春競馬を締めくくる宝塚記念ですが、トップクラスの馬が大目標とする主流のG1レースはこれよりも以前に設定されており、この宝塚記念を大目標に据えて挑むという馬は少数派です。よって、「いかに余力を残して臨めるか」が、命運を分ける最大のポイントとなっています。
そんな宝塚記念と同様の位置付けの有馬記念においても、5年前から2年前までは4年連続で中5週以上の間隔が空いていた馬が1〜4着までを独占していました。一昔前までは主力を担っていた前走ジャパンカップ組を含めて、中4週以内の馬はその4年間では18頭いて全て5着以下に終わっていました。
宝塚記念においても、安田記念など間隔が近いレースに出走していた有力馬は人気に応えられないケースが多く、実際に5年前から昨年までの5年間の掲示板入線馬25頭中23頭は中7週以上の間隔が空いていた馬でした。
前走レース名 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
ヴィクトリアM | 0- 0- 4- 4/ 8 | 0.00% | 0.00% | 50.00% |
ドバイシーマC | 2- 1- 1- 6/10 | 20.00% | 30.00% | 40.00% |
大阪杯 | 2- 2- 1-16/21 | 9.50% | 19.00% | 23.80% |
天皇賞春 | 3- 3- 3-33/42 | 7.10% | 14.30% | 21.40% |
鳴尾記念 | 1- 2- 0-15/18 | 5.60% | 16.70% | 16.70% |
クイーンエリザベス2世C | 1- 0- 0- 6/ 7 | 14.30% | 14.30% | 14.30% |
目黒記念 | 1- 0- 1-13/15 | 6.70% | 6.70% | 13.30% |
また、中7週となる天皇賞春組については、天皇賞春で5着内に善戦していた馬よりも、6着以下に凡走していた馬の方が圧倒的に好成績を収めています。間隔的にギリギリで、なおかつ消耗度も高い長距離の天皇賞春で走り切った馬については、余力が問われる宝塚記念において信頼度は高くありません。
それに対して宝塚記念で最も好走率が高い好相性を示す臨戦過程は、最も間隔が空くローテとなる前走ドバイ遠征組と、間隔的にはそこまで空いているわけではありませんが、牝馬限定戦でレベルが高くなく、距離が短いという点で消耗度が最小限で済む前走ヴィクトリアM組となっています。
今年の宝塚記念は京都競馬場(京都芝外回り2200m)で行われます。京都競馬場は昨年春に大規模改修工事を経てリニューアルオープンされましたが、スタンド改築と厩舎改築と共に、一部コースについても改修されたのと、芝の路盤についても全面的な刷新作業が行われた上で芝が張られたとのことですので、改修前と改修後を一緒くたに扱うことはできません。
まずコース改修については、具体的には外回りコースのコーナー角度が従来よりも緩い設定に変更されました。それは安全性のための変更とされていますが、トリッキーさが縮小されてフェアさが増しているという意味合いでは、強い馬を利する変更であり、能力的に見劣る馬にとっては付け入る隙が小さくなっています。
そして馬場刷新(高速馬場化)については、それを利するのは血統面ではディープインパクト産駒&ディープインパクト系になるということは以前にも取り上げましたが、それはそれだけ日本競馬における主流的な血統の馬が順当に力を発揮しているということを意味します。
つまりは、コース改修にしても、馬場刷新にしても、能力が高い馬や主流の血統馬という“人気を集める馬”にとって好都合な変更であったということが言えるワケです。
人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
1番人気 | 56- 26- 17- 56/ 155 | 36.10% | 52.90% | 63.90% | 84 | 77 |
2番人気 | 27- 31- 33- 64/ 155 | 17.40% | 37.40% | 58.70% | 67 | 89 |
3番人気 | 24- 29- 29- 73/ 155 | 15.50% | 34.20% | 52.90% | 92 | 92 |
1〜3人気 | 107- 86- 79- 193/ 465 | 23.00% | 41.50% | 58.50% | 81 | 86 |
4〜6人気 | 31- 42- 44- 346/ 463 | 6.70% | 15.80% | 25.30% | 73 | 66 |
7〜9人気 | 12- 23- 20- 368/ 423 | 2.80% | 8.30% | 13.00% | 85 | 79 |
10〜12人 | 3- 4- 10- 237/ 254 | 1.20% | 2.80% | 6.70% | 69 | 87 |
13〜15人 | 2- 0- 2- 117/ 121 | 1.70% | 1.70% | 3.30% | 130 | 57 |
16〜18人 | 0- 0- 0- 38/ 38 | 0.00% | 0.00% | 0.00% | 0 | 0 |
人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
1番人気 | 20- 12- 7- 8/ 47 | 42.60% | 68.10% | 83.00% | 102 | 104 |
2番人気 | 8- 11- 8- 20/ 47 | 17.00% | 40.40% | 57.40% | 65 | 83 |
3番人気 | 7- 8- 9- 23/ 47 | 14.90% | 31.90% | 51.10% | 79 | 90 |
1〜3人気 | 35- 31- 24- 51/141 | 24.80% | 46.80% | 63.80% | 82 | 92 |
4〜6人気 | 10- 14- 10-107/141 | 7.10% | 17.00% | 24.10% | 64 | 65 |
7〜9人気 | 2- 2- 9-119/132 | 1.50% | 3.00% | 9.80% | 29 | 55 |
10〜12人 | 0- 0- 4- 87/ 91 | 0.00% | 0.00% | 4.40% | 0 | 43 |
13〜15人 | 0- 0- 0- 37/ 37 | 0.00% | 0.00% | 0.00% | 0 | 0 |
16〜18人 | 0- 0- 0- 9/ 9 | 0.00% | 0.00% | 0.00% | 0 | 0 |
それはリニューアルオープン後の京都芝外回りコース(中長距離戦)の人気別成績からも裏付けられて、能力最上位馬であることがほとんどの1番人気馬の不発率はかなり低くなっており、7番人気以下の人気薄馬の好走率も従来比でかなり低く抑えられています。
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ライタープロフィール
1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。
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