キムラヨウヘイの重賞アナライズ

2023年高松宮記念

現在10レース連続で1〜2番枠の極端内枠を引いた馬が馬券内継続中の中京芝重賞レース


■データ1 中京芝重賞レースの枠順別成績(昨年神戸新聞杯以降)

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率
1枠 1- 0- 3- 9/13 7.70% 7.70% 30.80%
2枠 5- 1- 1- 8/15 33.30% 40.00% 46.70%
3枠 0- 2- 2-13/17 0.00% 11.80% 23.50%
4枠 3- 0- 1-13/17 17.60% 17.60% 23.50%
5枠 0- 1- 2-15/18 0.00% 5.60% 16.70%
6枠 0- 1- 0-17/18 0.00% 5.60% 5.60%
7枠 0- 4- 1-14/19 0.00% 21.10% 26.30%
8枠 1- 1- 0-17/19 5.30% 10.50% 10.50%

先々週の金鯱賞の回に、芝の張替えを実施するタイミング(回数)を増やすなどの馬場を綺麗に保つ馬場造園課の積極的な取り組みが効力を発揮していることを背景とした、最近の中京芝重賞レースにおける内有利傾向(内枠有利傾向)をピックアップしました。その金鯱賞では結果的にも、勝ち馬のプログノーシスこそ力の違いとしか言いようが無い外枠から捻じ伏せる競馬だったものの、2着には逃げの手で終始最内を通る競馬だったフェーングロッテンが入り、3着には最内枠から道中はフェーングロッテンの真後ろで最内をピタリと追走する競馬だったアラタが馬券内に食い込むという内有利決着となりました。

そして先週のファルコンSでも同様に内枠勢によるワンツースリー決着となり、これで昨年9月の神戸新聞杯から実に10レース連続で1番枠か2番枠の極端な内枠を引いた馬が馬券内好走を続けているということになりました。

■データ2 中京芝1200mコースの枠順別成績(18年以降)

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
1枠 21- 12- 12-153/198 10.60% 16.70% 22.70% 159 76
2枠 18- 22- 15-153/208 8.70% 19.20% 26.40% 95 101
3枠 14- 21- 14-162/211 6.60% 16.60% 23.20% 63 89
4枠 16- 19- 18-167/220 7.30% 15.90% 24.10% 78 111
5枠 17- 15- 21-171/224 7.60% 14.30% 23.70% 63 86
6枠 10-  8- 15-197/230 4.30% 7.80% 14.30% 89 54
7枠 14- 13- 14-251/292 4.80% 9.20% 14.00% 26 34
8枠 12- 13- 13-269/307 3.90% 8.10% 12.40% 41 42

それに加えて、この高松宮記念が行われる中京芝短距離コースは18年以降の枠順別成績データを見ての通り、内枠の1~2枠と外枠の7~8枠を比べると勝率・連対率・複勝率・回収率の全ての項目で前者が後者をダブルスコア近いレベルで上回る大きな差が生じている程に、そもそも内有利傾向が強いコースとなっています。

最近の全般的な内有利傾向と、コース自体の内有利傾向が組み合わされることによって、その相乗効果で最近の中京芝短距離コースのレースでは際立った内枠有利傾向が見られており、実際に当該レースでは1月15日の紅梅Sから先週3月19日の熱田特別まで実に11レース中9レースで1~2番枠の極端内枠を引いた馬が馬券内にきていました。

それらの延長線上にあるこの高松宮記念でも、高確率で出現するはずの内有利の傾向に逆らうのは得策ではなく、極端な内枠を引いた馬を中心に、中外枠の馬は騎手や馬の特性や脚質から最内を立ち回る可能性がある馬を重視するというのが正解への近道と言えるはずです。

スプリントG1競走なのに毎年の様に初スプリント挑戦馬が大活躍


春の芝スプリント路線の頂上決戦の位置付けである高松宮記念ですが、秋に中山で施行されるスプリンターズSがスプリンターによるスプリンターのためのレースであるのに対して、この高松宮記念については必ずしもそうではなく、むしろスプリンターよりもマイラーのためのレースとなっているのが実際の所です。

論より証拠でまずは実際の過去年のレース結果(好走馬の顔触れ)を振り返ると、3年前は初スプリント挑戦だったクリノガウディーが15番人気の低評価ながらも1位入線(4着に降着)を果たすなど、上位4頭中3頭を初スプリント挑戦馬が占めました。一昨年も上位3頭中2頭(2着レシステンシア・3着インディチャンプ)を初スプリント挑戦となる馬が占めました。昨年も全出走馬の中で3頭しかないかった初スプリント挑戦馬であるロータスランドが2着に食い込みました。さらに4年前は芝では初のスプリント挑戦だったミスターメロディが勝利して、5年前と6年前も桜花賞馬でありマイル路線の馬というイメージが強いだろうレッツゴードンキが2年連続で2着に食い込みました。

このコースの最大の特徴は最後の直線の長さ(412.5m)にあり、他場の芝1200mよりもスタミナと末脚の性能の確かさが強く求められます。それで他場の芝1200mを得意とする馬(本職スプリンター)にとって中京芝1200mは一筋縄ではいかないコースとなっており、逆に芝1400m以上を得意とする馬(元マイラー)にとって中京芝1200mは最も敷居が低いコースとなっているということもあって、スプリント路線を歩み続けてきた本職スプリンターを、元々はマイル路線で成果を挙げていた元マイラーが食うという決着が頻発しているというわけです。

レース自信度(5段階評価):3

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ライタープロフィール

キムラヨウヘイ

1990年生まれ、東京都出身。2009年にmixiコミュニティで予想活動をスタート。11年にブログを始めるとライブドア競馬ブログでアクセス数トップを記録した。15年に「競馬王」でメディアデビューし、18年からは「競馬予想TV!」に10年振りの新人予想家として出演中。
予想スタイルは各馬&各レース固有の独自の取捨ポイント設定(通称プロファイリングポイント)に基づいた狙い馬の発掘。

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