キムラヨウヘイの重賞アナライズ

2023年オークス

中〜大型馬有利の桜花賞⇔小~中型馬有利のオークス


■データ1 桜花賞の馬体重別成績(過去10年)

馬体重 着別度数 勝率 連対率 複勝率
400〜419kg 0-  1-  1- 15/ 17 0.00% 5.90% 11.80%
420〜439kg 0-  3-  3- 32/ 38 0.00% 7.90% 15.80%
440〜459kg 0-  1-  1- 45/ 47 0.00% 2.10% 4.30%
460〜479kg 8-  2-  3- 39/ 52 15.40% 19.20% 25.00%
480〜499kg 2-  3-  2- 11/ 18 11.10% 27.80% 38.90%
500〜519kg 0-  0-  0-  5/  5 0.00% 0.00% 0.00%
520〜539kg 0-  0-  0-  1/  1 0.00% 0.00% 0.00%

■データ2 オークスの馬体重別成績(過去10年)

馬体重 着別度数 勝率 連対率 複勝率
400〜419kg 0-  0-  1- 14/ 15 0.00% 0.00% 6.70%
420〜439kg 2-  0-  3- 30/ 35 5.70% 5.70% 14.30%
440〜459kg 2-  3-  1- 45/ 51 3.90% 9.80% 11.80%
460〜479kg 6-  6-  3- 35/ 50 12.00% 24.00% 30.00%
480〜499kg 0-  1-  1- 15/ 17 0.00% 5.90% 11.80%
500〜519kg 0- 0- 1- 8/ 9 0.00% 0.00% 11.10%

3歳牝馬限定のG1レースは距離1600mの桜花賞・距離2400mのオークス・距離2000mの秋華賞という距離カテゴリーが異なる3つのレースが設定されています。その中でも施行距離が一番短い桜花賞における好走率が高い馬体重は「480~499キロ(大型馬)」と「460~479キロ(中型馬)」のゾーンで、「450キロ台以下(小型馬)」の馬は過去10年では1頭も勝てていません。つまりスピードに優れるグラマー体型の大型馬が活躍しやすい傾向が読み取れます。

それに対して施行距離が一番長いオークスにおける好走率が高い馬体重は「460~479キロ(中型馬)」と「420~439キロ(小型馬)」のゾーンで、桜花賞とは対照的に「450キロ台以下(小型馬)」の馬も過去10年で4勝をあげているなど、こちらでは一般的にスタミナに優れるスレンダー体型の小~中型馬の健闘が目立つ傾向が読み取れます。

実際に近4年のオークスにおいて、中大型馬(470キロ台以上)で1〜5人気の上位人気に推されていた馬は「22年1人気12着サークルオブライフ・22年2人気7着アートハウス・21年1人8着ソダシ・21年4人気11着ファインルージュ・21年5人気13着ステラリア」の計5頭いましたが、全てが掲示板外に沈んでいます。
逆に小中型馬(460キロ台以下)で1~5人気の上位人気に推されていた馬は15頭中7頭が馬券内好走を果たしています。

極めて単純なお話しですが、中大型馬の人気馬は信頼度が低く、小中型馬の人気馬は信頼度が高いという見方が有効だと言えます。

牝馬限定の最長距離設定レースで力を発揮する血統


牝馬限定レースでは最長距離設定の距離2400mで施行されるのがオークスです。一般的な牝馬にとっては後にも先にも経験することがない距離2400mは、過酷な長すぎる距離という見方ができます。実際に今回の出走メンバーでも距離2400mというのは全ての馬にとって初めての条件となりますので、過去走に見せたパフォーマンスや実績が必ずしも直結しないことは容易に想像がつきます。

また、出走馬の多くが前走で距離マイル近辺の速い流れのレースを使われてからの一気の距離延長ローテでの参戦となるだけに、なかなかスローペースに落とせずに平均に近いペースになりがちです。それによってスタミナが切れた馬から失速していくという“脱落戦”の様相にもなり得るというレースで、そこで好走する為には何よりもその馬に地力とスタミナが備わっている必要があります。それを見極める上での大きな手掛かりとなるのが血統です。


■データ3 距離2000m以上の牝馬限定重賞の種牡馬別成績(2017年以降/最少機会数15/複勝率順)

種牡馬 着別度数 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
ステイゴールド 1-  5-  1- 11/ 18 38.90% 176 169
キングカメハメハ 7-  2-  3- 29/ 41 29.30% 125 84
スクリーンヒーロー 4-  2-  0- 15/ 21 28.60% 141 81
ハービンジャー 6-  5-  5- 43/ 59 27.10% 123 98
エピファネイア 2-  2-  3- 22/ 29 24.10% 10 134
オルフェーヴル 3-  3-  2- 26/ 34 23.50% 67 118
ドゥラメンテ 1-  2-  1- 13/ 17 23.50% 38 51
ゴールドシップ 3-  0-  2- 17/ 22 22.70% 182 90
キズナ 4-  2-  3- 32/ 41 22.00% 242 170
マンハッタンカフェ 0-  1-  2- 12/ 15 20.00% 0 51
ディープインパクト 6- 12- 11-123/152 19.10% 29 70
ルーラーシップ 1-  4-  2- 39/ 46 15.20% 9 71
ロードカナロア 2-  0-  0- 12/ 14 14.30% 21 15
ダイワメジャー 0-  0-  3- 18/ 21 14.30% 0 61
ヴィクトワールピサ 1-  0-  1- 15/ 17 11.80% 39 40
ハーツクライ 1-  3-  2- 58/ 64 9.40% 7 19

牝馬のスタミナレースで強い「特注血統」としては、最近の距離2000m以上の牝馬限定重賞の種牡馬別成績が参考になるはずです。まず一番手には軒並み上位に名を連ねているステイゴールド系種牡馬の産駒(ステイゴールド産駒・オルフェーヴル産駒・ゴールドシップ産駒)が挙げられます。それに次ぐのは、ごく一握りの活躍馬が数字を稼いでいる長打型のスクリーンヒーロー産駒よりも、キングカメハメハ産駒とハービンジャー産駒が評価できます。

実際にこのオークスでも、20年13番人気3着ウインマイティー(ゴールドシップ産駒)・21年3番人気1着ユーバーレーベン(ゴールドシップ産駒)・22年10番人気2着スタニングローズ(キングカメハメハ産駒)・22年4番人気3着ナミュール(ハービンジャー産駒)など、特注血統の該当馬が毎年のように活躍を見せているだけに今年も要注目です。

レース自信度(5段階評価):4

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ライタープロフィール

キムラヨウヘイ

1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。

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