3歳世代限定の重賞レースを検討する上で重要なポイントとなるのが、この3歳世代自体の世代レベルです。
他の世代と相まみえるわけでもなく、同じ世代同士の一戦で何故それが重要なのかと言えば、これまでの同世代のトップ戦線のレースのレベルが高ければ3歳秋でもその勢力図が維持される可能性が高いからです。逆にこれまでの同世代のトップ戦線のレースのレベルが低ければ、相対的にレベルが高くなる古馬相手のレースで頭角を現してきた上がり馬が台頭する余地が大きい、という考え方ができるからです。
クラス | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
2勝 | 14- 6- 8- 27/ 55 | 25.50% | 36.40% | 50.90% |
3勝 | 0- 0- 1- 5/ 6 | 0.00% | 0.00% | 16.70% |
オープン | 1- 0- 0- 9/10 | 10.00% | 10.00% | 10.00% |
その世代レベルを見極める術としては、過去年との各種対戦成績データの比較から測ることができます。具体的には古馬相手のレースで過去年の3歳世代馬と比較して今年の3歳世代がどれだけ成績を挙げられているかということです。
3勝クラス以上はサンプル数不足ですが、2勝クラスでの勝利数(14勝)と勝率(25.5%)と連対率(36.4%)は、近年の同時期と比較するとやや優秀な数字をマークしていますので、現時点ではややハイレベルである可能性が高いという評価をします。
冒頭で記した通り、これまでの世代レベルが高ければ3歳秋でもその勢力図が維持される可能性が高いということから、今年のローズSは夏の上がり馬よりも春の実績馬の方を重視したいところです。
ただし、春の実績馬が、一夏を越して3歳秋以降にも同様の活躍を見せられるかと言えば、また別の問題が生じるので必ずしもそうではないという実情があります。
少し古い例となりますが、オークス馬でも10年サンテミリオンや11年エリンコートのように3歳春までとは別馬かの様に、3歳秋以降に全く走らなくなるケースは決して珍しくありません。
そんな3歳春以降はピークが過ぎてしまう馬と、3歳秋以降も以前までの状態を維持して走れる馬を見極める術としては、ノーザンファーム生産馬か非ノーザンファーム生産馬かという二択である程度判断することができます。
生産者 | 着別度数 | 複勝率 |
---|---|---|
ノーザンファーム | 1- 1- 2- 4/ 8 | 50.00% |
三嶋牧場 | 1- 0- 0- 0/ 1 | 100.00% |
天羽牧場 | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.00% |
目黒牧場 | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.00% |
谷川牧場 | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.00% |
下河辺牧場 | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.00% |
フジワラフアーム | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.00% |
ケイアイファーム | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.00% |
17年以降のローズSで春の実績馬と見なせる前走オークス組は計27頭いましたが、ローズSで3着内に好走した8頭中6頭はノーザンファーム生産馬でした。逆にローズSで4着以下に凡走した19頭中18頭は非ノーザンファーム生産馬でした。
それらの半数ほどは上位人気に推されていた馬でしたので、ノーザンファーム生産馬の前走オークス組は信頼できる人気馬に、非ノーザンファーム生産馬の前走オークス組は典型的な危険人気馬になるというわけです。
やはり3歳春という馬が未完成の段階でのオークス挑戦は、馬へのダメージが大きく残り、その上で酷暑の時季を経ながらも万全の出走態勢を整えて以前と同じ走りをすることは容易ではないことは想像が付きます。その高いハードルを乗り越えられるのは、日本の生産界と育成界でトップに立つノーザンファーム生産馬(育成馬)でないと中々難しいのが実情であるということが言えそうです。
キムラヨウヘイの
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ライタープロフィール
1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。
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