20~22年までの近3回の中京芝1200mで行われたセントウルSは、マイラーが躍動するスプリントレースとなっていました。そこでは勝ち馬は全て前走距離1400m以上のレースに出走していた距離短縮組から輩出されていました。2年前の好走馬3頭は全て距離1600mの重賞レース好走実績馬で、3年前の好走馬3頭は全て前走距離1600mのレースに出走していた馬でした。
スプリンターズSの最有力前哨戦の位置付けの一戦でありながらも、距離1400mのレース結果かと思えてしまう様な好走馬の顔触れとなっていました。それはセントウルSというレース自体における傾向の変貌ではなく、本来の阪神芝1200mと代替の中京芝1200mの間で問われる適性が大きく異なっていたということに起因します。
本来の阪神芝1200mで行われていたセントウルSは対照的にスプリント色の強いレースになりがちです。実際に近6回(14〜19年)の好走馬18頭中16頭は前走でも距離1000〜1200mのレースに出走していた本職スプリンターが占めていました。
前走で距離1600mのレースに出走していた馬で勝利を収めた唯一のケースは15年のアクティブミノルでしたが、前走NZTでは15着大敗を喫していたことからも “ただ距離1600mのレースに名を連ねていただけ”というのが実際の所で、スプリントに適性がある馬だから阪神芝1200mでガラリと一変して走ったという真逆のケースでした。
前走距離 | 着別度数 | 連対率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
---|---|---|---|---|
同距離 | 0- 2- 1-29/32 | 6.30% | 0 | 23 |
延長 | 0- 0- 0- 0/ 0 | |||
短縮 | 3- 1- 2- 9/15 | 26.70% | 44 | 107 |
前走距離 | 着別度数 | 連対率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
---|---|---|---|---|
同距離 | 5- 4- 5-49/63 | 14.30% | 30 | 55 |
延長 | 0- 2- 0- 6/ 8 | 25.00% | 0 | 78 |
短縮 | 1- 0- 1-13/15 | 6.70% | 320 | 79 |
単複回収率データ上ではそのアクティブミノルの激走(10番人気1着)に引っ張られて距離短縮ローテ馬の数字が上回っていますが、そのケースを除けば「距離延長>同距離>距離短縮」の順で相性が良いローテとなっています。
中京芝1200mで行われたセントウルSでマイラーが躍動していた背景としては、同コースが特にスタミナと末脚の良さが求められる条件だからでした。よって、脚質的には逃げ先行馬よりも、先行集団を見る位置取りで脚を溜めて直線で末脚を使う差し馬の方が有利という傾向で、実際に中京の近3年では逃げ馬は1頭も好走できませんでした。
脚質 | 着別度数 | 連対率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
---|---|---|---|---|
逃げ | 2- 1- 0- 3/ 6 | 50.00% | 835 | 215 |
先行 | 2- 2- 2-15/21 | 19.00% | 51 | 80 |
中団 | 2- 2- 3-25/32 | 12.50% | 19 | 55 |
後方 | 0- 1- 1-25/27 | 3.70% | 0 | 19 |
しかし、末脚の良さよりも先行力が問われる阪神芝1200mで行われるセントウルSでは正反対の傾向で、実際に阪神の近6回では逃げ馬が3度連対して連対率50%という好成績です。さらには4角3番手以内で通過した逃げ先行馬が毎年必ず好走馬に名を連ねていました。
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ライタープロフィール
1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。
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