以前にも取り上げましたが、3歳世代限定の重賞レースを検討する上で重要なポイントとなるのが、この3歳世代自体の世代レベルです。
なぜかと言うと、これまでの同世代内のレースのレベルが高ければ3歳秋でもその勢力図は簡単には崩されないので維持される可能性が高いですし、逆にこれまでの同世代内のレースのレベルが低ければ相対的にレベルが高くなる古馬相手のレースで頭角を現してきた上がり馬が台頭する余地が大きいという考え方ができるからです。
その世代レベルの高低については、今年の3歳世代馬が過去の3歳世代馬と比較して、どれだけの対古馬成績を残していたかが有力なソースとなります。
レース名 | 馬名 | 人気 | 着順 |
---|---|---|---|
オクトーバーS | シルトホルン | 2 | 2 |
オクトーバーS | グリューネグリーン | 12 | 4 |
毎日王冠 | エルトンバローズ | 4 | 1 |
毎日王冠 | エエヤン | 6 | 8 |
新潟記念 | ノッキングポイント | 2 | 1 |
札幌記念 | トップナイフ | 9 | 2 |
宝塚記念 | ドゥラエレーデ | 7 | 10 |
今年の3歳世代牡馬は特に中距離路線で、近年の中でもかなり優秀な対古馬成績を収めています。今月の3歳古馬オープン競走でも毎日王冠1着エルトンバローズやオクトーバーS2着シルトホルンなど世代の非トップレベル層が古馬に対して続々と世間の評価以上に通用する結果を残していることからも、世代レベルが高いという見方ができます。
よって、今年の菊花賞では相対的にレベルが低い古馬を相手にクラスを突破してきた夏の上がり馬よりも、相対的にレベルが高い同世代を相手に成り上がってきた春の実績馬の方を重視したいところです。
今の時代において頂上決戦たるG1レースで能力を最大限発揮させる上で最も重要なのは、出走時点で消耗しておらずにどれだけ余力がある状態でレースに挑めるかどうかです。
その好例が前週の秋華賞で、近6年中5年でオークスからの直行ローテを選択した馬が勝利を収めており、今年のリバティアイランドも例に違わずそうでした。他にも皐月賞では従来ならば敢えて選択されることは絶対になかった年明け初戦の間隔を大きく空けたローテーションで挑んだ馬が、近5年で4頭も好走馬に名を連ねました。有馬記念でも従来ならば王道ローテだった前走ジャパンC組が近4年連続で全滅して、従来ならばレアなローテだった前走天皇賞秋組が近4年連続で好走馬に名を連ねました。
一方で、この菊花賞だけが何故だか、未だにトライアルレースを経て臨む間隔が詰まったローテが、関係者の間でも馬券購入者の間でも主流ローテとして好まれていますが、それらは古い時代の慣習や傾向を引きずっている様にしか思えません。
間隔 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
2週 | 0- 0- 0- 6/ 6 | 0.00% | 0.00% | 0.00% |
3週 | 0- 0- 0- 11/ 11 | 0.00% | 0.00% | 0.00% |
4週 | 0- 1- 0- 40/ 41 | 0.00% | 2.40% | 2.40% |
5〜 9週 | 0- 3- 3- 47/ 53 | 0.00% | 5.70% | 11.30% |
10〜25週 | 1- 0- 0- 7/ 8 | 12.50% | 12.50% | 12.50% |
半年以上 | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.00% | 0.00% | 0.00% |
実際に近10年の菊花賞で7番人気以下の人気薄ながらも馬券内に食い込んだ8頭中5頭は中8週以上の間隔が空いたローテで挑んだ馬から輩出されています。その一方で、春の実績馬はこぞってセントライト記念or神戸新聞杯という王道ローテを歩んでおり、確かにそれらは菊花賞でも高い好走率をマークしています。
私は後者のトライアル組は地力の高さでローテ面の不利をカバーしているだけで、前者の間隔が空いたローテ組こそ本来は有利なパターンなのではないかと見ます。
キムラヨウヘイの
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ライタープロフィール
1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。
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