この中京記念が中京芝1600mで行われるのは4年振りとなります。その4年前以前と今とでは、芝の質や騎手の乗り方がまるで異なりますので過去〇年のレース傾向を参照するのはやや危険ですが、4年前以前でも今でも変わらないポイントとしては「馬格が物を言う」という点が挙げられます。
馬体重 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
〜399kg | 0- 2- 0- 44/ 46 | 0.00% | 4.30% | 4.30% |
400〜419kg | 5- 6- 9- 147/ 167 | 3.00% | 6.60% | 12.00% |
420〜439kg | 33- 48- 58- 472/ 611 | 5.40% | 13.30% | 22.70% |
440〜459kg | 68- 66- 80- 811/1025 | 6.60% | 13.10% | 20.90% |
460〜479kg | 100- 94- 79- 841/1114 | 9.00% | 17.40% | 24.50% |
480〜499kg | 91- 85- 73- 735/ 984 | 9.20% | 17.90% | 25.30% |
500〜519kg | 43- 38- 44- 305/ 430 | 10.00% | 18.80% | 29.10% |
520〜539kg | 15- 13- 10- 83/ 121 | 12.40% | 23.10% | 31.40% |
540〜 | 0- 4- 1- 24/ 29 | 0.00% | 13.80% | 17.20% |
全場芝コースの馬体重別成績データを参照すると、札幌と福島と新潟と京都と小倉はどの馬体重別でも万遍ない傾向、函館は大型馬不利の傾向、東京は緩やかに大型馬有利の傾向、中山と阪神は小型馬不利の傾向が読み取れます。
最も狭い函館が大型馬にとって走りづらいコースに、それに対して最も直線が長い東京が大型馬にとって走りやすいコースになっています。また、直線の坂がキツい中山と阪神が小型馬にとって走りづらいコースになっています。
そして、小型馬不利コースの特徴である「坂」と、大型馬有利コースの特徴である「直線の長さ」を併せ持つ中京こそが、全コースの中でも最も馬格が物を言う大型馬有利のコースというわけです。
実際に過去に同コースで行われた時の中京記念でも好走馬の約9割が馬体重480キロ以上の中大型馬から輩出されており、479キロ以下の小中型馬は複勝率5%を切ってしまう程の極度の不振成績となっています。
前走クラス | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
---|---|---|---|---|---|---|
3勝 | 0- 0- 1- 2/ 3 | 0.00% | 0.00% | 33.30% | 0 | 76 |
OPEN非L | 1- 1- 2- 5/ 9 | 11.10% | 22.20% | 44.40% | 100 | 102 |
OPEN(L) | 0- 0- 0- 4/ 4 | 0.00% | 0.00% | 0.00% | 0 | 0 |
G3 | 1- 0- 3- 3/ 7 | 14.30% | 14.30% | 57.10% | 62 | 148 |
G2 | 2- 1- 2- 3/ 8 | 25.00% | 37.50% | 62.50% | 211 | 156 |
G1 | 1- 0- 1-17/19 | 5.30% | 5.30% | 10.50% | 25 | 16 |
この中京記念で人気を背負って飛ぶパターンの一つは前走G1レース出走組です。過去10年で前走G1レース出走組の上位人気馬(1~5人気馬)は[1-0-1-17]・複勝率10.5%・単勝回収率25%・複勝回収率16%と散々で、他のどのクラスのレースの出走組よりも遥かに低い数字となっています。
これは中京記念特有の傾向というよりも、今の日本競馬の芝G3レース全般について言える傾向です。20年以降の芝G3レース(2,3歳限定戦除く)において、前走G1レース出走組の上位人気馬は単勝回収率64%止まりで、これは前走条件クラスレースも含めた他のどのクラスのレースの出走組よりも見劣る数字となっています。
そして、これと真逆の傾向が見られるのがダートの重賞レースで、近年はほとんどの年で前走G1レース出走組を買うだけで単複回収率がプラスになるという結果が続いています。
これらの要因としては芝とダートにおけるG1レースの価値の違いにあります。1年間の中で様々な距離やコースや年齢や性別などのカテゴリー別に、数多くのG1レースが設定されているのが芝路線です。それに対して、オールマイティーな施行条件で、フェブラリーSとチャンピオンズCという僅か2つのG1レースしか設定されていないのがダート路線です。それによって芝のG1レースとダートのG1レースでは、出走馬の平均クオリティにかなりのギャップが生じるというわけです。そんな芝でもG1レース出走という一見まばゆい実績は世間では高評価されるのが常で、それが過剰に評価されがちということから前走G1レース出走組は押しなべて次走は美味しくない馬になりがちというわけです。
それが芝G3レースの上位人気馬においては、前走G1レース出走組よりも前走格下レース出走組の方が高い期待値が見込めるという逆転現象に繋がっているものと考えられます。
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ライタープロフィール
1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。
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