函館記念は近10年では4角3番手以内馬が8勝に対して4角4番手以下馬が2勝、そして内目の1〜4枠の馬が8勝に対して外目の5〜8枠の馬は2勝で、その全体の集計データからは先行有利・内有利のレースだと読み取れます。しかし、その近10年の多くが今年とは異なるBコース替わり1週目の施行だったという点から、それをストレートに受け取るべきではありません。
今年の函館開催でも開幕当初の1〜3日目までは総じて内有利傾向だったのが、Aコースが使い込まれた開催4週目にはやや外有利傾向が生まれて、Bコース替わり1週目の先週序盤のレースでは再び内有利傾向への揺り戻しが見られました。過去を振り返っても、開催を積み重ねる毎にストレートに内→外へと伸び所がスライドして、コース替わりで外→内へ戻るのが函館芝コースの典型的なパターンです。
過去10年の函館記念で先行決着や内有利決着が多かったのは、あくまでも馬場の内目が走りやすい状態になるBコース替わり1週目の馬場傾向が反映されたものであり、開催のタイミング次第ではその限りではないということが言えます。
脚質上り | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
---|---|---|---|---|---|---|
平地・逃げ | 0- 0- 0- 4/ 4 | 0.00% | 0.00% | 0.00% | 0 | 0 |
平地・先行 | 1- 0- 2- 9/12 | 8.30% | 8.30% | 25.00% | 156 | 99 |
平地・中団 | 2- 3- 1-16/22 | 9.10% | 22.70% | 27.30% | 384 | 202 |
平地・後方 | 0- 0- 1-21/22 | 0.00% | 0.00% | 4.50% | 0 | 10 |
平地・マクリ | 1- 1- 0- 2/ 4 | 25.00% | 50.00% | 50.00% | 177 | 112 |
前走脚質 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
---|---|---|---|---|---|---|
平地・逃げ | 0- 0- 0- 5/ 5 | 0.00% | 0.00% | 0.00% | 0 | 0 |
平地・先行 | 0- 1- 2-16/19 | 0.00% | 5.30% | 15.80% | 0 | 47 |
平地・中団 | 3- 1- 2-18/24 | 12.50% | 16.70% | 25.00% | 381 | 128 |
平地・後方 | 1- 2- 0-13/16 | 6.30% | 18.80% | 18.80% | 117 | 146 |
実際に過去に今年と同じくBコース替わり2週目の施行だったのは、2012年以前の多くの年と、それ以降だと2014年・2020年・2022年の3つの年となっています。例えば2020年は7枠から差す競馬をしたアドマイヤジャスタ(15番人気)と道中最後方追走のドゥオーモ(13番人気)による大波乱のワンツー決着だったのが記憶に新しいですが、それらの年の好走馬を振り返ると前走でも今走でも中団以降の位置取りから差す競馬をした馬と捲る競馬をした馬が波乱を演出していました。
Bコース替わり1週目だった先週も後半にかけてレース数を重ねる毎に徐々に外差し馬の台頭が見られましたので、Bコース替わり2週目で行われる今年の函館記念で山を張るとすれば、近10年データ的に優位となっている“内&前”ではなく、Bコース替わり2週目の馬場傾向から優位と目される“中&後”から競馬を進める馬の方と見ます。
また、Bコース替わり2週目の施行だった年の勝ち馬の前走出走レースを振り返ると、「2011年キングトップガン=目黒記念(2500m)」・「2012年トランスワープ=福島テレビオープン(1800m)」・「2014年ラブイズブーシェ=目黒記念(2500m)」・「2020年アドマイヤジャスタ=鳴尾記念(2000m)」・「2022年ハヤヤッコ=天皇賞春(3200m)」で、荒れた馬場でスタミナが要求されるレースになりがちということもあって、前走で今走よりも長い距離を使っていた距離短縮ローテ馬の活躍が目立っています。
また、使用コース関係なく道悪(重馬場)で行われた年も同様のことが言えて、その2017年は前走天皇賞春のタマモベストプレイとヤマカツライデンが共に人気薄で2着と3着に走り、2022年はハヤヤッコの2着には前走目黒記念のマイネルウィルトスでした。
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ライタープロフィール
1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。
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