ほんの数年前までの桜花賞の定説としては“外枠有利=内枠不利”というものがありましたが、それは平成時代までの話であって、この令和時代においては効力を失ってもはや過去の遺物と化したと見るのが妥当です。
かつて“外枠有利=内枠不利”という格差が生まれていた最大の理由は、春の阪神開催終盤のレースであることから、馬場の内目が荒れていて馬場バイアス自体が外有利に振れていたからです。
その外有利の馬場バイアスは、平成時代末期から令和時代にかけて年々薄れてきて、今となっては消滅しているというのが実態となっています。その馬場バイアスの変化を背景に、それがストレートに反映される形で桜花賞の決着傾向も同様の変化をしているというわけです。
枠番 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1枠 | 0- 1- 1-21/23 | 0.00% | 4.30% | 8.70% |
2枠 | 0- 0- 1-22/23 | 0.00% | 0.00% | 4.30% |
3枠 | 1- 1- 0-22/24 | 4.20% | 8.30% | 8.30% |
4枠 | 2- 2- 0-19/23 | 8.70% | 17.40% | 17.40% |
5枠 | 4- 0- 4-16/24 | 16.70% | 16.70% | 33.30% |
6枠 | 0- 2- 2-20/24 | 0.00% | 8.30% | 16.70% |
7枠 | 3- 3- 3-27/36 | 8.30% | 16.70% | 25.00% |
8枠 | 2- 3- 1-30/36 | 5.60% | 13.90% | 16.70% |
枠番 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1枠 | 0- 1- 2- 8/11 | 0.00% | 9.10% | 27.30% |
2枠 | 2- 0- 2- 8/12 | 16.70% | 16.70% | 33.30% |
3枠 | 0- 1- 0-11/12 | 0.00% | 8.30% | 8.30% |
4枠 | 2- 0- 0-10/12 | 16.70% | 16.70% | 16.70% |
5枠 | 1- 1- 1- 9/12 | 8.30% | 16.70% | 25.00% |
6枠 | 0- 0- 0-12/12 | 0.00% | 0.00% | 0.00% |
7枠 | 1- 0- 1-16/18 | 5.60% | 5.60% | 11.10% |
8枠 | 0- 3- 0-15/18 | 0.00% | 16.70% | 16.70% |
実際に平成時代の桜花賞の枠順別成績は複勝率が高い順に5枠→7枠→6枠→4枠→8枠で、内目の1枠と3枠に至っては勝率1%台・複勝率6%台という散々な結果となっていました。それが令和時代の桜花賞の枠順別成績は複勝率が高い順に2枠→1枠となっており、また6番人気以下の人気薄で好走した6頭中3頭も1〜2枠の極端内枠馬から輩出されています。
平成時代の桜花賞の傾向が含まれる過去10年データや、旧来のイメージから未だに注目を集める外枠勢や差し勢よりも、まだ世間が思っている以上に有利になっており妙味も見込めるだろう内枠勢や先行勢を重視する戦略が吉となるはずです。
それに伴って益々注目しなければならない存在が「大型馬」です。3歳牝馬のG1戦線は距離1600mの桜花賞・距離2400mのオークス・距離2000mの秋華賞という距離カテゴリーが異なる3つのレースが設定されていて、その中でも桜花賞で好走率が高い馬体重は「480〜499キロ(大型馬)」と「460〜479キロ(中型馬)」で、「450キロ台以下(小型馬)」は過去10年では1頭も勝てておらず、スピードに優れるグラマー体型馬の活躍が目立つという傾向です。
馬体重 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
400〜419kg | 0- 0- 1- 10/ 11 | 0.00% | 0.00% | 9.10% |
420〜439kg | 0- 0- 1- 19/ 20 | 0.00% | 0.00% | 5.00% |
440〜459kg | 0- 2- 0- 25/ 27 | 0.00% | 7.40% | 7.40% |
460〜479kg | 6- 2- 1- 26/ 35 | 17.10% | 22.90% | 25.70% |
480〜499kg | 0- 2- 3- 5/ 10 | 0.00% | 20.00% | 50.00% |
500〜519kg | 0- 0- 0- 3/ 3 | 0.00% | 0.00% | 0.00% |
520〜539kg | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.00% | 0.00% | 0.00% |
それが良好な馬場状態を後押しに桜花賞のスピードレース化が進行している令和時代においては、従来よりもさらに中〜大型馬の好走率が上昇して、小型馬の好走率が下降しているという最新傾向が読み取れます。
実際に近4年の桜花賞で上位人気3頭の中で掲示板外に沈んだ馬(20年6着サンクテュエール・21年18着メイケイエール・22年10着ナミュール・23年8着ライトクオンタム)は、全てそれらの中で最も馬体重が軽い小型馬or中型馬でした。メイケイエールはその後に馬体重を30キロ近く増やして480キロ台のグラマラスボディを手に入れたことによりスプリント路線で活躍するに至っていますが、ナミュールとサンクテュエールとライトクオンタムはその後に中距離路線で巻き返しを見せています。逆に言えば大型馬の上位人気馬は高確率で馬券に絡む信頼の置ける馬となっています。
昨年は上位人気3頭の中で最も馬体重が重かったリバティアイランドが1番人気1着で、出走馬全頭の中で最も馬体重が重かったペリファーニアが5番人気3着という決着でした。今年も最後は馬体重が物を言うという決着になる可能性が大いに考えられます。
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ライタープロフィール
1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。
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