2023年新潟記念｜キムラヨウヘイの重賞アナライズ

キムラヨウヘイの重賞アナライズ

2023年新潟記念

全場最長の直線距離×開催最終週の外伸び馬場＝トビの大きさがキーに

新潟記念が行われる舞台である新潟芝外回りコースは、JRAの全コースの中でもホームストレッチ（最後の直線）の距離が最も長いコース形態です。また、新潟記念が行われるのは開催最終週の外伸び馬場で、各馬は馬場の悪い内目を避けてコースロス上等で外目を回すコース取りを選択する傾向があります。よって、この新潟記念というレースは、（直線1000mのレースを除いて）JRAの数あるレースの中で、最も息の長い末脚を繰り出せるかどうかが問われる条件と言うことができます。

息の長い脚を繰り出すというのは、具体的にはどれだけトビを維持してラップを落とさない走りをすることと言い換えられますが、それを実現させる上ではピッチ走法（トビが小さく回転が早い走り方）よりもストライド走法（トビが大きく回転が遅い走り方）の馬の方が理に適っています。もちろん中には例外もありますが、それは脚の長さを含めた馬格の大きさ≒馬体重とある程度は相関関係があります。

■データ１　 過去10年の新潟記念の馬体重別成績

実際に近10年の新潟記念では、馬体重520キロ以上の大型馬が[3-0-1-8](複勝率33.3%)で単複回収率は200%に迫る程の好成績をマークしており、確率的にも期待値的にも馬格が大きければ大きい程に狙いが立つという見方ができます。昨年も馬体重530キロ台の大型馬であるカラテが10番人気の人気薄ながらも勝利を収めました。

全場最長の直線距離×開催最終週の外伸び馬場＝距離長め適性がキーに

上記の通り、息の長い末脚が求められるのと共に、そもそものコース設定（内ラチ沿いの周回距離）よりも実質的に長い距離を走るという点から、距離2000mがドンピシャという馬よりも距離2000m超の距離適性が問われる条件と言うことができます。

近年の勝ち馬を振り返って見ると、21年のマイネルファンロンはその後に距離2200mのAJCC2着など主に中長距離路線を歩み、19年のユーキャンスマイルはその後に距離3000mの阪神大賞典1着など主に長距離路線を歩み、18年のブラストワンピースはその後に距離2500mの有馬記念1着など主に中長距離路線を歩みました。

■データ２　過去10年の新潟記念の厩舎別成績

また過去10年の厩舎別成績では長距離路線で滅法強い友道厩舎が他を圧倒する成績（４勝２着１回）を残していることからも、スタミナ面を強化する育成が施されている馬が走りやすい条件と言うことが読み取れます。

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