阪神競馬場の改修工事に伴う変則開催により、例年の開催半ばではなく今年は開催1週目に行われる北九州記念。同レースの舞台である小倉芝1200mは数あるスプリントコースの中でも特に短距離適性=スピード性能が問われる舞台条件ですが、開催1週目という真新しい馬場状態で行われるとすれば、なおさらその方向性が問われてくること必至です。
そこで狙うべき存在は、過去に高速レースでの好走歴を持ち合わせている“実績馬”と、高速レースを直近に経験してスピードが磨かれた上でここに臨むという“経験馬”です。
前走平地距離 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
1000m | 3- 3- 2- 26/ 34 | 8.80% | 17.60% | 23.50% | 160 | 137 |
1200m | 7- 6- 8- 97/118 | 5.90% | 11.00% | 17.80% | 201 | 99 |
1400m | 0- 1- 0- 16/ 17 | 0.00% | 5.90% | 5.90% | 0 | 9 |
1600m | 0- 0- 0- 3/ 3 | 0.00% | 0.00% | 0.00% | 0 | 0 |
前者の“実績馬”については具体的に、単純に持ち時計がある馬と、小倉芝1200mで良績がある馬です。後者の“経験馬”は具体的に、今年行われた芝1200mの重賞・オープンレースの中で2番目に時計が速い決着だった5月の葵ステークスと、4月の春雷ステークス(共に勝ち時計1分07秒1)のどちらかを経てきた馬、そして例年の北九州記念でも好走馬を多く輩出するなど好相性となっている距離延長組が特に強調できる存在と見られます。逆にスピード対応力の面で劣ってしまう距離短縮組はかなり分が悪い存在となります。
サマースプリントシリーズ全6戦の中で、北九州記念とCBC賞はハンデ戦として行われます。基本的には、直線が短かったり平坦コースだったりするスピード優先のコースでは、軽ハンデが利きやすくなります。北九州記念は2年前、軽ハンデ51キロのボンボヤージが16番人気1着と激走するなど、歴史的に軽ハンデ馬の活躍が目立つレースとなっています。
ただし、昨年の斤量ルール改定を境にして、その潮目は変わった可能性があると見ています。斤量ルール改定では、原則的に全ての馬が斤量1キロ増となったのと、この6月の短距離のオープンクラス戦では3歳馬だけが斤量1キロ増(両方合わせて3歳馬は従来よりも斤量2キロ増)となりました。
斤量 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
〜48kg | 1- 0- 0- 2/ 3 | 33.30% | 33.30% | 33.30% | 166 | 63 |
49kg | 0- 0- 1- 2/ 3 | 0.00% | 0.00% | 33.30% | 0 | 53 |
50kg | 3- 1- 1- 17/ 22 | 13.60% | 18.20% | 22.70% | 221 | 100 |
51kg | 5- 0- 2- 23/ 30 | 16.70% | 16.70% | 23.30% | 101 | 52 |
52kg | 0- 7- 2- 22/ 31 | 0.00% | 22.60% | 29.00% | 0 | 151 |
53kg | 0- 4- 1- 30/ 35 | 0.00% | 11.40% | 14.30% | 0 | 23 |
54kg | 0- 1- 0- 7/ 8 | 0.00% | 12.50% | 12.50% | 0 | 30 |
55kg | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.00% | 0.00% | 0.00% | 0 | 0 |
前者の全体的な斤量底上げは、軽ハンデの馬よりも重ハンデの馬を利する変更だと見られます。例えば軽ハンデ51キロが1キロ増で52キロになるよりも、重ハンデ57キロが1キロ増で58キロになる方が、増加比率が小さい分だけ相対的に有利と言えます。
後者の3歳馬の斤量増は、そもそも夏の芝短距離重賞における3歳馬の良績は軽ハンデ馬に集中しており、実は52キロ以上の3歳馬は06年以降では1頭も勝利できておらず、53キロ以上の3歳馬は大きく成績を落としていることからも、たかが斤量1キロ増でもその負の影響は決して小さくない変更だと見られます。
昨年の北九州記念では軽ハンデ馬の活躍余地はなく重ハンデ馬同士の決着となっていましたが、今年の北九州記念でも出走馬は全てハンデ55キロ以上という組み合わせで、軽ハンデ馬自体が不在で、本当に有利な51キロ以下の3歳馬も不在です。それでも旧斤量ルール時の過去レース傾向からハンデが少し軽い程度の3歳馬が人気をするならば、古馬の方が狙い目と言えそうです。
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ライタープロフィール
1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。
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