昨年のスプリンターズSについて取り上げた回で『09年以降で前半3Fタイムが後半3Fタイムよりも1.0秒以上速いハイペースだったのは8年ありましたが、当該年度の3着以内好走馬24頭中16頭は、距離1600m以上のレース(地方除く)で好走歴が無い馬』・『前半から速い流れになるレースになると、スピードに勝る距離1200mのスペシャリストである生粋のスプリンターに軍配があがる』ということを記しました。
近年のスプリンターズSは一時期の“スローペース症候群”を経てハイペースになりやすくなっており、実際に近6年中5年で前半3Fタイムが後半3Fタイムよりも1.4秒以上も速いハイペースとなっていることから、前半スピードに優れた “生粋のスプリンター”の活躍が目立っているというのが最新トレンドとなっています。
そんな“生粋のスプリンター”が走りやすい中山芝1200mのスプリンターズSと対極に位置するのが、この京都芝1200mで行われるシルクロードSです。そこではスプリンターズSで好走した馬は一転して人気を裏切りがちという危険パターンとなっており、逆にスプリンターズSで凡走した馬が一転して巻き返しがちという買いパターンとなっています。
実際に20年のシルクロードSでは前年スプリンターズSで2着に好走していたモズスーパーフレアが、2番人気に推されながらも4着止まりで大きくパフォーマンスを落としました。
19年のシルクロードSも同様で、前年スプリンターズSで好走・善戦した馬がラブカンプー(2着)・ラインスプリット(3着)・ダイメイプリンセス(4着)と3頭いましたが、それらは18着・14着・6着で全馬揃って大きくパフォーマンスを落としました。逆に前年スプリンターズSで11着に大敗を喫していたティーハーフが人気薄で3着に激走しました。更には18年のシルクロードSでも前年スプリンターズSで二桁着順の大敗を喫していたファインニードルとセイウンコウセイが共にガラリ一変を見せてのワンツー決着となりました。
脚質上り | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
平地・逃げ | 0- 0- 0- 4/ 4 | 0.00% | 0.00% | 0.00% | 0 | 0 |
平地・先行 | 0- 0- 0-14/14 | 0.00% | 0.00% | 0.00% | 0 | 0 |
平地・中団 | 4- 2- 1-30/37 | 10.80% | 16.20% | 18.90% | 59 | 55 |
平地・後方 | 0- 2- 3-12/17 | 0.00% | 11.80% | 29.40% | 0 | 131 |
レース名 | 着順 | >馬名 | 3角通過順位 | 4角通過順位 |
23京阪杯 | 1着 | トウシンマカオ | 7 | 7 |
2着 | ルガル | 5 | 5 | |
3着 | エイシンスポッター | 16 | 15 | |
20シルクロードS | 1着 | アウィルアウェイ | 13 | 12 |
2着 | エイティーンガール | 16 | 16 | |
3着 | ナランフレグ | 18 | 18 | |
20京阪杯 | 1着 | ライトオンキュー | 9 | 8 |
2着 | アイラブテーラー | 12 | 13 | |
3着 | カラクレナイ | 8 | 6 | |
19シルクロードS | 1着 | ダノンスマッシュ | 5 | 5 |
2着 | エスティタート | 14 | 9 | |
3着 | ティーハーフ | 16 | 15 |
19年以降の京都芝1200mの重賞レース(世代限定戦除く)は差し追い込み決着ばかりとなっていて、基本的に“先行力”が重視されるスプリント競走の中にあって、他場とは一線を画す“後半力”が最重視されるのが、この京都芝1200mのトップクラス戦ということが言えます。
そこでは「差し追い込み有利≒末脚が使える馬を重視」&「スプリンターズSを筆頭に他場の好走実績は鵜呑みにしない≒京都芝1200m実績馬を重視」という2点に重きを置いた予想をする必要があります。
前走レース名 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
京阪杯 | 3- 2- 1-14/20 | 15.00% | 25.00% | 30.00% |
阪神カップ | 2- 1- 0- 9/12 | 16.70% | 25.00% | 25.00% |
スプリンターズS | 2- 1- 0-11/14 | 14.30% | 21.40% | 21.40% |
淀短距離S | 1- 5- 3-19/28 | 3.60% | 21.40% | 32.10% |
ラピスラズリS | 1- 0- 1- 8/10 | 10.00% | 10.00% | 20.00% |
京都芝1200m実績馬を重視すべきというのを裏付けるデータとして、やはり前走でも京都芝1200mのレースを使っていた馬が好成績を残しており、京都施行の過去10年の好走馬の過半数はその京阪杯組と淀短距離S組というたった2つのレースから輩出されています。特に16年から20年まで5年連続で京阪杯または淀短距離Sの最先着馬がシルクロードSでも好走しているだけに、そこに出走していただけではなく着順が良好だった馬を重視すべきということが言えます。逆に中山芝1200mのスプリンターズS組とラピスラズリS組は着度数順では上位に位置しているものの、複勝率は20%そこそこと振るわない傾向が読み取れます。
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ライタープロフィール
1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。
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