現在JRAで設定されている3歳世代限定のダート重賞レースはわずか2レースだけで、その1つ目がこのユニコーンSです。
同レースは3歳馬にとっては貴重なJRAダート重賞レースとなりますので、将来的に重賞戦線で活躍してくる素質馬が歩を進めてくる一方で、出走馬の大多数は将来的にも条件クラス止まりの馬というのが実情ということもあって、JRAの数あるレースの中でも特に能力の上下差が著しい出走馬同士によるレースであるという点が最大の特徴です。
そこでは多少の適性の食い違いや、枠順や展開の有利不利などがレース結果に及ぼすウエイトは小さくなり、一にも二にも何よりも“能力序列”こそが絶対的なモノとして機能することになります。
人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
---|---|---|---|---|---|---|
1〜3人気 | 14- 11- 6- 17/ 48 | 29.20% | 52.10% | 64.60% | 134 | 113 |
4〜6人気 | 0- 2- 3- 43/ 48 | 0.00% | 4.20% | 10.40% | 0 | 50 |
7〜9人気 | 2- 2- 6- 38/ 48 | 4.20% | 8.30% | 20.80% | 69 | 114 |
10〜12人 | 0- 0- 2- 46/ 48 | 0.00% | 0.00% | 4.20% | 0 | 41 |
13〜15人 | 0- 1- 0- 45/ 46 | 0.00% | 2.20% | 2.20% | 0 | 40 |
16〜18人 | 0- 0- 0- 12/ 12 | 0.00% | 0.00% | 0.00% | 0 | 0 |
実際にこのユニコーンSの近16年中13年で上位人気3頭中2頭が馬券に絡んでおり、また同じ性格を持つレパードSもレース創設以降の14年間で1番人気の複勝率は85.7%という超高水準となっており、やはり“能力序列”の通りに大よそ決着するということで“順当決着”の傾向が指摘できます。
昨年22年については「1着ペイシャエス(7番人気)→2着セキフウ(9番人気)→3着バトルクライ(8番人気)」という人気薄馬同士によるワンツスリー決着でしたが、その3頭はいずれもその後にダートの重賞レースで再度好走しています。逆に4着以下に敗れた馬の中からは、その後にダートの重賞レースで好走したのは1頭しかいません。つまり、昨年の人気薄馬が揃って激走を見せた“波乱決着”にしても、実際には不当に人気していなかっただけで、“能力序列”が上だった重賞級の素質馬3頭がそのまま力通りに走っただけという“順当決着”だったと言えます。
生産者 | 着別度数 |
---|---|
社台ファーム | 3- 2- 0- 1/ 6 |
ノーザンファーム | 2- 1- 2- 0/ 5 |
フジワラフアーム | 2- 0- 0- 0/ 2 |
村上牧場 | 1- 0- 0- 0/ 1 |
千代田牧場 | 1- 0- 0- 0/ 1 |
森本牧場 | 1- 0- 0- 0/ 1 |
社台コーポレーション白老ファーム | 1- 0- 0- 0/ 1 |
ヤナガワ牧場 | 1- 0- 0- 0/ 1 |
Paul P. Pompa | 1- 0- 0- 0/ 1 |
Buck Pond Farm Inc | 1- 0- 0- 0/ 1 |
ただし、“順当決着”になりやすいユニコーンSにおいて、唯一順当に走らないことが多くて人気を裏切る可能性が高い危険パターンがあり、それは外国産馬と海外で繋養されている種牡馬の産駒です。
昨年の出走メンバーの中で唯一の外国産馬だったアロゲート産駒ジュタロウが3番人気ながらも大敗を喫しましたが、それを含めて近12年のユニコーンSで1〜3番人気に推されながらも馬券外に沈んだ14頭中6頭は外国産馬でした。また、昨年のジュタロウを除く米国で繋養されている種牡馬の産駒はカーリン産駒ビヨンドザファザーとフォートラーンド産駒ロードジャスティスの2頭で共に掲示板外に沈みましたが、近12年のユニコーンSで1~3番人気に推されながらも馬券外に沈んだ14頭中8頭は海外で繋養されている種牡馬の産駒でした。
それらの人気馬が期待に応えられなかったケースの多くは、このユニコーンS出走時点ではもうピークが過ぎていた早熟馬だったというパターンでした。逆に言えばその早熟馬のリスクが小さい国内生産馬の人気馬は信頼度が高く、その中でも成長力に定評があるノーザン&社台系の生産馬で人気に推されていた馬はほぼ全てが馬券内好走を果たしているという鉄板パターンとなっています。
レース自信度(5段階評価):3
キムラヨウヘイの
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ライタープロフィール
1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。
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