2020年以来3年振りに本来の京都競馬場(京都芝2400m)で行われる京都大賞典。京都競馬場は今年春に大規模改修工事を経てリニューアルオープンされましたが、スタンド改築と厩舎改築と一部コース改修などと共に、芝の路盤についても全面的な刷新作業が行われた上で芝が張られたとのことで、単純に大規模改修工事が行われる直前の京都芝にそのまま戻ったというわけではありません。
その工事直前(19~20年)の京都芝は、当時の全国的に柔らかい馬場を志向する流れもあってか、年々時計が掛かる馬場になっていましたので、大規模改修工事に伴って直近年よりもさらに以前(~18年)の高速馬場へと回帰したと言えます。
そもそも平坦コースである上に、高速馬場という条件も加わった最新の京都芝で猛威を振るっている血統は、言わずもがな古くから同コースを庭としているディープインパクト産駒を始めとするディープインパクト系です。
種牡馬 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
キズナ | 8- 3- 3-31/45 | 17.80% | 24.40% | 31.10% |
ディープインパクト | 6- 4- 4-23/37 | 16.20% | 27.00% | 37.80% |
ロードカナロア | 6- 4- 2-38/50 | 12.00% | 20.00% | 24.00% |
モーリス | 4- 4- 5-15/28 | 14.30% | 28.60% | 46.40% |
ドゥラメンテ | 3- 5- 5-20/33 | 9.10% | 24.20% | 39.40% |
実際に今春シーズンの京都芝コースの種牡馬リーディングは、ディープインパクト系のキズナ産駒が1位で、ディープインパクト産駒が2位でした。晩年を迎えて産駒数が徐々に減少しているディープインパクト産駒が各種牡馬リーディングでトップに名を連ねるのは今や珍しくなりつつあって、京都を除く中央3場の芝コースでの種牡馬リーディングでは6位止まり(キズナ産駒も7位止まり)となっていることからも、突出した好成績をマークしている京都芝をいかに得意としているかが読み取れます。
競走馬の馬体重とコース形態(芝)の関係について述べると、東京などの広くて直線が長いコースと、中山や阪神など直線急坂のコースが大型馬有利となっています。その逆で函館などの狭いコースや直線平坦のコースが小型馬有利となっています。
今回の京都芝は中央4場の中では中山芝に次いで直線が短いコースであり、また最も平坦性が強いですので、そもそも比較的小型馬有利となっていました。
その上で高速馬場への回帰も影響しているのか、今春シーズンの京都芝では特に中距離以上(距離1800m以上)のレースにおいては、例年以上の顕著な小型馬有利の傾向が出現していました。
馬体重 | 着別度数 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
---|---|---|---|---|
〜399kg | 0- 0- 0- 6/ 6 | 0.00% | 0 | 0 |
400〜419kg | 0- 1- 0- 10/ 11 | 9.10% | 0 | 13 |
420〜439kg | 5- 7- 5- 39/ 56 | 30.40% | 42 | 417 |
440〜459kg | 9- 11- 6- 74/100 | 26.00% | 58 | 89 |
460〜479kg | 11- 6- 15- 78/110 | 29.10% | 109 | 66 |
480〜499kg | 6- 9- 9- 68/ 92 | 26.10% | 37 | 66 |
500〜519kg | 5- 4- 3- 47/ 59 | 20.30% | 42 | 91 |
520〜539kg | 2- 0- 0- 10/ 12 | 16.70% | 120 | 30 |
540〜 | 0- 0- 0- 3/ 3 | 0.00% | 0 | 0 |
基本的に今の日本競馬で最も活躍しやすい馬体重は500キロ前後で、馬体重が小さくなるに連れて活躍しづらくなり、成績を落とす傾向となっています。その中にあって今春シーズンの京都芝の中距離以上のレースでは、かなりの小型馬にカテゴライズされる420~439キロの馬が最も高い好走率をマークし、逆に500キロ以上の大型馬は意外なほどに振るわないという、現代競馬では滅多に見られない成績分布となっていました。
キムラヨウヘイの
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ライタープロフィール
1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。
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