函館記念は過去10年のデータでは4角1〜3番手の逃げ先行馬が大挙7勝を挙げているなど、内有利&前有利の傾向が読み取れますが、実際にはそれらの多くがBコース替わり1週目のタイミングに施行されていました。
今年の函館開催も開幕週は内有利傾向だったのが、Aコースが使い込まれた開催半ばには外有利の決着が生まれ、Bコース替わり1週目の先週はやや内有利傾向への揺り戻しが見られました。過去を振り返っても、開催を積み重ねる毎に内→外へと伸び所がスライドして、コース替わりで外→内へ戻るのが函館芝コースの典型的なパターンです。
過去10年の函館記念で先行決着や内有利決着が多かったのは、あくまでも馬場の内目が走りやすい状態になるBコース替わり1週目の馬場傾向が反映されたものであり、開催のタイミング次第(コース替わり1週目or2週目)ではその限りではないということが言えるはずです。
今年と同じくBコース替わり2週目の施行だった函館記念を振り返ると、昨年は初角で中団よりも後方寄りに位置していた5頭が掲示板を独占しました。このように前に行った馬が粘れずに、後方から競馬を進めた馬の激走が目立つという、単純な過去10年のデータから読み取れる傾向とは真逆の決着傾向が浮かび上がります。
馬名 | 道中通過順位 |
1着ローシャムパーク | 8-7-7-7 |
2着ルビーカサブランカ | 8-7-7-5 |
3着ブローザホーン | 15-15-15-13 |
4着マイネルウィルトス | 16-16-15-14 |
5着ハヤヤッコ | 13-13-11-8 |
初角位置 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
1〜3番手 | 1- 0- 1-16/18 | 5.60% | 5.60% | 11.10% | 25 | 36 |
4〜6番手 | 0- 0- 2-17/19 | 0.00% | 0.00% | 10.50% | 0 | 46 |
7〜9番手 | 2- 1- 1- 9/13 | 15.40% | 23.10% | 30.80% | 626 | 176 |
10〜18番手 | 2- 4- 1-23/30 | 6.70% | 20.00% | 23.30% | 47 | 123 |
特に今年の場合には先週開催が雨の影響を受けて馬場悪化の進行があったはずですので、Bコース替わり2週目で行われる例年通りかそれ以上に差し追い込み馬天国という状況が出現する可能性も十分に考えられます。
また函館記念では、開催週を問わずに「小型馬」と「距離短縮ローテ馬」の活躍が目立つというのも特徴的です。
馬体重 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
400〜419kg | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.00% | 0.00% | 0.00% | 0 | 0 |
420〜439kg | 0- 0- 1- 1/ 2 | 0.00% | 0.00% | 50.00% | 0 | 100 |
440〜459kg | 1- 2- 3- 20/ 26 | 3.80% | 11.50% | 23.10% | 24 | 98 |
460〜479kg | 3- 5- 6- 38/ 52 | 5.80% | 15.40% | 26.90% | 40 | 138 |
480〜499kg | 4- 4- 1- 47/ 56 | 7.10% | 14.30% | 16.10% | 63 | 88 |
500〜519kg | 3- 1- 0- 30/ 34 | 8.80% | 11.80% | 11.80% | 267 | 70 |
520〜539kg | 1- 0- 1- 15/ 17 | 5.90% | 5.90% | 11.80% | 42 | 54 |
540〜 | 0- 0- 0- 3/ 3 | 0.00% | 0.00% | 0.00% | 0 | 0 |
馬体重470キロ台以下の馬の方が、馬体重480キロ台以上の馬よりも2倍超の好成績を残しています。
前走平地距離 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
同距離 | 4- 1- 6- 42/ 53 | 7.50% | 9.40% | 20.80% | 180 | 123 |
今回延長 | 5- 7- 4- 86/102 | 4.90% | 11.80% | 15.70% | 32 | 68 |
今回短縮 | 3- 4- 2- 27/ 36 | 8.30% | 19.40% | 25.00% | 89 | 130 |
21年14番人気3着アイスバブル(前走目黒記念)や22年7番人気1着ハヤヤッコ(前走天皇賞春)などの激走例があり、距離短縮馬が好成績を残しています。特に1〜3番人気においては、距離延長馬&同距離馬だと複勝率2割強とやや不振なのに対して、距離短縮馬は複勝率7割弱という信頼の置けるパターンとなっています。
やはり荒れた馬場で体力が要求されるということもあって、スタミナ志向の担保となるスレンダー体型の馬や長めの距離を使われてきた馬が力を発揮しやすいレースであると考えられます。
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ライタープロフィール
1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。
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