中京競馬場で行われた昨年の京都金杯は、道中最内を通って直線でも内から抜け出して来たイルーシヴパンサーとエアロロノアによるワンツー決着で、3着馬と4着馬も1枠の馬と2枠の馬という完全なる内有利決着でした。
その背景としては、前開催でBコースを使用された後のAコース戻りというコース替わりのタイミングだけに、1週多く使い込まれていた馬場の中〜外目よりも、1週多く保護されていた馬場の内目の方が良好な馬場状態となっていたのが大きかったものと見られます。
今年の京都金杯は4年振りに本来の京都開催へと戻りますが、Aコース戻りのタイミングについては昨年の中京開催時と同じです。しかし、中京開催時はAコースが保護されていたBコース使用開催は1週だったのに対して、京都開催ではB~Cコース使用開催は4週とかなり長くなることを踏まえれば、中京開催時以上に内有利の馬場状態となることが見込まれます。
枠番 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1枠 | 3- 2- 1-13/19 | 15.80% | 26.30% | 31.60% |
2枠 | 3- 1- 1-14/19 | 15.80% | 21.10% | 26.30% |
3枠 | 1- 3- 2-13/19 | 5.30% | 21.10% | 31.60% |
4枠 | 1- 1- 3-15/20 | 5.00% | 10.00% | 25.00% |
5枠 | 0- 0- 2-18/20 | 0.00% | 0.00% | 10.00% |
6枠 | 2- 0- 0-18/20 | 10.00% | 10.00% | 10.00% |
7枠 | 0- 1- 0-22/23 | 0.00% | 4.30% | 4.30% |
8枠 | 0- 2- 1-22/25 | 0.00% | 8.00% | 12.00% |
実際に京都金杯が京都で行われた過去10年の枠順別成績を見ると、勝ち馬の6頭が1枠か2枠から出ていて、3着内好走率でも1〜4枠の方が5〜8枠よりも約3倍も高い数字をマークするなど、超が付くほどの内有利の傾向でした。かつてよりも馬場の外目が伸びやすくなっている新装・京都芝とはいえ、この年始開催に限っては内有利の決め打ちが有効となりそうです。
馬体重 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
420〜439kg | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.00% | 0.00% | 0.00% |
440〜459kg | 3- 2- 1- 10/ 16 | 18.80% | 31.30% | 37.50% |
460〜479kg | 2- 3- 7- 38/ 50 | 4.00% | 10.00% | 24.00% |
480〜499kg | 3- 3- 0- 38/ 44 | 6.80% | 13.60% | 13.60% |
500〜519kg | 2- 1- 2- 35/ 40 | 5.00% | 7.50% | 12.50% |
520〜539kg | 0- 1- 0- 11/ 12 | 0.00% | 8.30% | 8.30% |
540〜 | 0- 0- 0- 2/ 2 | 0.00% | 0.00% | 0.00% |
また、上記の内有利傾向と関連しますが、内を立ち回る競馬をした馬が恵まれやすいという面から、大型馬よりも総じて器用なレースができる小型馬の方が好成績というのも、他の芝マイル重賞ではあまり見られない傾向です。
京都で行われた過去10年の年齢別成績では、4歳馬が[4-4-2-33](勝率9.3%/連対率18.6%/複勝率23.3%)で、勝ち星・勝率・連対率・複勝率の全ての項目で、他の年齢馬を上回る好成績をマークしています。
年齢 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
4歳 | 4- 4- 2- 33/ 43 | 9.30% | 18.60% | 23.30% |
5歳 | 3- 2- 2- 26/ 33 | 9.10% | 15.20% | 21.20% |
6歳 | 3- 2- 2- 35/ 42 | 7.10% | 11.90% | 16.70% |
7歳 | 0- 2- 3- 27/ 32 | 0.00% | 6.30% | 15.60% |
8歳 | 0- 0- 1- 5/ 6 | 0.00% | 0.00% | 16.70% |
これだけを見ると4歳馬は“買い”の様に思えるかも知れませんが、必ずしもそうではなく「買ってはいけない4歳馬」と「買って良い4歳馬」があります。
同期間内の京都金杯で、3番人気以内に推されていながらも4着以下に凡走した4歳馬は8頭いて、内5頭は3歳G1レースで5着以内に善戦した実績の持ち主。残る3頭中2頭は3歳重賞レースで勝利した実績の持ち主でした。逆に3着以内に好走した4歳馬は10頭いて、内6頭はそうした実績の持ち主ではありませんでした。
ざっくりと言えば、3歳世代戦における「実績馬」の4歳馬は人気で飛ぶ確率が高い過信禁物のパターンとなります。逆に3歳世代戦では目立った実績を残していなかった「上がり馬」の4歳馬は、好走する確率が高い買えるパターンであるということです。
その主な要因としては、実績馬よりも上がり馬の方がハンデに恵まれやすいこと。そして実績馬で3歳秋G1レースを目標にしていた馬はこの京都金杯は惰性の一戦になりがちで、好仕上がりでの出走が望みづらいのに対して、馬の成長に合わせたレース起用がされている上がり馬の方が好仕上がりでの出走が見込まれるという点が考えられます。
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ライタープロフィール
1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。
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