レースで能力を最大限発揮させる上で最も重要なのは、出走時点で消耗しておらずにどれだけ余力がある状態でレースに挑めるかどうかです。
その好例が先週の秋華賞で、近7年中6年でオークスからの直行ローテを選択した馬が勝利を収めており、今年のチェルヴィニアも例に違わずそうでした。他にも皐月賞では従来ならば敢えて選択されることは絶対になかった年明け初戦の間隔を大きく空けたローテで挑んだ馬が高頻度で好走しており、有馬記念でも従来ならば王道ローテだった前走ジャパンC組よりも、前走天皇賞秋組が圧倒的に優位となっています。
そうした一方で、この菊花賞だけが何故だか、間隔が詰まったローテが関係者の間でも馬券購入者の間でも好まれていますが、それらは古い時代の慣習や傾向を引きずっている様にしか思えません。
間隔 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
中1週 | 0- 0- 0- 6/ 6 | 0.00% | 0.00% | 0.00% |
中2週 | 0- 0- 0- 10/ 10 | 0.00% | 0.00% | 0.00% |
中3週 | 0- 1- 1- 41/ 43 | 0.00% | 2.30% | 4.70% |
中4~7週 | 0- 2- 1- 41/ 44 | 0.00% | 4.50% | 6.80% |
中8週以上 | 1- 1- 3- 21/26 | 3.80% | 7.70% | 19.20% |
近10年の菊花賞で6番人気以下ながらも馬券内に食い込んだ馬の半数は、中8週以上の間隔が空いたローテで挑んだ馬であり、好走率では中7週以下よりも中8週以上の馬の方が約4倍の高い数字をマークしています。
その一方で、春の実績馬はこぞってセントライト記念or神戸新聞杯という王道ローテを歩んでいます。確かにそれらは菊花賞でも十分な好走率をマークしていますが、それらは地力の高さでローテ面の不利をカバーしているだけで本来的には間隔が空いたローテ組こそ能力全開が期待できる有利なパターンなのではないかという見方ができます。
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ライタープロフィール
1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。
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