先週のローズSの際にも取り上げましたが、3歳世代限定の重賞レースを検討する上で重要なポイントとなるのが、この3歳世代自体の世代レベルです。
これまでの同世代内のレースのレベルが高ければ3歳秋でもその勢力図は簡単には崩されない可能性が高く、逆に同世代内のレースのレベルが低ければ古馬相手のレースで頭角を現してきた上がり馬が台頭する余地が大きい、という考え方ができるからです。
その世代レベルの高低については、今年の3歳世代馬が過去の3歳世代馬と比較してどれだけ他世代に対して結果を出せているかにかかわってきますので、3歳上(3歳馬vs古馬)のレースにおける3歳馬の成績データを年別に比較することで読み取ることができます。
クラス | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
2勝 | 15- 6- 5- 35/ 61 | 24.60% | 34.40% | 42.60% |
3勝 | 1- 1- 1- 5/ 8 | 12.50% | 25.00% | 37.50% |
オープン | 0- 1- 1- 5/ 7 | 0.00% | 14.30% | 28.60% |
クラス | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
2勝 | 11- 8- 6- 33/ 58 | 19.00% | 32.80% | 43.10% |
3勝 | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.00% | 0.00% | 0.00% |
オープン | 0- 1- 1- 6/ 8 | 0.00% | 12.50% | 25.00% |
結論から記すと、今年の3歳世代牡馬は近年の中でかなり優秀な成績を収めていますので、世代レベルが高いと見なせます。昨年の同時期の3歳世代牡馬との比較では、今年の3歳世代牡馬が全て項目で上回る数字をマークしています。2勝クラスでの勝利数&勝率と、3勝クラスでの勝利数&勝率&連対率&複勝率は、近年の中でトップの数字です。したがって、今年の神戸新聞杯は夏の上がり馬よりも、春の実績馬の方を重視したいところです。
先々週と先週に紫苑SとローズSとセントライト記念という3つの3歳G1トライアルレースが行われましたが、それらの好走馬の所属の内訳としては「関東所属の社台系馬が2頭」・「関西所属の社台系馬が3頭」・「関東所属のノーザンファーム系馬が3頭」・「日高生産馬が1頭」で、実は関西所属のノーザンファーム系馬だけが好走馬に名を連ねていません。
実はそれら3レースに限らず、この秋競馬においては関西所属のノーザンファーム系馬の成績はあまり振るっておらず、特に中9週以上の休み明け初戦の馬は顕著な不振傾向が見受けられます。
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 | |
---|---|---|---|---|---|---|
美浦所属 | 4- 3- 2-21/30 | 13.30% | 23.30% | 30.00% | 123 | 98 |
栗東所属 | 2- 3- 3-27/35 | 5.70% | 14.30% | 22.90% | 22 | 33 |
その要因として考えられるのが、関西所属のノーザンファーム系馬が主に利用している外厩のノーザンファームしがらきが、8月初旬から中旬まで改修工事により坂路調教が行えない状況となっていたことです。
先週のローズSで人気を裏切る凡走を喫したラヴェルの様に、同期間内を丸々ノーザンファームしがらきで過ごしていた休み明けの馬の場合には、重要度が高い坂路調教ができなかった分、秋初戦でのパフォーマンスに対して少なからずマイナスに影響する可能性が考えられます。
キムラヨウヘイの
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ライタープロフィール
1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。
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