キムラヨウヘイの重賞アナライズ

2024年神戸新聞杯

ハイレベル世代ならば春の実績馬が優位

3歳クラシック最終戦の菊花賞へ向けての最重要前哨戦となっている神戸新聞杯。夏の期間は英気を養っていた「春の実績馬」と、その夏の間に頭角を現してきた「夏の上がり馬」がぶつかり合うという構図で行われる一戦ですが、そのどちらを上位に扱うべきかと言えば、低レベル世代であれば相対的にレベルの高い古馬相手に実績を残してきた「夏の上がり馬」を、ハイレベル世代であれば同世代内で実績を残してきた「春の実績馬」を評価するのが定石です。

そのレベルを測る上での有力な材料となるのが、日本競馬を牽引するノーザンファーム系馬の活躍度合いです。春のクラシックでノーザンF系馬が順当に活躍している世代はハイレベルの可能性が高く、そうでない世代はあまりレベルが高くない可能性が考えられます。

今年のダービーは出走馬の過半数がノーザンF系馬であり、なおかつ上位入線馬5頭中4頭が同系馬だっただけに、上位8頭中7頭までを同系馬が占めた21年ほどではなくとも水準超のレベルと見ることができます。


■データ1  神戸新聞杯の前走クラス別成績(過去10年)

前走クラス 着別度数 勝率 連対率 複勝率
未勝利 0-  0-  0-  3/  3 0.00% 0.00% 0.00%
1勝 0-  0-  2- 19/ 21 0.00% 0.00% 9.50%
2勝 0-  4-  2- 28/ 34 0.00% 11.80% 17.60%
3勝 1-  0-  0-  3/  4 25.00% 25.00% 25.00%
OPEN非L 0-  0-  1-  5/  6 0.00% 0.00% 16.70%
OPEN(L) 0-  0-  1-  4/  5 0.00% 0.00% 20.00%
G3 0-  0-  1-  5/  6 0.00% 0.00% 16.70%
G2 0-  0-  0-  6/  6 0.00% 0.00% 0.00%
G1 9-  6-  3- 31/ 49 18.40% 30.60% 36.70%

そもそも神戸新聞杯は前走ダービー組が強いレースです。先週のセントライト記念でも前走ダービー組3頭がそのままワンツースリーという決着だったことからも、ダービー組≒春の実績馬優位の決着となる可能性が高いはずです。

屈指の差し追い込み有利コースの中京芝2200m

今年の神戸新聞杯が行われる中京芝2200mの最大のポイントは、屈指の差し&追い込み有利条件という点です。

一般的にはあまりそういうイメージは持たれていないかも知れませんが、それもそのはずで同コースが行われるレースは極端に頭数が揃わない少頭数戦が多いせいで、必然的に早々に隊列が決まって道中もゆったりと流れるという“ヌルい”レースばかりが目に付くという現実があります。

ただし、それは本質的なコースの特性を表しているワケではなく、頭数が増えれば増えるほど加速度的にペースが上がりやすいというコース形態からして、多頭数戦や上級条件クラス戦などで“ヌルい”レースになりづらい局面においては、様相がガラリと一変して差し&追い込みが決まるレースばかりになります。そして、これこそが本質的なコースの特性を反映している結果だと見るべきです。


■データ2  中京芝2200mの多頭数16頭立て以上の脚質別成績

脚質上り 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
平地・逃げ 4-   5-   4-  75/  88 4.50% 10.20% 14.80% 50 48
平地・先行 24-  28-  20- 226/ 298 8.10% 17.40% 24.20% 109 95
平地・中団 44-  37-  43- 487/ 611 7.20% 13.30% 20.30% 111 78
平地・後方 9-  11-  15- 381/ 416 2.20% 4.80% 8.40% 19 40
平地・マクリ 1-   1-   0-   8/  10 10.00% 20.00% 20.00% 154 73

実際に中京芝2200mの多頭数戦の脚質別成績はこの通りです。データ上ではいつ何時も逃げ先行有利(状態の良さや能力の高さなどによって前に行くことができた馬を多く含むので好成績)となり、逆にいつ何時も差し追い込み不利(能力が足りないなどで前に行くことができなかった馬を多く含むせいで低成績)となるものですので、そういうバイアスも踏まえた上で数字を精査する必要があります。そうすると、本来数字が最も出やすいはずの「逃げ」が好走率でも回収率でも全く振るわずに、本来数字が出にくいはずの「差し」が好走率でも回収率でも「先行」と遜色のない成績になっているというのは、数字から受ける印象以上に驚異的なことなのです。

過去3回の中京芝2200mで行われた神戸新聞杯でも、二桁人気ながらも馬券内に食い込んだ22年3着ヤマニンゼストと20年3着ロバートソンキーはともに道中二桁通過順位の追い込み馬でした。

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ライタープロフィール

キムラヨウヘイ

1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。

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