2020年秋開催以降の東京芝コースは、冬開催以外では内有利の馬場バイアスがほぼ消滅して、一にも二にも末脚がモノを言う馬場、端的に言えば差し有利傾向へと化しているのが最新トレンドとなっています。
また、下級条件戦よりも上級条件戦の方が、レースにおける末脚の比重が高まるので差しが決まり易いというのが通例ですので、その上級条件戦の最高峰に位置するG1レースではことさら顕著な差し有利傾向が生まれているのが実情です。
脚質上り | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
平地・逃げ | 0- 1- 0- 22/ 23 | 0.00% | 4.30% | 4.30% | 0 | 20 |
平地・先行 | 6- 4- 7- 68/ 85 | 7.10% | 11.80% | 20.00% | 23 | 42 |
平地・中団 | 15- 12- 9-133/169 | 8.90% | 16.00% | 21.30% | 73 | 66 |
平地・後方 | 2- 6- 7- 89/104 | 1.90% | 7.70% | 14.40% | 25 | 86 |
平地・マクリ | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.00% | 0.00% | 0.00% | 0 | 0 |
脚質上り | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
平地・逃げ | 0- 0- 0- 15/ 15 | 0.00% | 0.00% | 0.00% | 0 | 0 |
平地・先行 | 0- 1- 0- 47/ 48 | 0.00% | 2.10% | 2.10% | 0 | 15 |
平地・中団 | 1- 1- 3- 76/ 81 | 1.20% | 2.50% | 6.20% | 58 | 66 |
平地・後方 | 1- 1- 2- 74/ 78 | 1.30% | 2.60% | 5.10% | 28 | 86 |
実際に20年の秋開催以降の東京芝のG1レース(23戦)において、道中3番手以内の先行競馬で3着以内の入線を果たしたのは、例外的に前残り決着となった22年ヴィクトリアマイルを除けば、アーモンドアイ・グレナディアガーズ・グランアレグリア・アスクビクターモア・パンサラッサ・ソダシ・イクイノックスの7頭だけで、どれも当時の人気(ほとんどの馬が1番人気馬)やその後の実績(ほとんどの馬がその後にG1勝利)からして抜きん出た能力故に好走に至ったというのが真相でした。つまりは、力で見劣る馬が先行して恵まれて残ったという決着は、22年ヴィクトリアマイルの1戦でしか起こっていません。
逆に人気薄で激走したのは軒並み後方からレースを進めていた馬ばかりで、昨年のNHKマイルCでも道中二桁通過順位馬の3頭(9番人気1着シャンパンカラー・8番人気2着ウンブライル・3番人気3着オオバンブルマイ)によるワンツースリー決着だったことからも、一発があるとしたら中団よりも後ろから追い込んでくる脚質の馬の方に山を張る方が正解に近付ける可能性が高いと言えるでしょう。
過去10年のNHKマイルCにおいて、主要ローテの中で最も高い好走率をマークしているのは前走皐月賞組です。
前走レース名 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
皐月賞 | 2- 1- 1- 9/13 | 15.40% | 23.10% | 30.80% | 82 | 171 |
毎日杯 | 0- 2- 0- 6/ 8 | 0.00% | 25.00% | 25.00% | 0 | 187 |
桜花賞 | 2- 2- 0-13/17 | 11.80% | 23.50% | 23.50% | 47 | 50 |
アーリントンC | 2- 0- 5-23/30 | 6.70% | 6.70% | 23.30% | 30 | 238 |
橘S | 0- 1- 0- 4/ 5 | 0.00% | 20.00% | 20.00% | 0 | 388 |
ニュージラーンドT | 2- 2- 2-41/47 | 4.30% | 8.50% | 12.80% | 74 | 52 |
スプリングS | 0- 0- 1- 8/ 9 | 0.00% | 0.00% | 11.10% | 0 | 25 |
ファルコンS | 1- 0- 1-18/20 | 5.00% | 5.00% | 10.00% | 148 | 47 |
マーガレットS | 0- 0- 0- 5/ 5 | 0.00% | 0.00% | 0.00% | 0 | 0 |
その皐月賞は基本的には高速決着だとマイル適性が問われ、低速決着だと中長距離適性が問われる傾向になるので、前者の年の皐月賞勝ち馬はダービーでは意外に飛ぶケースが多く、後者の年の皐月賞勝ち馬はダービーでもほぼ崩れないという結果となっています。具体的には過去15年で勝ち時計2分0秒台以上の低速決着だった年の皐月賞勝ち馬は、ダービーで[3-4-2-1](複勝率9割)という好成績を収めています。それは皐月賞とダービーの関係だけではなく、サンプル数こそ少ないものの皐月賞とNHKマイルCについても同様のことが言える可能性が高いです。
NHKマイルCの前走皐月賞組の好走例は「14年3着キングズオブザサン(皐月賞15着)・15年1着クラリティスカイ(皐月賞5着)・16年1着ロードクエスト(皐月賞8着)・19年1着アドマイヤマーズ(皐月賞4着)」の4例ですが、その内の15年と16年と19年の皐月賞は勝ち時計1分58秒台前半以下の高速決着で、残る14年の皐月賞は勝ち時計1分59秒台後半のやや低速決着でした。前者の年の皐月賞がマイル適性を問われる高速決着だった場合には、皐月賞で善戦した馬がその延長線上にあるNHKマイルCでも好結果を収めており、後者の皐月賞がマイル適性を問われない低速決着だった場合には、皐月賞で惨敗を喫した馬がNHKマイルCで巻き返しているという関係性が読み取れます。
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ライタープロフィール
1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。
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