2010年以降の京都競馬場で行われた天皇賞(春)で、二桁人気で好走したのは「20年11番人気2着スティッフェリオ(4角3番手)・16年13番人気2着カレンミロティック(同3番手)・15年10番人気3着カレンミロティック(同1番手)・14年12番人気3着ホッコーブレーヴ(同10番手)・12年14番人気1着ビートブラック(同1番手)・10年16番人気3着メイショウドンタク(同2番手)」の延べ6頭ですが、その内5頭は“前残り”のパターンでした。
その背景としては、開催2週目の高速馬場&内有利馬場で行われる為に、長距離戦だとしてもスタミナよりもスピードと立ち回り性能が問われがちなので、総じて前目の位置取り&内目の進路取りで上手く立ち回った馬が恵まれやすいということだと考えられます。
脚質 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
逃げ | 1- 0- 0- 10/ 11 | 9.10% | 9.10% | 9.10% | 1450 | 338 |
先行 | 0- 6- 6- 20/ 32 | 0.00% | 18.80% | 37.50% | 0 | 292 |
中団 | 2- 1- 3- 72/ 78 | 2.60% | 3.80% | 7.70% | 36 | 51 |
後方 | 0- 0- 0- 45/ 45 | 0.00% | 0.00% | 0.00% | 0 | 0 |
その一方で、最有力ステップレースである阪神大賞典は、天皇賞(春)とはある意味真逆で“前崩れ”が穴パターンとなっているという点です。
実際に5年前は10頭立てで「道中通過順9番手(ブービー追走)→10番手(最後方追走)→7番手」という極端な後方有利決着に、4年前も13頭立てで「道中通過順4番手→12番手(ブービー追走)→13番手(最後方追走)」という同じく極端な後方有利決着であるなど、人気通りで決まらない紛れが起きる時の多くは“前崩れ”となっていました。
その背景としては、阪神大賞典は天皇賞(春)と比較してスタミナ要素が強く要求されるレースになりがちなので、一般的にはメリットになる位置取りの高さについてはむしろ追走によりスタミナを削ぐデメリットとして作用する側面の方が大きく、道中では中団以降に位置してスタミナを温存していた馬が恵まれやすいということだと考えられます。
その上で考えられる予想戦略としては、“前崩れ”の阪神大賞典で先行していた馬を“前残り”の天皇賞(春)では評価を上げて、逆に阪神大賞典で差していた馬を天皇賞(春)では評価を下げるという手法です。
年 | 馬名 | 阪神大賞典の4角位置取り |
23年 | ジャスティンパレス | 2番手 |
23年 | ディープボンド | 2番手 |
18年 | レインボーライン | 4番手 |
18年 | クリンチャー | 3番手 |
17年 | シュヴァルグラン | 2番手 |
17年 | サトノダイヤモンド | 4番手 |
16年 | カレンミロティック | 1番手 |
16年 | シュヴァルグラン | 4番手 |
15年 | ゴールドシップ | 2番手 |
15年 | カレンミロティック | 5番手 |
12年 | ビートブラック | 2番手 |
11年 | ナムラクレセント | 2番手 |
実際に過去にさかのぼって振り返ってみても、2010年以降の京都で行われた天皇賞(春)で前走阪神大賞典組の好走馬は12頭いましたが、その内11頭は阪神大賞典で4角4番手以内に位置していた馬でした。逆に阪神大賞典を4角5番手以下で好走して天皇賞(春)に臨んだ馬は11頭いましたが、それらは全て天皇賞(春)では好走できていませんでした。 昨年は阪神大賞典を4角4番手以内で好走したジャスティンパレスは天皇賞(春)でも好走した一方、阪神大賞典を4角5番手以下で好走したブレークアップは好走できませんでした。
前走脚質 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
逃げ | 1- 2- 0- 12/ 15 | 6.70% | 20.00% | 20.00% | 30 | 130 |
先行 | 7- 2- 5- 56/ 70 | 10.00% | 12.90% | 20.00% | 272 | 151 |
中団 | 3- 6- 3- 65/ 77 | 3.90% | 11.70% | 15.60% | 33 | 58 |
後方 | 0- 0- 1- 29/ 30 | 0.00% | 0.00% | 3.30% | 0 | 49 |
マクリ | 1- 2- 1- 3/ 7 | 14.30% | 42.90% | 57.10% | 85 | 97 |
上で取り上げた阪神大賞典組ほどではありませんが、阪神大賞典組以外についても前走で逃げ~先行競馬もしくはマクリ競馬をしていた馬の方が、先行有利&内有利の天皇賞(春)でもおのずと恵まれる競馬になりやすいという点から好成績を残しています。
キムラヨウヘイの
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ライタープロフィール
1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。
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