昨年のファルコンSは、内枠(4枠6番)から直線では最内のラチ沿いを捌いてきたタマモブラックタイが8番人気ながらも勝利し、極端内枠(2枠2番)から内を立ち回る競馬をしたカルロベローチェが2着に入り、内枠(3枠4番)のサウザンサニーが14番人気ながらも3着に食い込むという“完全内枠決着”でした。
先週の金鯱賞の回でも詳しく取り扱った通り、ファルコンSに限らずに昨年の冬〜春開催の中京芝重賞レースでは、行われた9レースすべてで極端内枠(1〜2番枠)を引き当てた馬が馬券内好走を果たすという、顕著な内枠有利のレース傾向が出現していました。
逆にそこで不利な8枠を引きながらも唯一好走を果たした馬の昨年金鯱賞1着プログノーシスが、一転して内枠を引いた本年金鯱賞では昨年以上のワンサイドゲームを演じたのも合点が行く結果だったと言えることでしょう。
昨年の春開催については通常とは異なり開催前に芝の張替えが行われていたことがその大きな要因として考えられますが、今年の春開催については、その前に冬開催が行われなかったことで、従来よりも長い期間(約5週間)に渡って芝の養生がされていたということもあってか、開催1週目のレースを見る限りではやはり昨年同様の内枠有利のレース傾向が読み取れました(内寄りの1〜4枠は勝率10.9%・連対率20.3%・複勝率29.7%⇔外寄りの5〜8枠は勝率5.6%・連対率12.4%・複勝率19.1%)。
枠番 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1枠 | 1- 1- 2-11/15 | 6.70% | 13.30% | 26.70% |
2枠 | 2- 3- 2- 9/16 | 12.50% | 31.30% | 43.80% |
3枠 | 1- 1- 1-13/16 | 6.30% | 12.50% | 18.80% |
4枠 | 3- 1- 1-12/17 | 17.60% | 23.50% | 29.40% |
5枠 | 0- 1- 1-16/18 | 0.00% | 5.60% | 11.10% |
6枠 | 1- 0- 2-17/20 | 5.00% | 5.00% | 15.00% |
7枠 | 2- 2- 1-20/25 | 8.00% | 16.00% | 20.00% |
8枠 | 2- 3- 2-19/26 | 7.70% | 19.20% | 26.90% |
そうではなくとも、そもそもこのファルコンSが行われる中京芝短距離コースは、内枠有利傾向が顕著となっていることも忘れてはなりません。
枠番 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1枠 | 29- 24- 25-262/340 | 8.50% | 15.60% | 22.90% |
2枠 | 27- 33- 27-269/356 | 7.60% | 16.90% | 24.40% |
3枠 | 31- 34- 26-279/370 | 8.40% | 17.60% | 24.60% |
4枠 | 32- 27- 31-293/383 | 8.40% | 15.40% | 23.50% |
5枠 | 23- 32- 38-306/399 | 5.80% | 13.80% | 23.30% |
6枠 | 21- 19- 29-343/412 | 5.10% | 9.70% | 16.70% |
7枠 | 39- 25- 21-428/513 | 7.60% | 12.50% | 16.60% |
8枠 | 21- 29- 27-454/531 | 4.00% | 9.40% | 14.50% |
20年以降の枠順別成績データを見ての通り、総じて内寄りの枠順が優秀な数字をマークしており、特に1〜2枠については全頭をベタ買いした際の単複回収率が100%に迫るほどで、それに対して6枠以降になるとガクンと数字を落としていることが読み取れます。
そのコース自体が備えている内枠有利傾向と、芝状態由来の全般的な内枠有利傾向が組み合わされることによって、極端な内枠有利傾向の発生まで視野に入るのがファルコンSを筆頭とした今週末の中京芝短距離コースのレースと言えます。
そこでは高確率で出現するはずの内枠有利の傾向に逆らうのは得策ではなく、まずは極端な内枠を引いた馬を中心視して、中外枠を引いてしまった馬については騎手や馬の特性や脚質から内を立ち回る可能性がある馬のみピックアップするというのが正解への近道と言えるはずです。
基本的には直線に坂があるコースは大型馬有利であり、直線が長いコースは大型馬有利となっていますので、それらのコース形態を併せ持つ中京コースこそが、全コースの中でも特に馬格が物を言う大型馬有利のコースとなっています。
馬体重 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
400〜419kg | 0- 0- 0- 2/ 2 | 0.00% | 0.00% | 0.00% |
420〜439kg | 0- 0- 0- 13/ 13 | 0.00% | 0.00% | 0.00% |
440〜459kg | 2- 2- 1- 30/ 35 | 5.70% | 11.40% | 14.30% |
460〜479kg | 3- 4- 4- 43/ 54 | 5.60% | 13.00% | 20.40% |
480〜499kg | 3- 3- 4- 42/ 52 | 5.80% | 11.50% | 19.20% |
500〜519kg | 1- 1- 1- 3/ 6 | 16.70% | 33.30% | 50.00% |
520〜539kg | 1- 0- 0- 2/ 3 | 33.30% | 33.30% | 33.30% |
540〜 | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.00% | 0.00% | 0.00% |
ファルコンSもその例外ではなく、過去10年で馬体重500キロ以上の大型馬は10頭出走で4頭好走(好走率4割)という好成績をマークしており、しかもその内3頭は8番人気以下の人気薄馬だったことからも同レースにおける激走パターンと見なすことができます。
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ライタープロフィール
1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。
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