2023年七夕賞｜キムラヨウヘイの重賞アナライズ

キムラヨウヘイの重賞アナライズ

2023年七夕賞

重ハンデ馬が有利な小回り2000mコース

サマー2000シリーズの第一戦・七夕賞。同シリーズはG2札幌記念を除いて全てハンデキャップ競走として行われます。そのハンデのベースとなる馬齢重量と別定重量については、馬の年齢別と距離別に細かく設定されています。

例えば８月のオープン競走で短距離戦だと、３歳と古馬の斤量差は２キロなのに対して、マイル戦だと斤量差は３キロ、中長距離戦だと斤量差は４キロとなっています。これは距離別に斤量差の影響度合いが異なるからです。つまりは短距離戦だと斤量差の影響が大きい為に幅が小さく設定されており、逆に中長距離戦だと斤量差の影響が小さい為に幅が大きく設定されているというわけです。

それら距離などの施行条件によって、斤量差の影響が大きい（ハンデが利きやすい）ケースや、斤量差の影響が小さい（ハンデが利きづらい）ケースが様々あるわけですが、ハンデキャッパーのハンデの付け方は馬本位であり施行条件は考慮されていませんので、必然的に軽ハンデ馬が有利なレースと、重ハンデ馬が有利なレースがでてきます。

基本的には斤量は瞬発力（初速や加速）の面に大きく影響するとされており、例えばその初速の有無がレース結果に直結しやすい新潟直線1000mでは斤量がレース結果に大きく左右するというのは常識的ですが、だからと言ってハンデキャッパーが新潟1000mでは他コースよりもハンデ差の幅を小さく設定するという介入をすることはありません。

■データ１　 七夕賞のハンデ別成績（過去10年）

その逆で瞬発力ではなく持続力が問われる競馬になりやすい小回り芝2000mでは、斤量が物を言いづらい施行条件だと考えられますので、今回の福島芝2000mの七夕賞では軽ハンデ馬よりも重ハンデ馬の方を重視すべきです。実際に近年の七夕賞ではハンデが重ければ重いほどに好成績となっています。

差し有利の福島芝2000m(馬場悪化なら更に)

この七夕賞が行われる福島芝2000mは、最初のコーナーを迎えるまでの直線の長さと、最後の直線の短さが特徴的です。その特徴を有するコースは他に阪神芝2200mや小倉芝2000mなどが挙げられますが、それらのコースで多頭数が揃うレースの場合には、序盤の隊列が固まるまでに時間を要して、結果的にペースが速くて展開が厳しくなり、差し有利の決着が起こりやすくなります。そして、それを助長して更なる超差し有利の決着を起こす引き金となるのが、「馬場の悪さ」です。

近年の七夕賞で唯一、先行馬が勝利して逃げ馬が絡んだ21年については、春の福島開催が中止された為に、開催スパンがかなり空いた中で良好な馬場状態で行われたということが、異例の先行決着を引き起こしたものと考えられます。

それ以外の通常通りの日程で行われた年で、稍重〜不良馬場だったのは19年と20年でしたが、共に道中二桁通過順位馬が勝利を収めています。

■データ２　福島芝2000mの重賞・OP競走の道中位置取り別成績（13年以降／良馬場以外）

また、七夕賞以外の福島芝2000mの重賞・オープン競走でも、稍重〜不良だった23年福島民報杯・20年福島民報杯・15年福島記念・13年福島民報杯はすべて中団以下に位置した馬が勝利を収めています。

キムラヨウヘイの
推奨馬は
アプリで紹介！

データ競馬のための最強ツール TARGET frontier JV（ターゲット）